MotoGP第2戦ポルトガルGP。
ジベルノウがトップを走る展開で迎えた中盤、コース上に雨が落ち始めた。 昨年までは降雨時は一旦レースを中断し、ウェット対応のタイヤに履きかえてからレースを再開していた。だが今年からはレース中断は無し。スリックのまま最後まで走りきるか、ウェット対応のタイヤを履いたセカンド・カーに乗り換えるか、ライダーが自分で判断することになった。 トップを走っていたジベルノウはそのまま走りつづけることを選択し、結局ウォーター・パッチで足元を掬われてクラッシュ・リタイアすることになった。 その後天候は持ち直し、ジベルノウのすぐ後方を走っていたA・バロスが優勝した。 F1第7戦ヨーロッパGP。 レース終盤、トップを走るライコネンをタイヤ・トラブルが襲った。周回遅れを抜く際にハードブレーキングをしたツケで、ライコネンのタイヤにはフラットスッポトが発生。激しいバイブレーションを起こしていた。 今年からタイヤは予選、決勝を通して1セットしか使用できないことになった。ただし、トラブルが発生した場合には、そのタイヤの交換は認められる。 でもトップを走っていたマクラーレンとライコネンはそのまま走りつづけることを選択し、遂に最終ラップ、タイヤのバイブレーションにサスペンションがギブアップして大破。結局クラッシュ・リタイアすることになった。 レースは、自身もタイヤ・トラブルを抱えながらライコネンを激しく追い上げたF・アロンソが優勝した。 MotoGPのルール変更は恐らくTV放送の都合に合わせるためだろう。F1のルール変更はコスト削減策の一つとして実施された。 改定理由は異なる2つの新ルールだが、両者に共通する点が2つある。 一つは、どちらのルールも全てのライダー/ドライバー、チームに公平に適用されるものであり、クラッシュ・リタイアした責任はリタイアした当人にあること。 そしてもう一つは、当人だけに責任を求めるのは酷であると言わざるをえないこと。 だって彼らはレースをしているのだから。 F1のライコネンのクラッシュの件について、マクラーレンとライコネンの決断を支持したウィリアムズのサム・マイケルの言葉が全てを表している。 「勝つ可能性があるのにそのポジションを諦めることは難しい。そのポジションをキープするためにあらゆる手を尽くすよ」(Response) 恐らくこれは、全てのレーサーとレーシング・チームに共通するメンタリティなんだろう。そしてこのメンタリティこそが、レースをレースたらしめる本質の一つなんだろう。 とにかく今必要なことは、既に行われたルール改定の是非はひとまず置いておいて、両方のGPの全ての関係者が、このメンタリティとルール改定の整合性について、今一度真剣に考えることなんじゃないかな?
by oretch
| 2005-06-02 00:17
| モータースポーツ
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