2006年 06月 17日
【MotoGP】第7戦 カタルーニャGP プレビュー
■ カタルーニャ・サーキット概要

スペイン西部の大都市、バルセロナの近郊にある近代的なサーキット。正式名称は「Circuit de Catalunya」。開設は1991年。WGP初開催は翌1992年。
スペインでのバイクレース人気の高さを反映して、現在スペインでは1国1GPの原則を無視して3つのGPが開催されている。カタロニアはその一つ。当初は多少遠慮があったのか「ヨーロッパGP」として開催されていたけど、1995年からはそんな遠慮もなくなって、スペインの一地方名である「カタルーニャGP」の名称に変更されている。

天候が1年を通して安定していることもあって、オフシーズンにはWGPやF1のテストが盛んに行われている。テストは公開で5ユーロ(約700円)ぐらいの入場料を払えば誰でも入れる。うらやましいぞこんちくしょう。

全長は4,727m。カレンダー中8番目の長さで、現代のサーキットとしては平均的な長さだけど、1,047mあるホームストレートはカレンダー中4番目の長さを誇る。何年か前のオフシーズンのテストで、ドゥカティのカピロッシが最高速348km/hをマークしたことで話題になった。
カピの記録の正確性には疑問もあったようだけど、昨年のGPではカピ自身が公式に331.4km/hの最高速を記録しているので、とんでもなくスピードが出ることには間違いない。

コースは13のコーナーを短いストレートでつないだテクニカルなレイアウト。低速から高速までコーナーはバラエティに富んでいて、ライダーの技量が如実に現れちゃうよ。
右、左と続くS字状の1、2コーナーを抜けると、大きく右に180度回る高速のルノー・コーナー(3コーナー)が待ち受ける。さらに短いストレートのあと、レプソル・コーナー(4コーナー)でもう1回右に180度回ると、その先にヘアピンのセアト・コーナーがある。コース前半ではここが勝負ポイント。
セアトを立ち上がって高速6コーナーを全開で抜け、ゆるいシケイン状の7、8コーナーも抜けると、右に直角に曲がるカンプサ・コーナー(9コーナー)が待っている。手前のシケインを上手くクリアできると、ここでもオーバーテイクができる。ここで抜けるライダーは上手いと思う。
500mちょっとのバックストレートを抜けるとヘアピンの10コーナー。もちろんここもパッシングポイント。そして終盤は、11、12、13コーナーと右コーナーが3つ続く。重要なのはもちろん、最終13コーナーの立ち上がり。ここの脱出スピードで、その後の長さ1kmを誇るホームストレートでのトップスピードの伸びが違ってくるからね。そしてオーバー330km/hから下りながらハードブレーキングする1コーナーで勝負をしかけるのがお約束。上手くスリップに入れれば、ストレートがやたら長いだけに1コーナー進入前に前走車の横に並ぶことも可能。

長いストレートではパワーに勝るホンダ、ドゥカティ勢が、テクニカルなコーナーセクションではヤマハがアドバンデッジがある感じ。ここは例年気温も高くなってタイヤには厳しいコース。レース後半はズルズルすべるタイヤと格闘しながら高速スライドするようなスペクタクロが随所で見られる。
タイヤのライフマネジメント、ロングストレート終わりの1コーナーでのブレーキング・テクニックが勝負の分かれ目だっ!

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Photo (C) motogp.com


Adress : Mas "La Moreneta" P.O. Box 27 08160 Montmelo - Barcelona Spain
 URL : http://www.circuitcat.com/
 GoogleMaps : 41.569498,2.258613




■ Previous Data

2005 Resault

[ 1] 46 Valentino Rossi (ITA) / Yamaha / Gauloises  43'16.487
[ 2] 15 Sete Gibernau (ESP) / Honda / Movistar  +1.094
[ 3] 33 Marco Melandri (ITA) / Honda / Movistar  +7.810
[ 4] 4 Alex Barros (BRA) / Honda / Camel Pons  +8.204
[ 5] 69 Nicky Hayden (USA) / Honda / Repsol  +8.273
[ 6] 3 Max Biaggi (ITA) / Honda / Repsol  +12.051
[ 7] 5 Colin Edwards (USA) / Yamaha / Gauloises  +18.762
[ 8] 12 Troy Bayliss (AUS) / Honda / Camel Pons  +42.631
[ 9] 56 Shinya Nakano (JPN) / Kawasaki / Kawasaki  +46.638
[10] 11 Ruben Xaus (ESP) / Yamaha / Fortuna  +46.692
[11] 7 Carlos Checa (ESP) / Ducati / Marlboro  +1'00.357
[12] 65 Loris Capirossi (ITA) / Ducati / Marlboro  +1'03.864
[13] 94 David Checa (ESP) / Yamaha / Fortuna  +1'03.985
[14] 44 Roberto Rolfo (ITA) / Ducati / D'Antin  +1'10.258
[15] 10 Kenny Roberts (USA) / Suzuki / Suzuki  +1'23.731

Pole Position : 15 Sete Gibernau (ESP) / Honda / Movister  1'42.337
Fastest Lap : 46 Valentino Rossi (ITA) / Yamaha / Gauloises  1'43.195

Event Best Maximum Speed : 65 L.Capirossi / Ducati  331.4km/h

昨年はロッシとジベルノウの一騎打ち。逃げるジベルノウをロッシが追い回し、ラスト3周で狙い済ましたようにロッシがジベルノウをパス。そのまま逃げ切ってシーズン5勝目をマークした。

昨年の記事;
【MotoGP】第6戦 カタロニアGP 結果 (2005/06/15)
【MotoGP】第6戦 カタロニアGP レビュー (2005/06/22)

■ 過去10年間の優勝/PP/FL

Winner

 1996 Carlos Checa (ESP) Honda
 1997 Mick Doohan (AUS) Honda ★
 1998 Mick Doohan (AUS) Honda ★
 1999 Alex Criville (ESP) Honda ★
 2000 Kenny Roberts (USA) Suzuki ★
 2001 Valentino Rossi (ITA) Honda ★
 2002 Valentino Rossi (ITA) Honda ★
 2003 Loris Capirossi (ITA) Ducati
 2004 Valentino Rossi (ITA) Honda ★
 2005 Valentino Rossi (ITA) Yamaha ★

Pole Position

 1996 Mick Doohan (AUS) Honda ★
 1997 Mick Doohan (AUS) Honda ★
 1998 Alex Criville (ESP) Honda
 1999 Jurgen vd Goorbergh (NED) Muz
 2000 Alex Barros (BRA) Honda
 2001 Valentino Rossi (ITA) Honda ★
 2002 Max Biaggi (ITA) Yamaha
 2003 Valentino Rossi (ITA) Honda ★
 2004 Sete Gibernau (ESP) Honda
 2005 Sete Gibernau (ESP) Honda

Fastest Lap

 1996 Carlos Checa (ESP) Honda
 1997 Mick Doohan (AUS) Honda ★
 1998 Alex Barros (BRA) Honda
 1999 Sete Gibernau (ESP) Honda
 2000 Alex Barros (BRA) Honda
 2001 Valentino Rossi (ITA) Honda ★
 2002 Valentino Rossi (ITA) Honda ★
 2003 Valentino Rossi (ITA) Honda ★
 2004 Sete Gibernau (ESP) Honda
 2005 Valentino Rossi (ITA) Honda ★

 ※ ★印はその年のチャンピオン


有力ライダー別過去5年間の成績

5 C.Edwards (USA) : NE - NE -NC - 5th - 7th
6 M.Tamada (JPN) : NE - NE - 7th - NC - NC
15 S.Gibernau (SPA) : 5th - NC - 3rd - 2nd - 2nd
21 J.Hopkins (USA) : NE - NE - 15th - NC - NC
24 T.Elias (ESP) :   2nd* - 10th** - 4th** - 3rd** - NE
26 D.Pedrosa (ESP) : 7th* - 2nd* - 1st* - 2nd** - 1st**
27 C.Stoner (AUS) : NE - 6th** - NE - 4th* - 2nd**
33 M.Melandri (ITA) : NE - 1st** - 13th - 3rd - 3rd
46 V.Rossi (ITA) : 1st - 1st - 2nd - 1st - 1st
56 S.Nakano (JPN) : 4th - NC - 5th - 7th - 9th
65 L.Capirossi (ITA) : 3rd - 6th - 1st - 10th - 12th
69 N.Hayden (USA) : NE - NE - 9th - NC - 5th

※NE=Not Entry、NC=Not Classifyed、NS=Not Start
※*=125cc、**=250ccクラス時代の成績


■ データ分析と独断予想

シーズンここまでの展開から考えると、現在はロッシ、カピロッシ、ヘイデン、ペドロサ、メランドリの5人と、それを追うジベルノウ、ストーナーの2人から成る「5強+2」といった状況。
カタルーニャGPでも、この「5強+2」を軸に分析、予想してみよう。

って言ったところで、もう鉄板でロッシでしょ。って、前回のイタリアGPの予想でもまったく同じこと書いたっけ。でも過去5年で4勝していること、前戦イタリアGPで最後に地力の差を見せつけて優勝したことを考えると、優勝候補最右翼としてロッシ以外を指名するのは難しい。

なので今回も、残りの4強+2の中から誰がロッシに対抗できるかという視点で予想してみよう。

カタルーニャはオフにテストが行われていたので、その時のタイムをまず見てみよう。
BMWアワードは雨に祟られたので、テスト期間中のベストラップをチェックしてみる。

【MotoGP】カタルーニャ公式テスト レビュー その2 (2006/03/10)

カタロニア合同テスト@2006/03

[Pos] Name (Nat) Team       Time Gap2Top
--------------------------------------------------------------------
[ 1] 46 V.Rossi (ITA) Camel Yamaha 1'42.477
[ 2]  7 C.Checa (ESP) Yamaha Tech3 1'43.142 +0.665
[ 3] 56 S.Nakano (JPN) Kawasaki Racing 1'43.245 +0.768
[ 4]  5 C.Edwards (USA) Camel Yamaha 1'43.388 +0.911
[ 5] 15 S.Gibernau (ESP) Ducati Marlboro 1'43.784 +1.307
[ 6] 17 R.Puniet (FRA) Kawasaki Racing 1'43.847 +1.370
[ 7] 21 J.Hopkins (USA) Rizla Suzuki 1'43.885 +1.378
[ 8] 69 N.Hayden (USA) Repsol Honda 1'44.029 +1.552
[ 9]  6 M.Tamada (JPN) JIR Honda 1'44.246 +1.769
[10] 26 D.Pedrosa (ESP) Repsol Honda 1'44.369 +1.892
[11] 10 K.Roberts (USA) Team Roberts 1'44.407 +1.930
[12] 33 M.Melandri (ITA) Fortuna Honda 1'44.512 +2.035
[13] 65 L.Capirossi (ITA) Ducati Marlboro 1'44.581 +2.104
[14] 24 T.Elias (ESP) Fortuna Honda 1'44.702 +2.225
[15] 71 C.Vermeulen (AUS) Rizla Suzuki 1'45.001 +2.524
[16] 77 J.Elison (GBR) Yamaha Tech3 1'45.488 +3.011
[17] 30 J.L.Cardoso (ESP) Ducati d'Antin 1'45.582 +3.105
[18] 66 A.Hofmann (GER) Ducati d'Antin 1'46.185 +3.708
[19]  - V.Guareschi (ITA) Ducati Marlboro 1'47.379 +4.902
[20] 8 T.Okada (JPN) HRC 1'47.020 +4.543

トップはロッシだったんだよなぁ。シーズンここまでの展開が頭にあって、ロッシがこの頃は絶好調だったこと忘れてた。 思えばこの時にはすでにバイブレーション問題が表面化していたけど、まさかシーズン開幕後にあれだけ苦労するとは当人も予想していなかっただろうな。
イタリアGPで投入された新シャシーが効果あったみたいだし、このテスト結果じゃあ、鉄板をさらに鉄板で補強するようなもんで、やっぱりロッシの本命は揺ぎ無いな。

テスト結果で意外なのは2位チェカ。チェカもシーズンが始まってからの展開はまったく読めなかったなぁ。

有力候補達をみていくと、ドゥカとレプソルの4台がパっとしないのが目立つ。マルコメもだな。
テスト結果からだとどうやらヤマハが有利そうだ。

続いて各ライダーのサーキット得意度を調べてみよう。ペドロサ、ストーナーはデータ纏めてないから省略。

ライダー別カタルーニャ・サーキットの得意度(2001年-2005年)

 15 S.Gibernau : 0.0%(9.2%) - 60.0%(32.3%) - 13.4点(10.5点)
 33 M.Melandri : 0.0%(2.6%) - 33.3%(12.8%) - 11.7点(7.3点)
 46 V.Rossi    : 80.0%(63.1%) - 100.0%(87.7%) - 24.0点(21.3点)
 65 L.Capirossi : 20.0%(4.8%) - 40.0%(28.6%) - 12.2点(10.0点)
 69 N.Hayden  : 0.0%(0.0%) - 0.0%(17.5%) - 6.0点(8.2点)

以上2つのデータから、本命ロッシに対抗できるライダーが誰か分析、予想してみよう。

ジベルノウ
・ 平均獲得ポイントはルマンに続いて2番目に高い。
・ 表彰台もルマンと並ぶ60%と最高率。
・ 昨年はロッシと一騎打ち。
・ 初ファステストはカタロニアで記録
・ 昨オフのテストでは低調。
・ 前戦イタリアGPでは復調の兆し。

メランドリ
・ 250cc時代に優勝を経験。
・ 平均得点はバレンシアに次いで2位の高水準。
・ 表彰台を獲得した経験のある7コースのうちの一つ。
・ テストでは凡庸なタイム。
・ 今季ここまで2勝。
・ 前戦イタリアGPでもコースアウトするまでトップグループ。

カピロッシ
・ 2003年にドゥカで初優勝。優勝経験のある3コースの一つ。
・ 得意度は全て平均以上で、セパン、茂木の次に得意としている。
・ オフのテストでは地味な結果。
・ 前戦イタリアGPでは驚異の追い上げ。スタート失敗してなかったら勝ったかも。

ヘイデン
・ 得意度は全て平均以下で、結果から言えばココは苦手かも?
・ オフのテストでは8番手。新型テストに忙しかったのをどう評価するか?
・ 前戦イタリアGPではトップについていく作戦。だったかな?
・ 現在ポイントランキング2位。得点では1位タイと好調。

ペドロサ
・ 過去4年、250ccクラスで優勝2回、表彰台4回と好成績。
・ オフのテストではヤル気があったのか無かったのか分からないタイム。
・ 前戦イタリアGPではトップについていくのが精一杯だった。

ストーナー
・ 去年は250ccで2位。それ以外目だった成績なし。
・ オフのテストは怪我のため不参加。
・ 前戦イタリアGPではクラッシュ・リタイアするまでトップグループ。

まあ、纏めるとこんなもんかな。

これを見てみると、過去の実績や現在の状況からして、ロッシに対抗できるのはやっぱりカピロッシとジベルノウの2人だけかな?
あとはレプソル軍団やマルコメがシーズンに入ってからの好調さをカタルーニャでも発揮できるかどうか。

ということで、
本命ロッシ、対抗カピロッシ、大穴ペドロサってことでどうかな?
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by oretch | 2006-06-17 03:23 | MotoGP

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