なんか今シーズンはものすごいことになりそうな予感。
■ ロッシを襲った悲劇、マルコメに訪れた歓喜 予選はペドロサが中国GPから連続となるPPゲット。やっぱり身体の軽さを活かした立ち上がり加速を武器に、ストップ&ゴー・タイプのコースでは強いなぁ。 一方ロッシは待望の新型シャシーを手に入れ、レースウィーク初日はトップタイムもマーク。予選ではグリップの高い予選用タイヤでまたバイブレーションが出て7番グリッドに落ちるものの、レース用タイヤでは絶好調のようで、どうやら決勝には自信がある模様。 明けて決勝レース。レース前に雨でも降ったのか、ウォームアップラップで映し出されたコースはところどころ色を濃くしている。最終コーナー手前では、ロッシがステップ上に立ち上がって、いつものようにレーシングスーツの股間のあたりの収まり具合を直している。余裕なのか、あるいは必勝を期して緊張しているのか。 サーキットの上空には今にも雨を落としそうな重い雲が漂っている。まるで決勝レースが荒れた展開になることを予言しているように。 Photo (C) CRASHNET / Yahoo!ITALIA ウェットレース宣言が出されたがコンディションはほぼドライ。スタートシグナルが消え、各車一斉に1コーナー、そしてに殺到する。 好スタートを切ったのはメランドリ、ホプキンス、ペドロサ。大きく右に弧を描く1コーナーの先は左に切り返して進入するシケイン。それを見越してのことだろう、ロッシは大外から1コーナーに突入していく。そしてシケイン入り口でまんまとインに割り込んでいった。ここらへんの上手さが、密集状態でうまくポジションが取れずに余計な減速をしている他のライダー達とロッシの違うところだな、やっぱし。 Photo (C) CRASHNET / Yahoo!ITALIA と一人ゴチてたら、シケインで今日ひとつ目のアクシデントが発生する。 ありゃ、原因はロッシやんけ。 ズバッとシケインに突入したのはいいけど、前を走るペドロサに危うく追突しそうになってロッシがマシンを跳ね起こす。するとすぐアウト側を走っていたプニエがビクって、さらにアウト側を走るジベルノウとエドワーズに接触。プニエは転倒し、ジベやエドワーズら後続はグラベルへと押しやられてしまった。 プニエはせっかくの母国GPだったのにお気の毒。ロッシはというと、一瞬バランスを崩しかけたけど上手くマシンを立て直して、ダンロップコーナーに達する頃には、ちゃっかり6番手のポジションに納まってやんの。なんだかちょっとあれだけども、ロッシもそれだけ気合が入っているってことなんだろうな。 Photo (C) CRASHNET / Yahoo!ITALIA Photo (C) CRASHNET / Yahoo!UK&IRELAND レースは前戦でも健闘したホプキンスがリード。どうやらスズキのレベルアップぶりは本物らしい。2番手にはマルコメがつけるものの、ペースが上がらず後続に蓋をするカタチになり、その直後にペドロサ、カピロッシ、そしてロッシがテールトゥノーズで貼り付いている。 最初に動いたのはやはりロッシ。3周目、ダンロップコーナーでまずカピロッシをパスすると、S字入り口で今度はペドロサを捉える。さらに次の右コーナーでマルコメをもパス。わずか1周で目の前の3台を料理してしまった。 Photo (C) CRASHNET / Yahoo!ITALIA キタキタキタキタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!! ロッシきたよこれ! 2番手に浮上したロッシは、すかさずトップを走るホプキンス追撃体制に入る。それを見たペドロサが遅れてならじとマルコメを猛プッシュ。たまらずマルコメがミスを犯し、それを見逃さなかったペドロサが労せずして3位に浮上した。 トップではホプキンスにロッシがアっという間に追いついていた。乗れてるロッシは今にもホプキンスに襲い掛からんばかりの勢いだ。なんて考えたそばから5周目の左ヘアピンでホプキンスまでもアッサリとパス。トップに立った。 カタール以来となるレースリード。TVのスピーカーから湧き上がる歓声が聞こえてくる。 そうそう、やっぱりみんなロッシがこのポジションに帰ってくるのを待ってたんだよ! Photo (C) CRASHNET / Yahoo!ITALIA ロッシに抜かれたホプキンス。中国GPみたいにズルズル後退していくかと思ったけどロッシとの差は開かない。ホプキンスが乗れているのか、ロッシのペースがあがらないのか。しばらくすると3位のペドロサも前の2台との差を詰めてきた。どうやらロッシのペースが遅いみたい。ありゃりゃ。 7周目。ペドロサがホプキンスに完全に追いついた。これでトップグループは3台に。 そして8周目、ホプキンスの一瞬のミスを突いてペドロサが2位に浮上。トップをいくロッシを追撃する。 Photo (C) CRASHNET / Yahoo!ITALIA キタキタキタ今度はペドロサがキタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!! 世界が待ってた両雄の対決シーンが開幕5戦目にして遂に実現した。 ロッシの背中を捉えたペドロサの心境はどんなだ? 「↓・1 PEDROSA」と出されたピット・サインを見たロッシは何を思った? 10周目には3位で頑張ってたホプキンスがダンロップコーナー先で転倒して脱落。いよいよロッシとペドロサの一騎打ちだ。 10周目、ロッシ1分35秒144、ペドロサ1分35秒198。その差、0.529秒。 11周目、ロッシ1分35秒561、ペドロサ1分35秒518。その差、0.486秒。 ほぼ互角の戦い。レースはここで折り返し。 これまでとは別人のように鋭くコーナーに切り込むロッシ。コーナー進入で一瞬左足をステップから外すいつものスタイルでそれを追うペドロサ。 Photo (C) CRASHNET / Yahoo!ITALIA 12周目、ロッシ1分35秒410、ペドロサ1分35秒510。その差、0.586秒。 13周目、ロッシ1分35秒440、ペドロサ1分35秒451。その差、0.597秒。 やや差が開いた。 ロッシは相変わらずリズム良くコースを駆け抜けていく。ペドロサはやや無理をしているのか、ラインが時折ブレている。 Photo (C) CRASHNET / Yahoo!ITALIA 14周目、ロッシ1分35秒298、ペドロサ1分35秒555。その差、0.854秒。 15周目、ロッシ1分35秒622、ペドロサ1分35秒920。その差、1.152秒。 ジリジリと開いた差は遂に1秒を超えた。 王者対決はまずはロッシの先勝か。 Photo (C) CRASHNET / Yahoo!ITALIA その後も両者の差は毎ラップ、コンマ2秒、コンマ3秒と拡大し、17周目終了時で2秒、18周目終了時で3秒にまで開いた。ペドロサのマシンに備え付けられたオンボードカメラの映像では、前方に写るロッシの姿はもうかなり小さくなってしまった。 ストップ&ゴーの繰り返しのブガッティ・サーキットは体力を相当消耗する。ここにきて課題だったペドロサの体力不足が効いてきたのか? そして21周目。ロッシがフィニッシュラインを通過する頃、ようやくペドロサが最終コーナーを立ち上がる。両者の差は4秒にまで開いた。もはやロッシの独走態勢。トップ争いから興味を失った中継カメラは、望遠で3位メランドリと4位カピロッシを写している。3位メランドリと2位ペドロサの差は2.5秒。ペースを落としたペドロサをメランドリが追い上げている。 Photo (C) CRASHNET / Yahoo!ITALIA 一つ目の右ヘアピンを抜けて短いストレート。バックマーカーをパスして、次の左ヘアピンにアプローチするメランドリを中継カメラがアップで追う。 カメラが切り替わり、ヘアピンを立ち上がるメランドリを遠くから正面から捉える。 ん? 左ヘアピン・コーナーのアウト側。コースとグラベルゾーンの間のスペースに、スローダウンしたマシンが1台見える。 誰だ? カメラは遠くから捉えているので、マシンカラーが判別できない。 カメラが寄る。 黄色? さらにカメラが寄る。 そして一瞬の静寂のあと、TVのスピーカーからアナウンサーの絶叫が飛び出してきた。 「ヴァレン・・・・・? ティーノ・・・? ロッシだああああっ!!!」 ガ━━(°Д°;)━━━ン!! ガ━━(°Д°;)━━━ン!! ガ━━(°Д°;)━━━ン!! ガ━━(°Д°;)━━━ン!! 人が歩くぐらいのスピードでゆるゆると進みながら、まるで腕から力が抜けてしまったかのようにマシンに身体を伏せるロッシ。 中継カメラが次々と切り替わる。 呆然とTVモニターを見上げるガレージのヤマハ・スタッフたち。 止まったYZR-M1のシート上で身じろぎもせずに肩を落とすロッシの後ろ姿。 ロッシに替わってトップに立ったペドロサ。 顔を両手で覆いうなだれるウーチョ。 そしてカメラは再びロッシを写す。 呆然と立ち尽くし、コースマーシャルによって脇に移動させられるM1を目を追うロッシ。肩を落とし、ヘルメットを被ったままの頭を俯け、力なくトボトボと歩き始める。その肩を別のコースマーシャルが励ますように軽くポンと叩いた。 起死回生のトップ独走中に、まさかのマシン・トラブル。王者ロッシは今季2度めのリタイアを喫した。 しばらくたってパドックに帰り着いたロッシは、ヘルメットを脱がず表情を隠したまま、モーターホームの中に消えた。 その後、レースの方は、ロッシとのバトルで体力を消耗したペドロサがペースダウン。後方から追い上げてきていたメランドリが24周目にペドロサを捉えてトップ浮上。そのまま逃げ切って、今シーズン一番乗りで2勝目をマークした。 さらに最終ラップにはカピロッシもペドロサをかわして2位表彰台。 ペドロサは結局3位でフィニッシュした。 Photo (C) CRASHNET / Yahoo!UK&IRELAND Photo (C) CRASHNET / Yahoo!ITALIA Photo (C) CRASHNET / Yahoo!ITALIA ■ どうするどうなるロッシ!? ここブガッティ・サーキットで、ジベルノウとのハイレベルな素晴らしいバトルを制し、5年連続タイトルへと加速していったのは1年前。 その同じサーキットで、今年はタイトル防衛に向けて限りなく赤に近い黄信号を灯す結果になってもうた。 今シーズン2回目のリタイア。しかも開幕戦は転倒後の再スタートで14位がやっとだったから、実質的には開幕5戦にして3戦をリタイアしているようなものだ。 Photo (C) CRASHNET / Yahoo!UK&IRELAND ポイントランク現在トップのヘイデンと比べて40点以上のビハインド。まだ12戦も残っているから可能性が無いわけじゃないとは言え、さすがにこの得点差はいくらロッシといえども厳しいだろう。開幕5戦を終えて、これだけポイント差を開けられたのは、最高峰クラスにステップアップしたばかりの2001年、この年チャンピオンになるジュニアに53点差をつけられた時以来だ。 2001年と比べるとポイント差は小さいし、残りレース数も一つ多いとは言え、ここ5連覇中には経験したことの無い逆境にあることは間違いない。ポイントトップのヘイデンは、今回は5位に終わったけど、昨年に比べれば遥かに安定感を増していて、この先、大崩れしそうな気配は無い。 マシンが止まってからパドックのモーターホームまで帰る間、ヘルメットを取らずに通したところからもロッシの落ち込みぶりは容易に想像がつく。 でも、そうは言ってもマシンが止まるまでの間は、カタール以来の快走をしていたことも事実。予選用タイヤでは相変わらず振動がひどくて苦しんでるみたいだけど、決勝レースの走りを見ると、これはかなり上げ上げの状況にあると見ていいんでないの? とくにカピロッシ、ペドロサ、メランドリの表彰台3人組をアッという間に料理してみせた3周目のキレたライディングは、確かに王者ロッシ復活を感じさせるものだったし。 Photo (C) CRASHNET / Yahoo!ITALIA 次は母国イタリアGP。ここでも負けるようだといよいよ後が無いかもしれない。 「正念場に立たされたロッシ」か。 ま、めったに見られるもんじゃないから、それはそれでやっぱり面白いね♪ Photo (C) CRASHNET / Yahoo!ITALIA ■ 日の丸バイク隊復活! ちっきしょー! なんで地上波ではダイジェストでしか流してくんないんだよ。 250ccクラスの決勝、ついに高橋がやってくれたぜい! Photo (C) CRASHNET / Yahoo!ITALIA なんだあの最終ラップの最終コーナー? トルコGPほどではないけどもんのすごいことになってたな。最終の複合コーナーでラインがクロスした時には、現場の大観衆のどよめきがTV画面を通して伝わってきた。 ドビがちょっと前に出たまま最終コーナーを立ち上がったときには、ブガッティは最終コーナーからフィニッシュラインまでの距離が短いから、こりゃダメか!? と思ったけど、最後の最後で僅かに加速の延びでドビをかわした時にはプチ鳥肌立ったぞ。 Photo (C) CRASHNET / Yahoo!ITALIA Photo (C) Associated Press / Yahoo!UK&IRELAND 同じマシンに乗ってるんだから、あの加速の延びの差は最終コーナーの脱出速度の差なわけだ。最終コーナーへの飛び込みで、高橋の頭を抑えようと強引にインに入ってドビの方がラインに無理が生じたのに対して、最終複合を一つの大きなコーナーのようにキレイなラインで回った高橋。この差が最後の最後で出た。 フル参戦1年目の昨年は思ったような成績が上げられず、そうこうしているうちに今年は後輩の青山弟が後を追いかけてきて、内心では結構焦ってたんじゃないのかな? でも、それもこれも今回の優勝で全部吹っ飛んだろう。 念願の初優勝おめでとーっ! さらに3位にはその青山弟が入って初表彰台ゲット! 表彰台で2本の日の丸が揚がったのは2003年の日本GP以来3年ぶり。 さらにさらに4位には青山兄が滑り込んで日本人ライダーが1-3-4フィニッシュ! この勢いなら、2000年の日本GPで大治郎、宇川、中野が達成して以来になる日本人ライダーの1-2-3フィニッシュが再び見られる日も近いな。 頑張れ日の丸ライダー隊! それにしても、ドビ勝てないねぇ~。 いつももうちょっとで勝てるところにまで来てるのに勝てないんだよねぇ。たぶん最終ラップの最終コーナーも、「もう負けたくない!もうこれ以上負け続けるのはいやああああああ!!」って感じでつい無理しちゃったんだろうな。フィニッシュラインに届く前に、高橋に負けることを悟ったかのようにガックリと頭を下げた時、ちょっとかわいそうだった・・・ ドビも頑張れ(ほどほどに)
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| 2006-05-26 09:45
| MotoGP
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