2005年 08月 07日
【MotoGP】第10戦 ドイツGP レビュー
執念じゃなくて怨念

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Photo (C) CRASHNET / Yahoo!ITALIA


オマエが演出してどうする

アメリカGPに続いて2度めのPPをゲットしたヘイデンがスタートから飛び出してレースをリード。ロッシ、バロス、ジベルノウが追う展開となるが、5ラップ目にホプキンスが激しくハイサイド転倒。ライダー、マシンがコース上に残ったために赤旗が出て中断。
残り25ラップで再開された第2ヒートもヘイデンがまずトップに立つが、ヘイデンはタイムが上がらず、すぐにロッシ、続いてジベルノウにトップに明渡す。
トップに立ったジベルノウはロッシとの間にギャップをつくることができず、ザクセンは苦手と公言するロッシはトップを走るジベルノウをピタリとマークして、テール・トゥ・ノーズに。中盤、一時的にヘイデンが2位になる場面があったものの、レースは完全にロッシとジベルノウの一騎打ち。

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バックストレートエンドの左コーナーでロッシに何度も露骨にプレッシャーをかけられながらも、なんとか最終ラップまでトップを死守したジベルノウ。
が、結局最終ラップ1コーナーでブレーキングミス。労せずトップに立ったロッシがそのままフィニッシュして今季8勝目。
60年代に活躍したM・ヘイルウッドと並んで歴代3位となるGP通算76勝目を達成した。

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ジベルノウはもう2度と勝てない?
I’m really happy to have been fighting to win again
“再び優勝争いをすることができて本当に嬉しい”
motogp.comより)
多分「もう勝てないんじゃないか?」とマジで心配していたんだろうから、久しぶりにトップ争いができて確かにホッとしてるんだろうなとは思う。だけどサ、喜んでる場合か?ってーの!
今季ロッシが独走した責任の半分はキミにあるんだよ。最後の最後にミスしてムザムザ奴の勝利を演出してやってどうすんだ?

でも、ジベルノウを責めてもしょうが無いのかもしれない。
なぜなら、これはロッシの怨念が成した業だから。

ライスポの富樫ヨーコさんの記事によれば、ロッシは去年のカタールでの大失態の後、「ジベルノウには2度と勝たせない」と誓ったらしい。自分が勝つことを誓うんじゃなくて、ジベルノウに勝たせないと誓うロッシ。そして確かにジベルノウはカタール以来優勝できずにいる。
なんて奴だ・・・。
よくロッシの勝利に対する執念の強さが賞賛の対象になるけど、どうやらそれは間違いらしい。ロッシが勝ちまくっているのは、勝利に対して強い執念を持っているからではなく、大嫌いな奴には絶対に勝たせたくないという怨念がモチベーションになっているからだったのだ。

ジベルノウよ、可哀相だけどキミはもう2度と勝てないかもしれない。なぜならキミは触れてはいけないものに触れてしまったのだから・・・

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ホネ ノ ズイ マデ スイツクシテ ヤルゼ イヒヒヒヒ・・・・
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GP史上初の快挙

今回の優勝でロッシはGP通算76勝目を達成した。かつて“マイク・ザ・バイク”と称えられた60年代の帝王、マイク・ヘイルウッドに並ぶ歴代3位の記録。1996年チェコGP125ccクラスで初優勝して以来、足掛け10年で達成した。この偉業を称えて、初優勝から今ドイツGPまでの全76勝の記録をまとめておく(下記「ロッシ全優勝記録」参照)。
“軽量級の帝王”と呼ばれたA・ニエトの持つ通算90勝まではあと14。今のロッシの勢いなら、来年にはニエトにも並ぶかもしれない。

さて、確かに通算76勝も素晴らしい記録だけど、今回オレがもっと注目したい記録は、初のチャンピオンになった1997年から数えて7回目となるシーズン8勝以上をマークしたこと。
8勝以上をマークしたシーズンが7回。これはWGP史上初の快挙だ。通算122勝という圧倒的な記録で歴代1位に君臨するG・アゴスチーニでさえ成し遂げていない大記録だ。

アゴスチーニの時代は、現在と違ってGPが年間10戦前後しかなかったし、その代わりに複数のクラスを掛け持ちして走っていたから、シーズン19勝というとんでもない記録もあったりする(ヘイルウッドが1966年に、アゴが1970年にそれぞれ記録)。だから単純に今と昔を比べてはおかしいのかもしれない。
でも、時代によって異なる様々な条件を差し引きすれば、優勝することの難しさは昔も今も変わらないはず。だから、シーズン中に8つも勝つということ自体をまずスゴイことだと思うし、そんなスゴイことを、栄枯盛衰の激しい世界で7シーズン(足掛け9シーズン)に渡って達成してしまうことはそれ以上にスゴイことだと思う。

初優勝した時のあどけない顔からは、まさか将来こんな偉大な選手に化けるとは、正直言って分からなかったなぁ・・・・。

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頑張った人

まず中野王子。何が頑張ったって、ロッシとのタイム差が僅か4.5秒しかなかったこと。去年表彰台に立った茂木(7.2秒)より、カワサキ最高位の5位をゲットしたスペインGP(27.7秒差)よりもロッシに近かった。レースが2ヒート制になってラップ数が減ったことや、もともとマシン差が出にくくタイム差が開き難いザクセンだったとは言え、「ロッシまであと4.5秒」ってスゴイことだ。近い。めちゃくちゃ近いやん!
トップグループまであともう少し。頑張れ。

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トップグループのすぐ後ろにライムグリーン!
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それと、TV地上波ではダイジェストしか流れないからよく分からんけど、250ccの青山の高橋が頑張ったみたいだ。特に青山は序盤にレースリードを奪う活躍。結局ペドロサに突き放されたとは言え表彰台をゲットした。おめでとう!
2人ともチームメイトが世界チャンピオンだから色々余計な苦労やプレッシャーがあると思うけど、今季残りも頑張れ。

頑張れなかった人

いけると思ったのになぁ~、ビアッジ。中盤までトップグループにくらいついてきて、案外そのままスルスルっとトップに出るかなと見ていたけど結局最後は尻すぼみ。残念。

ビアッジ以上にガッカリしたのはメランドリ。7位に沈んだおかげでロッシとのポイント差は「120」にまで拡大してしまった。これで、第12戦でロッシ戴冠という最短コースが現実味を帯びてきちゃったよ。第12戦って、もう次の次だよ。
もちっと頑張ってくれよー





ロッシの全優勝記録

1996年 125ccクラス アプリリア
 01勝目 第11戦 チェコGP (ブルノ)

1997年 125ccクラス アプリリア
 02勝目 第1戦 マレーシアGP (シャーラム)
 03勝目 第3戦 スペインGP (ヘレス)
 04勝目 第4戦 イタリアGP (ムジェロ)
 05勝目 第6戦 フランスGP (ポールリカール)
 06勝目 第7戦 オランダGP (アッセン)
 07勝目 第8戦 イモラGP (イモラ)
 08勝目 第9戦 ドイツGP (ニュルブルク)
 09勝目 第10戦 ブラジルGP (リオデジャネイロ)
 10勝目 第11戦 イギリスGP (ドニントン)
 11勝目 第13戦 カタルニアGP (カタルニア)
 12勝目 第14戦 インドネシアGP (セントゥール)

1998年 250ccクラス アプリリア
 13勝目 第7戦 オランダGP (アッセン)
 14勝目 第11戦 イモラGP (イモラ)
 15勝目 第12戦 カタルニアGP (カタルニア)
 16勝目 第13戦 オーストラリアGP (フィリップアイランド)
 17勝目 第14戦 アルゼンチンGP (ブエノスアイレス)

1999年 250ccクラス アプリリア
 18勝目 第3戦 スペインGP (ヘレス)
 19勝目 第5戦 イタリアGP (ムジェロ)
 20勝目 第6戦 カタルニアGP (カタルニア)
 21勝目 第8戦 イギリスGP (ドニントン)
 22勝目 第9戦 ドイツGP (ザクセン)
 23勝目 第10戦 チェコGP (ブルノ)
 24勝目 第13戦 オーストラリアGP (フィリップアイランド)
 25勝目 第14戦 南アフリカGP (ウェルコム)
 26勝目 第15戦 リオGP (ジャカレパグア)

2000年 500ccクラス ホンダ
 27勝目 第9戦 イギリスGP (ドニントン)
 28勝目 第14戦 リオGP (ジャカレパグア)

2001年 500ccクラス ホンダ
 29勝目 第1戦 日本GP (鈴鹿)
 30勝目 第2戦 南アフリカGP (ウェルコム)
 31勝目 第3戦 スペインGP (ヘレス)
 32勝目 第6戦 カタルニアGP (カタルニア)
 33勝目 第8戦 イギリスGP (ドニントン)
 34勝目 第10戦 チェコGP (ブルノ)
 35勝目 第11戦 ポルトガルGP (エストリル)
 36勝目 第13戦 パシフィックGP (茂木)
 37勝目 第14戦 オーストラリアGP (フィリップアイランド)
 38勝目 第15戦 マレーシアGP (セパン)
 39勝目 第16戦 リオGP (ネルソンピケ)

2002年 MotoGPクラス ホンダ
 40勝目 第1戦 日本GP (鈴鹿)
 41勝目 第3戦 スペインGP (ヘレス)
 42勝目 第4戦 フランスGP (ルマン)
 43勝目 第5戦 イタリアGP (ムジェロ)
 44勝目 第6戦 カタルニアGP (カタルニア)
 45勝目 第7戦 オランダGP (アッセン)
 46勝目 第8戦 イギリスGP (ドニントン)
 47勝目 第9戦 ドイツGP (ザクセン)
 48勝目 第11戦 ポルトガルGP (エストリル)
 49勝目 第12戦 リオGP (ネルソンピケ)
 50勝目 第15戦 オーストラリアGP (フィリップアイランド)

2003年 MotoGPクラス ホンダ
 51勝目 第1戦 日本GP (鈴鹿)
 52勝目 第3戦 スペインGP (ヘレス)
 53勝目 第5戦 イタリアGP (ムジェロ)
 54勝目 第10戦 チェコGP (ブルノ)
 55勝目 第11戦 ポルトガルGP (エストリル)
 56勝目 第12戦 リオGP (ネルソンピケ)
 57勝目 第14戦 マレーシアGP (セパン)
 58勝目 第15戦 オーストラリアGP (フィリップアイランド)
 59勝目 第16戦 ヴァレンシアGP (ヴァレンシア)

2004年 MotoGPクラス ヤマハ
 60勝目 第1戦 南アフリカGP (ファキサ)
 61勝目 第4戦 イタリアGP (ムジェロ)
 62勝目 第5戦 カタルニアGP (カタルニア)
 63勝目 第6戦 オランダGP (アッセン)
 64勝目 第9戦 イギリスGP (ドニントン)
 65勝目 第11戦 ポルトガルGP (エストリル)
 66勝目 第14戦 マレーシアGP (セパン)
 67勝目 第15戦 オーストラリアGP (フィリップアイランド)
 68勝目 第16戦 ヴァレンシアGP (ヴァレンシア)

2005年 MotoGPクラス ヤマハ
 69勝目 第1戦 スペインGP (ヘレス)
 70勝目 第3戦 中国GP (上海)
 71勝目 第4戦 フランスGP (ルマン)
 72勝目 第5戦 イタリアGP (ムジェロ)
 73勝目 第6戦 カタルニアGP (カタルニア)
 74勝目 第7戦 オランダGP (アッセン)
 75勝目 第9戦 イギリスGP (ドニントン)
 76勝目 第10戦 ドイツGP (ザクセン)
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by oretch | 2005-08-07 00:39 | MotoGP

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