2005年 10月 06日
【F1】第17戦 ブラジルGP レビュー
(今頃だけど・・・)

http://uk.sports.yahoo.com/050925/2/dvwz.html
[Photo : Yahoo!UK&IRELAND / Reuters]


最速じゃなくて最強が制した。アロンソ戴冠。

史上最年少、スペイン人初のチャンピオン誕生。しかも今世紀初?

ブラジルGPを迎えた時点で、ポイント首位アロンソと2位ライコネンとの差は25点。アロンソは3位に入れば、ライコネンの順位に関係なくチャンピオンが決まる。チャンピオンに王手をかけたそのレースでアロンソはPPを獲得。幸先良いスタート。

http://it.sports.yahoo.com/050926/21/b0ju.html
戦った
[Photo : Yahoo!ITALIA / crash.net]


迎えた決勝レース。まずスタートでアロンソが飛び出す。続いてモントーヤ。後方で発生した多重クラッシュによってセイフティ・カーがコースに入る。一旦小休止。
すぐにレースは再開。すかさずモントーヤがアロンソをパス。ハイペースで逃げるモントーヤに一旦離されかけたものの、アロンソもペースを上げて少しずつ差を詰めていく。一方、タイトルを争うライコネンはペースがあがらず、徐々にギャップが広がっていく。
アロンソがピットイン。続いてモントーヤ。ピットインを遅らせたライコネンがアロンソを逆転して2位に上がる。アロンソは3位に落ちたものの、そのままフィニッシュすれば自力でチャンピオンを決められる。無理に追う必要は無い。4位のシューマッハとは15秒以上も差がある。ただそのまま淡々とフィニッシュを目差して走り続ける。
最後までチャンピオンを諦めないライコネンはトップを走るモントーヤを必至で追う。でも追いつけない。マクラーレンはチームオーダーを出さない。ジリジリとしながらラップ数だけが重なっていく。
終盤、チャンピンを確信したようにアロンソがペースダウン。ルノーとコンストラクターズ・タイトルを争うマクラーレンも、安全策をとってペースダウンする。アロンソの3位フィニッシュはもはや確実。この時、ライコネンも遂にドライバーズ・タイトルを諦めた。

まずモントーヤが今季3勝目となるトップフィニッシュ。続いてライコネン。マクラーレンが1-2。でもこの日の主役は優勝したモントーヤでも、1-2を決めたマクラーレンでもない。
優勝したモントーヤの24.81秒後、アロンソが3位でフィニッシュラインを通過した。
この瞬間、史上28人目、延べ56人目となる新チャンピオンが誕生した。

おめでとう、フェルナンド!

http://it.sports.yahoo.com/050925/1/azqs.html
決めた
[Photo : Yahoo!ITALIA / Associated Press]


http://it.sports.yahoo.com/050925/1/azsc.html
吼えた
[Photo : Yahoo!ITALIA / Associated Press]


アロンソはこの日で24歳と58日。1972年に25歳8ヶ月でチャンピオンになったE・フィッティパルディが持つ最年少記録を更新した。
また、20世紀の最後の年である2000年からずっとチャンピオンはシューマッハだった。だから今世紀に新しく生まれた初のチャンピオンとも言える。
更に、スペイン人初のF1優勝を飾ったアロンソだから、当然スペイン人初のチャンピオンでもある。

「自分の立場を理解するにはまだ少し早いみたいだ。実感するには2、3日かかりそうだよ。スペイン国王と話し、皇太子や首相とも話したんだ。今はとても言葉にならないよ。」

実感が湧かない。そりゃそうだろう。つい忘れがちだけど、思い返してみればこの若いアロンソは、つい4年前に弱小ミナルディからデビューしたばかりだし(この年はポイントすら獲れなかった)、3年前にはテストドライバーにすぎなかったのだから!
なぜそんなすぐ最近のことをつい忘れてしまうかと言えば、今シーズンのアロンソのドライビングが、もう何年もチャンピオン争いをしてきた大ベテランのように強く、安定していたからだ。

今シーズン、序盤の3連勝以降常にチャンピオンシップをリードし続け、そして最後までその安定感が破綻することがなかった。シーズン前半に比べると、後半は「11戦して8勝」とR・デニスが自慢したくなるのも分かるぐらいマクラーレンにスピードで完全に差をつけられてしまった。でもアロンソは前半で稼いだ貯金を浪費することなく、常に“マクラーレンの次”のポジションをキッチリとキープして、ライコネンとのギャップを完全に掌握し切った。
見事というしかない。


http://it.sports.yahoo.com/050925/1/azq9.html
抱きついた
[Photo : Yahoo!ITALIA / Associated Press]


http://it.sports.yahoo.com/050925/1/azr2.html
投げた
[Photo : Yahoo!ITALIA / Associated Press]


シーズン序盤の3連勝も見事だったけど、アロンソのチャンピオンへの道のハイライトは、皇帝シューマッハを抑えきったサンマリノGPと終盤の3戦連続“勝利の2位”だったと思う。若さとは不釣合いなほどの確かなテクニックと、プレッシャーがかかる中でも結果をしっかりと出してみせる安定性こそがアロンソの持ち味。サンマリノGPと終盤のレースは、そんなアロンソの持ち味を見事に発揮したレースだった。
確かにライコネンと比較して強運に恵まれていたということもあると思う。だけど、棚牡丹の強運に恵まれただけの“ラッキー・チャンピオン”だったとは思わない。ライコネン(正確にはマクラーレン)が自滅した時、棚から落ちてきた牡丹餅をしっかり受け止めるポジションにアロンソは必ず居た。そのことが重要だったと思う。

今年MotoGPとWRCでチャンピオンになったロッシとローブは、シーズンを通して常に強かった。圧倒的だった。でも長い歴史を振り返れば、どのカテゴリーでも圧倒的に強いチャンピオンはむしろ例外で、多くのチャンピオン達は、シーズンを通した安定感こそが決め手となってタイトルを獲得してきた。特にシーズン後半は明らかにマクラーレンにスピードで差をつけられていたからこそ、常に「ライコネンのすぐ後ろ」を走りつづけ、シーズン前半に築いた大量のポイントリードを最大限有効に使い切ったアロンソは、王道の中の王道を歩んだ、チャンピオンらしいチャンピオンだったと思う。

http://it.sports.yahoo.com/050925/1/azwa.html
BRAVO!
[Photo : Yahoo!ITALIA / Associated Press]


http://uk.sports.yahoo.com/050925/2/dw3t.html
地元スペインも燃えた
[Photo : Yahoo!UK&IRELAND / Reuters]


もう一つのチャンピオン争いはこれからが佳境

チャンピオンは手放しで褒め讃える。これがオレッチのポリシー。
ま、ポリシーというほどエラそうなもんじゃないけど、でも世界の頂点に立ったということは、最大限の敬意を払うべきだと思っている。(たまに例外もいるけど)

だからといってチャンピオンが生まれる過程に不満が何一つ無いというわけじゃない。勿論、不満の矛先はチャンピオンじゃない。今シーズンのF1で言えば、マクラーレンでありフェラーリでありBARだ。
色々書き残しておきたいことはあるけれど、それはまだ暫く取っておこう。まだシーズンは終わっていないんだから。

http://it.sports.yahoo.com/050925/1/azqb.html
コンストラクターズでは遂に逆転に成功
[Photo : Yahoo!ITALIA / Associated Press]


そう、もう一つのチャンピオン、コンストラクターズ・タイトルはこれからが佳境だ。ブラジルで狙い通り1-2を決めたマクラーレンが、とうとうルノーを逆転した。
シーズン中盤は一進一退を繰り広げた両者。最大23点差まで開いたこともあったけど、残り2戦を残して遂にマクラーレンが首位に立った。シーズン後半に入って圧倒的なスピードを発揮してきたMP4/20のポテンシャルから考えれば当然の結果だろう。
でもその差は僅か2点。こんなの全然差じゃない。

これからの勝負のポイントはどこか?

両チームの獲得ポイントのドライバー別構成比を見てみると、ルノーは「アロンソ:フィジコ=7:3」、マクラーレンは「ライコ:モン吉=6:4」となっている。フツウに考えれば、アロンソとライコはこれまで通り互角の戦いをするだろうから、実質的にセカンドドライバーになっているフィジコとモン吉の勝負ってことになるんだろう。でもオレッチは、マクラーレンの鍵はモン吉でいいとして、ルノーの鍵はアロンソだと思う。

マシンのポテンシャルでルノーが劣勢にあるのは間違いない。なんせここ12戦でマクラーレンが9勝しているんだから。ただ、マシンのポテンシャル差だけがマクラーレン独走の理由ではないと思う。ドライバーズ・タイトル獲得のためにアロンソが堅実な走りに徹していたことも大きな理由のはず。
だとすればルノーとしては、今季ツキに見放されているフィジコが残り2戦で運気が上昇するのを期待するよりも、ドライバーズチャンピオン獲得という“縛り”から解放されたアロンソが、攻めに転じてマクラーレンの2台をやっつけることに懸けた方が可能性が高いんじゃないか?
もちろん前提として、フィジコも確実に点数を稼ぐことが必要なんだけど。

残り2戦がドライバーの腕が試される鈴鹿と上海というのも、これまたクライマックスを盛り上げてくれるいい演出だよ。

その他

マクラーレンは復活したけど、その好敵手のウィリアムズは依然として低空飛行。スタート直後の多重クラッシュで同士討ちしてりゃ世話ないね。ウェバーって、やっぱりハズレだったんじゃないの?

トヨタはもうちょっと頑張って欲しかったなぁ。トップ2チームとは差が開いたけど、3位フェラーリの背中はもう見えてる。あと一息。

琢磨は結構健闘したんだけどねぇ。いくらポジティブ野郎の琢磨でも、流石にクビになってモチベーション落ちちゃったのかなぁ・・・
[PR]
by oretch | 2005-10-06 21:02 | F1

<< 【ロッシ狂奏曲】巨人の魔の手 【MotoGP】第14戦 カタ... >>