2005年 03月 17日
【F1】福井社長、あれがホンダの「志」ですか?「感動」ですか?
2月26日、2005年モータースポーツ活動の発表会で、ホンダは高らかに次のように謳った。

モータースポーツ活動は、Hondaのチャレンジング・スピリット」の原点であり、自らの「志」と「技」と「質」を高め、「先進創造へのチャレンジ」を続けることで、お客様に夢と感動を提供していく。

福井社長。開幕戦オーストラリアGPでBARホンダが取った行動。あれがホンダの「志」なんですか?あれが、我々に提供しようとしている「夢と感動」なんですか?



2005年開幕戦オーストラリアGPでBARホンダは、ポイント獲得の可能性がなくなった最終周にピットインし、リタイアした。今シーズンから導入された「1エンジン2レース」というルールの盲点を突き、次戦マレーシアで新エンジンを搭載するために、意図的にチェッカーフラッグを受けることを避けた。
BARホンダのテクニカルディレクター、J・ウィリスは次のようにコメントした。

「我々はポイント圏外のポジションだったこともあり、最後のラップはペナルティなしで次のマレーシアGPに向けてエンジンを交換できるよう、2台ともピットインさせ、レースを終えることにした。次戦はとても気温が高いレースになるので、我々には有利になるだろう。」

今回のBARホンダの取った行動について、それを予想する声は開幕前からあった。オレも、多分どこかがやるかも知れないなぁ、とは思っていた。

だけど、まさかよりにもよってホンダがあれをやるとは思わなかった。

ルールの盲点を突いて有利を得ようとする行為はF1に限らず他のスポーツでも見られるものだし、そもそもBARホンダはルール違反をしたわけでは無い。ホンダに言わせれば、早く1勝をあげることこそ、応援してくれるファンに対して報いることになると信じて、堪え難きを堪えてリタイアしたのだ、ということなのだろう。だから殊更非難するのは不当なのかもしれない。確かに、ルールの盲点を突くことと、ルールを破るということは違うのだから。
だけど、ルールを尊重することと、ルールに違反しない、ということも違う。

トヨタのテクニカルディレクター、L・マルモリーニは「わがチームのドライバーは、前レースでのポイント獲得は出来なかったが、新しいルールを真摯に受け止め、最後まで走り抜き、チェッカーフラッグを受けさせることを決断した。われわれは2005年シーズンのエンジンに関わる競技規則の精神と意志を完全に受け入れ、信じている」と言った。
マルモリーニの発言は、BARホンダに対して多分に皮肉を込めたものであることは想像できる。だけど、F1をスポーツだと信じるファンは、このマルモリーニの発言とウィリスの発言と、いったいどちらの発言を支持するだろう?どちらの方が、スポーツマンシップに則った行動と言えるのだろう?

先日、ゴールデン・ラズベリー賞の授賞式があった。ゴールデン・ラズベリー賞は、アカデミー賞の反対に、最低最悪な映画や俳優を選ぶ賞だ。当然、受賞者は授賞式を無視して出席なんかしないものだ。だけど最悪女優賞を受賞したH・ベリーは勇気を持って出席した。
授賞式に出席した理由をベリーは次のように語った。

「子どもの頃、母に言われました。良き敗者になることができなければ、良き勝者になることもできない、と」


なんて無様な敗者なんだ、ホンダは。

オーストラリアGPのホンダは、スポーツマンシップにツバを吐いて破り捨てた。
たとえマレーシアGPでBARホンダが奇跡の優勝をしたとしても、オレはホンダに「おめでとう」とは絶対に言わない。
オーストラリアで、潔さの欠片も無い無様な敗者の姿を晒したBARホンダは、良き勝者になる資格を自ら放棄したからだ。

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いろんな意味で最低だったBARホンダの2台
Photo (C) crash.net/Yahoo!ITALIA




案の定、オーストラリアGPでのBARホンダの行動はあっちこっちで非難の的となり、ルール運用について見直されることになりそうだ。FIAの理事会のステートメントでは「終わり損ねることと終わらないこととは異なるもの。これらは明確に区別されるべきものだ」と言われてやがんの。
マレーシアGPでBARホンダがフレッシュ・エンジンを積んだ場合、スチュワードの判断で予選グリッド10ポジション降格の可能性があるらしい。これで奇跡の優勝も無いな。ザマミロ。自業自得。
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by oretch | 2005-03-17 14:00 | F1

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