2006年 07月 16日
【MotoGP】第9戦 イギリスGP レビュー その1
タイトル争いは混沌としてきましたな。
(ってもう2週間も前じゃねーか > オレ)


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今季2勝目。ほんとにルーキー?
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マルコメとの熾烈な2位争いを制したロッシ。ほんとに怪我人?
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■ 1粒で2度美味しい。優勝争いと2位争い。

予選PPは今季これでもう3回目になるペドロサ。たいしたもんだ。ロッシでさえ最高峰クラス1年目はPP無しだったかんね。
バーミューレンを挟んで3番グリッドには手負いのメランドリ。同じくまだ怪我の癒えないはずのカピロッシも2列目5番グリッドを確保。カタルーニャの事故からまだ2週間しか経ってないのに、この頑張り屋さん達ったら♪
前戦で2位表彰台ゲットをした我らが中野王子は3列目7番グリッド。このところフロントローが当たり前だったから3列目だと珍しく感じられるぐらいだな。

おや、チャンピオン争いをしている2人が3列目までにおらんやないかい。怪我してるロッシが12番グリッドなのはしょうがないとしても、体調万全のはずのヘイデンが11番グリッドってーのはどうしたもんだ?
ロッシを徹底マークするためだとしてもやり過ぎじゃないの? チャンピオン争いのライバルはロッシだけじゃないんだからさ。

果たして決勝レースはまさにそういう結果になっちゃったよこれ。



決勝レース。好スタートを切ったのはメランドリとPPのペドロサ。さらに3列目スタートのストーナーが抜群の飛び出しで前の2台に並びかける。
ホールショットはメランドリが獲り、以下ペドロサ、ストーナー、スズキ2台、そして中野が続く。タイトル争いの主役の2台、ヘイデンとロッシはどうやら中団に埋もれた模様。

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ホールショットはメランドリ。ペドロサ、ストーナーらが続く。
Photo (C) motogp.com


ドニントンのコース前半はアップダウンのついた中高速コーナーが続くジェットコースター状態。右に左にマシンを倒しているうちに、ほどなく縦一列の隊列になった。いつもの通り中団あたりで激しいポジション争いがあったものの、上位陣はたいして順位変動も無く、まずはタイヤの皮剥きをしながらオープニングラップを無難に行進する。
1周を終えて帰ってきた時の順位はトップにメランドリ、2位ペドロサ、3位ホプキンス、4位バーミューレン、5位ストーナー。そのあとに6位ロバーツ、7位カピロッシと続き、ヘイデンが8位で、中野を挟んだ10位にロッシ。
トップ5人の平均年齢は22歳。なんかすごい若いなぁ。逃げる若手をベテラン勢が追うという展開ね。

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コース前半は高速コーナーと激しいアップダウンでジェットコースターみたい。
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若手がレース序盤をリード。上位5台の平均年齢は22歳。若いのぉ~。
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トップ2台はスタート直後からテール・トゥ・ノーズ状態。レース序盤はこの2人のバトルが焦点になった。
コース中で最長直線区間のダンロップ・ストレートでは毎周のようにペドロサがマルコメの横に並びかける。抜く気マンマンだ。どうやらPPのペドロサにとってはトップのマルコメのペースは遅いみたい。遅かれ速かれトップは交代しそう。

一方ヘイデンとロッシはなかなか前にあがってこない。ロッシは怪我の影響としてもヘイデンの方はどうしたんだろう?
まさかもうタイトルを意識しちゃって守りに入ってるわけじゃないよね?

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レース序盤はマルコメとペドロサのトップ争い。ペドロサが猛プッシュを繰り返す。
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4周目。ダンロップ・ストレートでペドロサがマルコメをプッシュ。シケインでパッシングを試みたけどマルコメが踏ん張ってトップを死守した。
でもペドロサは諦めない。続くメルボルン・ヘアピンでもまた仕掛けた!

が、ブレーキングをミスして止まれなああああい!

メルボルンは急な下り勾配がついててブレーキングが難しい。さすがのペドロサもまだタンクが重い状態では上手に止まれなかったってか。失速してユルユルとコーナーを大回りしている隙にホプキンスにも抜かれちゃったよ。
これで3位に後退。あ~あ・・・・

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アタック失敗。マシンを暴れさせつつマルコメをまた追いかける。
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でもレースはまだ始まったばかり。最初のアタックに失敗したものの、ペドロサはファステスト・ラップタイムを立て続けに出しながら2台を追う。トップのマルコメが明らかにペドロサよりもペースが遅いこともあって、僅か2周で再びトップ2台の尻にまで追い上げてきた。勢いはやっぱりペドロサにある。8周目にはホプキンスを再びパスして2位に復活。トップ争いはアっと言う間に振り出しに戻った。

後方ではロバーツがいいペースで走ってる。ドニントンはゲンのいいコースだかんね。7周目にファステストも出したりして、ストーナー、バーミューレンを抜いてトップグループに追いついてきた。9周目には最終コーナーでホプキンスがミスした隙に3位に浮上。マルコメとペドロサを追いかける。

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好調ロバーツがストーナーを引き連れてトップグループへと迫る。
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その後方ではロッシが9周目のメルボルンでバーミューレンをパス。6位にまで上がってきた。手首怪我してるくせにブレーキングの厳しいところでよく抜けるよなぁ。
ヘイデンは相変わらず後方をウロウロしてるみたいだし、ポイントギャップを埋めるには絶好の機会だね。

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とても怪我人とは思えないペースで追い上げるロッシ。
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そろそろレースは序盤から中盤に差し掛かる頃。10周目終わりの順位は1位マルコメ、2位ペドロサ、3位ロバーツ、そして4位ホプキンスでここまでがトップグループ。少し離れて5位ストーナー。さらに離れて6位にロッシ。以下プニエ、カピロッシ、中野、エドワーズと続いく。
ポイント首位ヘイデンはなんと11位。おいおいオランダでの優勝はやっぱりただのタナボタだったってことかい?

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ペースが上がらないヘイデン。中盤になっても中団に埋もれたまま。
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レース中盤。トップ争いがいよいよ激しくなってきた。マルコメは徐々にリアタイアのスライドが目立ってきた。コーナーの立ち上がりでしょっちゅうズルズルやってる。でもペドロサは抜けない。どうしても抜けない。マルコメが上手いのか、それともペドロサが序盤にミスしたことを引きずってて今ひとつ思い切っていけないだけか?
ペースの遅いマルコメに付き合わされているうちに、後方からロバーツが迫ってきたぞ。そろそろペドロサもイライラしてきたんじゃないかな?

なーんて思ってたら12周目、ジェットコースター・セクションの終わりのマクリーンズ・コーナーで2度目のアターック!!
まさかここでは来ないと思ったのか、マルコメはたいして抵抗もせずにトップを明渡した。抜いたペドロサはこれまでマルコメに頭を抑えられてたフラストレーションを発散するようにペースアップ。ファステストをマークしながら逃げにかかる。

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ようやくメランドリをパスできたペドロサ。スパートして一気に引き離す。
Photo (C) Honda Motor Co.


マルコメもマシンを振り回しながら必死に追いかけるけどついていけない。翌周もペドロサはファステストをマーク。僅か1周半でギャップは1.5秒差にまで開いちゃった。もうこうなったら完全にペドロサの必勝ペース。勝負はついた感じ。

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メランドリが必死に追いかける。でもペドロサが速くてついていけない。勝負アリ。
Photo (C) CRASHNET / Yahoo!ITALIA


前戦のオランダが歴史に残る劇的なレースだっただけに、レースが折り返す前にもう勝負ついちゃうのはちょっとつまんねーな。

まぁでも、毎回毎回あんな劇的なレースが続くと思うのもおかしなハナシか。
やってる本人達にとっちゃたまんないだろうしね。毎回あんなんだと。
それなのにオレッチはツマンネェとか思ってしまった。
あ~あ、オレッチも贅沢になったもんだなぁ・・・

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ダンロップ・ストレート。着々と後続との差を広げていくペドロサ。
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ん?

ストーナーが少しロバーツとの差を縮めてきたみたいだ。どうやらあと数周でストーナーも2位グループに追いつきそうだ。でもそれよりも、さらにその後ろの方になんかさっきからチラチラと黄色いのが写ってんのが気になるんですけど。アレってもしかして・・・

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さっきからチラチラ見えてた黄色い影の正体は・・・?
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うわっ!あれロッシだっ!!

さっきまで中団で揉まれてたはずなのに、気づけばもう5位まで上がってきてんじゃん!
怪我してるくせになんでもうこんなトコロにいるわけ? 気持ちワルッ!
速すぎてなんか気持ちワリーよっ!

でもこれで2位グループが俄然面白くなってきぞ。ロッシはトップのペドロサと同じくらいのペースで走ってる。ストーナーと一緒に2位グループを激しく追い上げてるぞ。
早くコォ━━━━щ(゜Д゜щ)━━━━イ!!!!

果たして22周目終わりには2位マルコメから5位ロッシまで完全に団子状態になった。トップのペドロサはもう遥か前方を独走中だし、ここからは熾烈な2位争いに集中だ。

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シケインでホプキンスをパス。手は痛くないの?
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23周目。マルコメがペドロサに抜かれたマクリーンズ・コーナーの立ち上がりでミス。なんだか知らんが加速がガクンと鈍った。シフトミスか?
直後を走っていたロバーツもトバッチリを受けて減速。その隙を突いてストーナーとロッシが続くコピス・コーナーでマルコメとロバーツをパス。これで2位グループは先頭ストーナーに続いてロッシ、マルコメ、ロバーツの順。ロッシが遂に表彰台圏内にまであがったきたぞ!

マルコメの失速はシフトミスじゃなくて、イン側の縁石にカウルをコスってバランスを崩したらしい。それで、転倒は免れたものの立ち上がり加速が鈍ったわけね。いいじゃん。攻めてるじゃん。頑張れマルコメ。

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一瞬の隙をついて2位グループ先頭に立ったストーナー。ロッシも表彰台圏内に。
Photo (C) CRASHNET / Yahoo!UK&IRELAND


ところでポイント首位ヘイデンはまだずっと後方を走ってる。ロッシにとってはポイント差を一気に縮めるチャンスだ。このままストーナーもパスしてペドロサを追えるか・・・?

いや、そうは問屋が卸さない。いや、マルコメが許さない。24周目。シケインでマルコメがロッシをパス。やっぱりまだロッシは本調子じゃないのか、それともマルコメが気合入ってんのか。たぶん後者だろう。続く25周目には再びシケインでマルコメがストーナーをパス。2位のポジションに復帰した。序盤から中盤にかけてはイマイチだったのに、終盤にかけてスピードにのってきたぞ。

でもロッシだって負けてない。続くメルボルン・ヘアピンでロッシがストーナーをパスした。

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怪我したこと忘れてるんじゃねーのぉ!?ってくらいのロッシの走り。すごい。
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TV解説の宮城サンが言った。「一番痛いところで頑張った!」

ストップ&ゴー・セクションは怪我してる手首に相当負担がかかってるはず。レースも終盤で一層厳しくなってるだろうにこの頑張りはもうどうなってんだろうね? 逆にもう痛みを通り越して麻痺しちゃってんのかな?

だったらまた痛みがぶり返してくる前にやることやっとかなきゃ!
とロッシが思ったかどうか知らないけど、26周目、さっきマルコメがロッシをパスしたシケインで、今度はロッシがお返しとばかりにマルコメのインを刺してパッシング成功!
12番グリッドスタートだったロッシが、遂に2位にまで上り詰めてきた。

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マルコメをパスしてこのレース初めて2位に立ったロッシ。
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ラスト3周を切ったところで、順位は1位ペドロサ、6秒以上後方には2位ロッシ、3位マルコメ、4位ストーナー、そして5位ロバーツの2位グループ。11秒後方ではエドワーズが6位単独走行。そしてさらに約3秒離れて7位にポイント首位のヘイデン。
このままフィニッシュすればロッシ20点、ヘイデン9点。ポイント差は一気に11点も挽回して46点差→35点差にまで縮まる。オランダで一度は消えた自力6連覇の可能性が再び拓ける。

そのことを意識してるのかしてないのか、当然してるだろうロッシはいつものようにラストスパートでペースを上げ始めた。マルコメは必死の追走。ストーナーとロバーツは徐々に遅れ出した。さぁ、マルコメは最後までついていけるか?

レース終盤でロッシもマルコメもこのレース自己ベストラップを叩きだした。テール・トゥ・ノーズなのにトップのペドロサよりも1秒以上早いペースだ。たとえ優勝争いじゃなくたってこんな素晴らしいバトルが観られるんだからやっぱりWGPファンはやめられないやね。

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レース終盤の大バトル。悪いけど、トップ走ってるペドロサのこと忘れちゃったよ。
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そしてラストラップ。ストーナーとロバーツは完全に後方に置いていかれた。ロッシとマルコメの2台に絞られた2位争い。クライマックスはやっぱり最後の最後にやってきた。

ダンロップ・ストレートへと続くコピス・コーナー。直線のトップスピードを稼ぐにはここの立ち上がりの加速が重要だ。それで気が急いたのか、前を走るロッシがややリアを余計に滑らせた。加速が僅かに鈍る。マルコメがロッシとの差を詰める。

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ロッシの僅かなミスを見逃さなかったマルコメがグっと間合いを詰める!
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ストーレト。明らかにマルコメのRCVの方がスピードが出てる。スリップ効果もそこそこにブリッヂを潜ったところでマルコメがロッシの横に飛び出した!
そしてシケイン。ブレーキング競争。
マルコメがリアをユラユラと揺らしながらロッシのインにRCVを捻じ込んだ。マルコメが前!

残るコーナーはメルボルン・ヘアピンと最終コーナーの二つだけ。2台がテール・トゥ・ノーズで立ち上がる。ロッシもまだ全然諦めてない。姿勢を低くしてメルボルンに突進する。
そしてメルボルン侵入の下りながらの難しいブレーキング。
マルコメがインを閉める。
ロッシ万事休すか!?

あぁ!!

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マルコメがブレーキングミス!オーバーラン!ラインがクロスしてロッシが前!
あとは最終コーナーだけ。
マルコメ必死で追う。
でも今度はロッシがインを閉める。
マシンが揺れる。
堪えるロッシ。
抑えた。
ロッシが抑えた。
ロッシが前だ。


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Photo (C) motogp.com


トップを独走したペドロサがフィニッシュ。
最後は余裕のクルージングで今季2回目のトップチェッカーを受ける。

そして最終コーナーをテール・トゥ・ノーズのまま立ち上がる2台。
フィニッシュラインはもう目の前。
マルコメはもう届かない。

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Photo (C) Yamaha Racing Communications


ペドロサの4秒後、熾烈な2位争いを制したロッシがフロントを高々と持ち上げてウィリーでフィニッシュ。続いてマルコメが3位チェッカーを受けた。

4位にはストーナー、5位にはロバーツが入った。そして6位エドワーズを挟んで、ポイント首位ヘイデンは7位に終わった。



(その2へつづく)
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by oretch | 2006-07-16 12:53 | MotoGP

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