2006年 06月 16日
【MotoGP】第6戦 イタリアGP レビュー その1
結果分かってんのに興奮しちゃうWGPはやっぱり面白すぎる。

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Photo (C) Associated Press / Yahoo!ITALIA


5戦して優勝は1回のみ。表彰台も1回。リタイアは2回。ポイントスタンディングは8位。トップから43ポイント差。ここまでのロッシの成績を纏めてみると、それはとても5連覇中の王者のものとは思えない低迷ぶり。ここまで苦戦するロッシはこれまで見たことが無い。

ファンが期待しているのはもちろんロッシの巻き返し。じゃないと面白くない。そして迎えた母国イタリアGP。過去4連勝中の超得意なサーキット。反攻に転じずるには最高の舞台。果たして生まれついてのエンターテイナーは、その期待に見事に応えてくれましたですよ。



■ ロッシようやく2勝目

予選の主役はドゥカの2台。PPジベルノウ、2位カピロッシでドゥカティがグリッド1-2。そしてグリッド3番手に今季初のフロントローとなるロッシ。新型シャシーの効果覿面。ドゥカには負けたものの予選で久しぶりの快走。これでロッシ反攻への期待がグっと高まった。2列目4番手は現在ポイント首位のヘイデン。中野王子を挟んで今季唯一人2勝をマークしているメランドリが並ぶ。3列目には昇り調子のホプキンスの隣にペドロサ、ストーナーが続く。
PPジベルノウから9番手ストーナーまで、予選タイムの差は僅か1秒以内。スリップストリームの使い合いで毎年接戦になるムジェロだから、否が応でも決勝への期待は高まりますわな。

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ロッシは今季初のフロント・ローからのスタート。
Photo (C) Yamaha Motor Co.


そして決勝。好スタートを切ったのはPPジベとロッシ。ムジェロはスタートラインから1コーナーまでが長い。1コーナーに達するまでに各車の激しいポジション争いがあっちゃこっちゃで繰り広げられて、1個もコーナー抜けてないうちからもう大興奮でございますよ!

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ジベルノウとロッシが好スタート。カピロッシはスタート失敗。
Photo (C) CRASHNET / Yahoo!ITALIA


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ホールショットはジベルノウ。ロッシ、中野、メランドリ、ストーナーが続く。
Photo (C) CRASHNET / Yahoo!ITALIA


ホールショットを獲ったのはジベ。ロッシがそのすぐ後に続く。と思ったらすぐ直後にジベをオーバーテイク。トップに立つ。
トップのロッシは後続との差を広げようと1周目からハイペースで逃げを打つ。2位ジベルノウはロッシをピタリと追走するものの、3位中野が蓋になってトップ2台と後続の差が早くも広がり始める。中野の後ろにはマルコメ、ストーナー、ヘイデン、ペドロサ、そしてスタートで出遅れたカピロッシが続く。

1周目の終わりのホームストレート・エンド。スリップストリームから飛び出したジベルノウがロッシに並びかけるがロッシが抑える。
マルコメとストーナーが中野を抜いて先頭2台を追いかけるが差は縮まらない。

2周目。トップを走るロッシが11コーナーの立ち上がりでリアをコース外に落とした。 加速の鈍ったロッシの脇をジベルノウがブチ抜いていく。ロッシもすかさずジベルノウのテールに張り付く。

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ロッシがミスした隙をついてジベルノウがトップに。
Photo (C) CRASHNET / Yahoo!ITALIA


序盤から激しくやり合いながら、テール・トゥ・ノーズでレースをリードする2人。ロッシとジベルノウのバトルっていつ以来だっけ?
なんというか、見てて懐かしい感じ。去年までは当たり前に見られた光景だったんだけどね。やっぱりこの2人の熱いバトルは面白いね!

激しくバトルしてペースがやや落ちてきたトップ2台に、ようやくマルコメとストーナーも追いついてきた。さらにその後ろにはヘイデン、ペドロサのレプソル軍団も迫ってきた。

5周目。後続に飲み込まれて混戦になるのを嫌ったロッシが、先頭に立ったもののペースをあげられないジベルノウをパス。再びトップに立ってペースアップを図る。

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ペースの上がらないジベルノウをロッシが再びパス。レースをリードする。
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2位に落ちたジベルノウはすぐにまたロッシにアタックするかと思ったけど、ホームストレートでスリップストリームに入らないようにわざとラインを外すなど、意図的にロッシを先に行かせようとしている様子。どうやら無理なバトルをせずにロッシをペース良く走らせて、後続との差を広げようという作戦らしい。一方、若いマルコメとストーナーはそんなことお構い無しに激しく3位のポジションを争いをやらかしている。ジベルノウの作戦がうまくハマって、トップ2台と後続との差がジリジリと開き始めた。

8周目終わりで、トップ2台とセカンドグループのギャップは1.2秒に。ここら辺はやっぱりベテランと若手の差だね。なかなかジベルノウも利口になったようだ。LiveTimingは順位とラップタイムしか表示されないから、実際にはどんな駆け引きがされているのかサッパリ分からなかった。やっぱり映像見ないと始まんないね。

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無理なバトルをせず後続を引き離すという戦略的な作戦を選んだジベルノウ。
Photo (C) CRASHNET / Yahoo!ITALIA


9周目。ストーナーが10コーナーで突然ハイサイド。マシンが何回転もして大破する激しいクラッシュ。
解説のノリックが言った。「フレームまでいってますね~。廃車ですね。

トップ2台が先行し、それをやや離れてセカンド・グループが追いかける展開がしばらく続いた後、スタートで出遅れたカピロッシがハイペースで追い上げてきて、ようやくセカンドグループにまで追いついてきた。

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セカンドグループに追いついたカピロッシ。そのままトップ2台に迫る。
Photo (C) CRASHNET / Yahoo!ITALIA


13周目。セカンドグループを軽く料理したカピロッシが3位に浮上。トップ2台を追撃する。
カピがここまでコンスタントに50秒台前半のタイムを刻んでるのに対して、トップ2台は50秒台後半。毎ラップ、コンマ3、4秒ずつギャップを削り込んでいく。
そして14周目。1コーナーでカピが完全にジベルノウに追いついた。尻に火がついたトップ2台が必至に逃げようとするがもう手遅れ。ペースは完全にカピロッシが上回っている。さらにカピロッシに引っ張られたヘイデン、マルコメもトップグループに迫ってきた。

そしてここから再びレースが動き出した。

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アっと言う間にトップ2台を追い詰めたカピロッシがレースが動かした。
Photo (C) CRASHNET / Yahoo!ITALIA


15周目。ホームストレートでジベルノウのスリップストリームに入ったカピロッシが躊躇無く1コーナーで勝負に出る。カピロッシのプレッシャーに負けたロッシがブレーキングミス。アウトにはらむロッシ。
ところがカピロッシもロッシに釣られてアウトにはらみ、その隙にジベルノウがトップを奪還する。いち早くリカバリーしたカピロッシは2位をキープして立ち上がるが、ロッシは加速が一瞬遅れてヘイデンにも抜かれて4位に後退。さらに2コーナーから3コーナーの切り返しでマルコメにも抜かれて一気に5位にまで落ちてしまった。

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一気に5位にまで落ちたロッシ。原因はブレーキングミスではなくて・・・
Photo (C) CRASHNET / Yahoo!ITALIA


どうやらロッシはカピロッシが単独で追い上げてきたと思って、先行させて最後に逆転する作戦に切り替えるつもりだったらしい。ところが実際にはカピロッシの後ろにホンダ勢がゾロゾロとついてきていて、気がついたら5位にまで落ちていたと。ロッシのアホ・・・
でもロッシのポカのおかけでなんだかスゴイことになってきたぞ! レースは後半に突入したのに、この先の展開が全く読めなくなってきた。いや結果は知ってるんだけどさ・・・

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レースは終盤にかけて再び混戦に。面白すぎだろ!
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15周目終わりのホームストレートでカピロッシがジベルノウを抜き、16周目突入時点で、このレース初めてトップに立つ。TVカメラがピットガレージでモニターを見つめるカピの奥さんを映す。相変わらず美人やなぁ~。

さらに1コーナーでヘイデンがジベルノウをパスして3位に。ジベルノウはその後、マルコメ、ロッシ、ペドロサにも抜かれて6位にまで後退する。
いったい何が起こったのか知らんけど、久しぶりに勝てそうだったのに残念。(その後の情報では“靴擦れ”を起こしてたそうな。なんじゃそりゃ?)

18周目。メランドリが10コーナーで前を行くヘイデンに襲いかかる。これはヘイデンがブレーキングで堪えて失敗するが、めげずに12コーナーで再びアタック。ところが今度はブレーキングでミスしちゃってオーバーラン。マルコメが脱落して、トップグループはカピ、ロッシ、ヘイデン、ペドロサの4台にまで絞られた。

19周目。1位カピロッシから3位ヘイデンまでは団子状態で1コーナーに突進していく。4位ペドロサはイマひとつペースがあがらず先頭3台とは1秒ちょっと差が開いた。これで優勝争いはさらに3台に絞り込まれた。

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ストーナー、ジベルノウ、メランドリ、そしてペドロサが脱落。残ったのはこの3台。
Photo (C) CRASHNET / Yahoo!ITALIA


高速レイアウトのムジェロでは、そこかしこでスリップが効くから、なかなか後続との差を広げるのが難しい。ここから暫く3台の団子状態が続く。
目下ポイント1位のヘイデンと2位のカピロッシ、そして復活にかける王者ロッシ。果たして最後に笑うのは誰か? 結果を知ってるのに興奮してきたぞぉ~(笑)

20周目。最終コーナーでロッシがカピロッシのインに飛び込む。ラインがクロスしてカピロッシが再び前に出る。
ホームストレート。今度はスリップストリームからカピロッシをかわしにかかる。ところがロッシの直ぐ後ろにはヘイデンがスリップストリームに入っていた。1コーナー飛び込みでヘイデンがロッシに仕掛ける。ブレーキングでは負けてないロッシがヘイデンを抑え込む。すると前を行くカピロッシがコーナー立ち上がりで若干もたついていた。スタートで出遅れて激しく追い上げてきたせいで、タイヤを消耗してしまったカピロッシに少しミスが目立つようになってきた。すかさずカピロッシに襲い掛かるロッシ。なんとか抑えてトップを死守するカピロッシ。もう3人ともイケイケだあ!

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3メーカーのエースによる大バトル。いや、大喧嘩!
Photo (C) Ducati Motor Holding S.p.A


22周目。3台が串団子のように連なってホームストレートを駆け抜ける。1コーナーでロッシがハードブレーキングでカピロッシに挑む。挑まれたカピロッシがそれに応じる。案の定、オーバースピードでクリップにつけないカピロッシ。それでも粘ってなんとかロッシの鼻先を抑えた。しぶといぞカピ!
でもやっぱりもう限界だろ~、と思った直後の4コーナーでロッシがトップ浮上。いよいよ最後のラストスパート。王者の意地で必死の逃げを打つ。カピロッシも暴れるマシンを押さえつけながらロッシを追う。ヘイデンはやや離されたか。

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最後は地元イタリアン同士の一騎打ち。勝負は最終ラップまで持ち越された。
Photo (C) Yamaha Motor Co.


そして最終コーナー。ロッシとカピロッシの2台がテール・トゥ・ノーズで立ち上がる。 スリップストリームから飛び出したカピロッシがロッシに並びかける。2台は並んで最終ラップに突入。勝負はこの先の1コーナー。
まずロッシがブレーキング。ギリギリまで我慢したカピロッシが一瞬遅れてブレーキング。カピロッシがズバっと前に出た。でもやっぱり突っ込み過ぎだって! カピロッシはクリッピング・ポイントを大きく外して痛恨の失速! それを見て取ったロッシがすかさずカピロッシのインをついて1コーナーを脱出する。
カピロッシのラスト・アタック失敗!残念!

その後、ロッシは再びラップタイムを50秒台に入れるハイペースでスパート。タイヤは消耗し、ラストアタックにも失敗して意気消沈。・・・はしてないだろうけど最早ロッシのペースについていけないカピロッシ。2人の差はコーナーを抜けるたびにジリジリと拡大。

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カピロッシの最後のアタックをかわしたロッシ。ファンの声援を背にラストスパート。
Photo (C) motogp.com


結局そのままロッシが逃げ切り、カタール以来の今季2勝目となるトップチェッカーを受けた。
上体を伏せながらマシンを揺すぶって喜ぶロッシ。


解説のノリック曰く、「底力スゴイですねぇ


ウム、まったくだ。

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どん底から復活の勝利。嬉しかったというより、ホッとしたって感じ?
Photo (C) CRASHNET / Yahoo!ITALIA


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ムジェロ名物の乱入する観客。ファンと一緒に勝利を喜ぶ。
Photo (C) CRASHNET / Yahoo!ITALIA


コンマ5秒後にカピロッシが2位のチェッカー。さらにコンマ1秒半遅れてヘイデンが3位フィニッシュ。今季5回目の表彰台を獲得した。

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カピロッシが2位、ヘイデンが3位でフィニッシュ。
ポイントで並んだけど、1勝してるカピロッシが首位に。
Photo (C) CRASHNET / Yahoo!ITALIA


これでポイント・ランキングはカピロッシとヘイデンがともに99点で並び、優勝が1回あるカピロッシが1位、ヘイデンが2位に。ロッシはトルコGP終了時点以来となる5位にまで再浮上した。

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現在シーズンをリードしているのはこの3人。
Photo (C) CRASHNET / Yahoo!ITALIA



最後にイタリアGPのMVR(Most Valuable Rider)は・・・・

そりゃもうロッシでしょ。今季初のMVR。おめでとー!


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「ベスト(本番)はこれからだ!」
Photo (C) motogp.com

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by oretch | 2006-06-16 21:53 | MotoGP

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