2006年 07月 16日
【MotoGP】第9戦 イギリスGP レビュー その2
追いかけるロッシが怪我にもかかわらず2位に入る一方、ライバルのヘイデンは全くいいところ無く7位に沈没。両者のポイント差は35点に縮まった。実に微妙な得点差。

おまけに、シーズン後半は2人のマッチゲームになるかと思われたけど、どうやらそう単純でもなさそう。

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ロッシが一番目立ってるけど注目すべきなのはその隣だ。背の高さじゃなくて。
Photo (C) Associated Press / Yahoo!ITALIA




■ ロッシ自力V復活!

ロッシにしてもマルコメにしてもとても怪我人とは思えない走りだったな。
V・ロッシ(2位)
「素晴らしいレースだった、そしてとても重要な結果を残すことができた。ポイントのことで考えればかなり良いポジションを獲得できたと思うので、今回については優勝よりも価値があったと思う。」
(ヤマハ発動機レース情報より抜粋)

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勝ったような喜びようとはこのことだ
Photo (C) CRASHNET / Yahoo!ITALIA

「最初の8周くらいは様子を見ながら走っていたが、ペースをつかむとそのあとは、表彰台を狙えることがわかった。順位を上げていくなかでいくつかバトルもあったが、とくにメランドリとのバトルは激しかった。ふたりともそれを楽しんで、そしてどちらも譲らなかった。

最終的に戦いは最終ヘアピンにもつれ込み、ふたりともいつもよりも20~30メートルもブレーキを遅らせた。そしてふたりともはらんでしまったけれど、マルコのほうが僕よりも大きくはらんだので抑えることができた。今日のこの2位は、僕にとっては優勝のようなものさ」
(同上)

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怪我してなければ勝ってたかな
Photo (C) CRASHNET / Yahoo!UK&IRELAND


怪我をしていたこともそうだけど、ポイント首位ヘイデンが7位に終わったことを考えれば、ロッシの言う通り今回の2位は勝利に等しい2位だ。なんたって2人のポイント差は8戦を残して35点差にまで縮まって、ロッシの自力Vの可能性が再び復活したんだから。
もし以降のレースを勝ち続ければ遅くともラスト2戦の時点で逆転できる。ギリギリではあるけど、可能性があるのと無いのとではモチベーションが違うやね。
ま、例の「残り12戦で11勝」宣言は既にポシャッちゃったけど。

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もう逆転へのシナリオは書きあがってんのかな?
Photo (C) DPPI / www.Moto-Lice.com


一方ヘイデンのほうは・・・
N・ヘイデン(7位)
「本当に難しいレースだったし、うまくいかなかった。ウエットだった朝のウオームアップはいい感じだったが、雨のために、新しいことは何もできなかった。だから、今日は雨のレースになればいいと思った。
すべて言い訳になってしまうけれど、最低ラインにも届かなかった。追い上げているときにミスもした。シケインをまっすぐに行ってしまい、落ち込んだけれど、必至に追い上げた。今週はうまく行かなかったけれど、次のザクセンリンクに向けて得たものもある。チーム全員が頑張ってくれた。次のレースは、また、いいレースをするよ」
(ホンダ)

なんとか前向きな姿勢を維持しようとしてるけど、でもやっぱりヘコんでることは隠しおおせない感じだねぇ。そりゃそうだろう。レースウィークを通して全くいいところなしだったもの。まだ35点差あるとは言っても、なんてったって相手があのロッシなんだから余裕はあまり感じられないよね。

過去、チャンピオン達が初タイトルを獲った時を振り返ると、シーズン序盤でキッカケを掴んだら、中盤辺りでリズムに乗って、終盤は初タイトルまで一気に突っ走っていく、というパターンが多い。対して今季のヘイデンは、序盤は安定して表彰台に連続して立ったけども波に乗ってるといった印象もなく、タナボタで勝利したオランダGPが或いはシーズン後半に向けて勢いを増すキッカケになるかと思いきや、すぐその翌戦でこの大不調。
う~ん。なんだかなぁ、って感じ。

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振り向けばもうすぐそこに・・・。しかもロッシだけじゃないよ。
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残りのシーズンはどんな展開になるのか?
予想すんの大変だから2人の去年の成績を比較してみよう。
ドイツGP(ザクセンリンク)    ロッシ 優勝、ヘイデン 3位
アメリカGP(ラグナセカ)     ヘイデン 優勝、ロッシ 2位
チェコGP(ブルノ)         ロッシ 優勝、ヘイデン 5位
マレーシアGP(セパン)      ロッシ 2位、ヘイデン 4位
オーストラリアGP(フィリップ島) ロッシ 優勝、ヘイデン 2位
日本GP(ツインリンク茂木)    ヘイデン 7位、ロッシ リタイア
ポルトガルGP(エストリル)    ロッシ 優勝、ヘイデン リタイア
バレンシアGP(バレンシア)    ヘイデン 2位、ロッシ 3位

※ポルトガルのみ2004年の成績

両者の勝負はロッシの5勝3敗。ただ、日本GPはロッシがヘイデンの前を走ってる最中にリタイアしたから実質6勝2敗。ロッシの圧勝。
さらに上記8戦での合計獲得ポイントを比べてみても、ロッシ156点に対してヘイデンが114点と、ロッシがいずれも優位にあることがわかる。

で も ね 

ロッシが上回った合計得点だけど、その差は32点。そう、現在の35点差よりも小さい。

う~ん、シーズン後半もなんかすっごい楽しそうだな。

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ロッシに向けた眼差し。その碧眼に映ってるのはなんじゃい?
Photo (C) CRASHNET/ Yahoo!ITALIA



■ ダークホース

確かにヘイデンとのポイント差は一気に縮まった。ロッシ陣営はまるで勝ったような喜び方だったけど、ホントにそれでいいのか?
だって、ペドロサとの差は26点差にまで広がったんだぞ。

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でーでん でーでん でーでん・・・   (映画「ジョーズ」の音楽ね)
Photo (C) CRASHNET/ Yahoo!ITALIA


ここドニントンはロッシが最高峰クラスで初優勝を飾った地。でもペドロサはこれで今季2勝目。最高峰クラス1年目の成績を比較すると、ここまでのところペドロサは全ての面でロッシのそれを上回ってきた。当のロッシを相手にしつつだから、なおのことこの事実は大きいよね。
D・ペドロサ(優勝)
「今週は、ほとんどパーフェクトだった。どのセッションも良かった。決勝も、スタートが良くて、マルコ(メランドリ選手)をパスしようと、序盤からプッシュした。しかし、簡単ではなかった。抜こうとしたときに、止まりきれず、マルコにぶつかりそうになった。思わず、『どいてくれ~』と叫んでしまうほどで、あたらなくて、ラッキーだった。どう避けたのか、自分でも覚えていない。それからまた追い上げたが、勝てて、本当に嬉しい。イングランドのファンも喜んでくれたと思う。今回は、天気も良かったしね。いまはまだ、チャンピオンシップのことは考えていない。今年の目標ではないし、これからも経験を積みながら、ベストを尽くしていきたい」
(ホンダ)

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観客の声援に応えるポーズもさすがサマになってますな
Photo (C) John Milner / SUPERBIKEPLANET


なんか謙虚なこと言ってるけど、チャンピオンシップうんぬんなんて、これまでのインタビューには出てこなかったよねぇ。てことはペドロサも多少なりともチャンピオンを意識し始めたってことじゃないの?
ごめんね、オヂサン疑り深くて。 > ダニー・ボーイ

でも冗談抜きでペドロサは今シーズンのキーパーソンになったと思う。自身がチャンピオンを狙えるポジションにいるわけだし、なんと言ってもヘイデンとチームメートなわけだから。シーズン後半のペドロサの働き次第でチャンピオン争いの流れが変わってくる。

ホンダとしては難しいところだよな。今季は悲願である打倒ロッシを果たせそうな勢いがある。できることならこの勢いを失わないようにあらゆる手を尽くしたいところ。でも伝統的にホンダはチームオーダーを出さない。ましてジョイントナンバー1体制のワークスの2人がともにチャンピオンを狙えるポジションにいるとあっては、どちらか片方にもう一方をサポートしろとは言えない。
でも最悪のシナリオは2人が潰しあってロッシに漁夫の利を与えること。
このジレンマをホンダはどう解決するんだろう?

「(チャンピオンは)今年の目標ではない」と言うペドロサの言葉が、ここでは微妙な意味を持ってるよね。

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「なぁダニ、分かってるよな?」「なにがぁ~?」
Photo (C) DPPI / www.Moto-Lice.com



注目は次のドイツGPだな。ここで、今季の流れが決まりそうな気がする・・・



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さっきガム踏んじゃってさぁ
Photo (C) CRASHNET / Yahoo!ITALIA

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by oretch | 2006-07-16 14:24 | MotoGP

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