2006年 10月 01日
【MotoGP】第14戦 オーストラリアGP レビュー その2
レースは折り返しの13周目に突入。ホームストレートエンドでヘイデンがロッシをパス。これでタイトル争いはさらにヘイデンに有利になった。
無理して抜く必要が無いはずなのに抜いたってコトは、よっぽどロッシのペースが遅いからだろう。12周目終わりの時点でトップのジベルノウとの差は10秒以上にまで開いちゃってるし。
ロッシ、マジ辛いなぁ・・・

苦しい状況のロッシとは対照的に、トップグループではイケイケで走っている1台がいる。
マルコメだ。
すでにストーナー、チェカを抜いて3番手に浮上していたマルコメは、他よりもコンマ5秒から1秒近く速いペースで上位2台を急速に追い上げている。今みたいに難しい状況のときは技量以上に度胸がモノを言う。だてに眉毛が太いわけじゃない。

14周目。上位2台よりも約2秒(!)も速いラップタイムを叩き出して一気に差を縮め、バーミューレンのテールを捉えた。そして15周目の最終コーナーでバーミューレンをオーバーテイク。2位に浮上してトップのジベルノウを追いかける。

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イケイケ状態のマルコメ。トップ2台を追いかける。髭が濃いのだって伊達じゃねーぜ!
Photo © DPPI / www.Moto-Live.com





さらに16周目。バーミューレンを抜いた時点でトップのジベルノウとの間にあった1秒の差を瞬く間に詰めて、高速S字の切り返しで鮮やかにジベルノウをパスしてトップ奪取。遂にこのレースで初めてトップに立った!
すげぇぞマルコメ!

考えてみればマルコメだって、かなり点差が開いてるとは言えまだタイトルの可能性が残ってんだよな。このままロッシやヘイデンが下位に沈んでたなら、一気に点差が縮まって大逆転の可能性はずっと広がる。

トップに立ったマルコメは、その後もペースを落とすことなく独走態勢に入っていく。
まだまだマルコメはタイトルを諦めてないぞ!
頑張れマルコメ!

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トップに立つと後続との差を広げ始めた。マルコメはええええ!
Photo © DPPI / www.Moto-Live.com


一方、マルコメ以上にタイトルに執念を燃やしてるはずのロッシは相変わらずヘイデンと低調なバトルを続けている。15周目にヘイデンを抜き返したものの、依然としてヘイデンはテールに張り付いたまま。互いに難しい状況でギリギリの神経戦だ。
後方からカピロッシまで追いついてきた。
さぁどうすんだ、ロッシ?

16周目。マシン交換直後の3番手から9番手にまで落ちていたチェカが再びピットインした。どうやらタイヤがもう終わってしまったらしい。
気がつけばもうとっくに雨がやんでいた。コース後半の路面は少しずつ乾き始めている。まだ濡れているように見えるコース前半でもさっきほど水飛沫が上がらなくなってきた。
こうなるとコンパウンドの柔らかいレインタイヤは消耗が激しい。残りはまだ10周もある。レース終盤は消耗しきってスライドするタイヤのコントロールとの勝負になる。

ん? これってもしかして、ロッシ好みのシチュエーション?

17周目。ロッシを先頭にした6位グループが、その前を行くストーナー、中野の4位グループに追いついてきた。
案の定、路面コンディションが回復してきてようやくロッシの“スイッチ”が入ったようだ。
ヘイデン、カピロッシももちろんロッシに喰らいついている。

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ようやくロッシもスイッチが入った。ここから猛烈な追い上げが始まる。
Photo © CRASHNET / Yahoo!ITALIA


18周目。残り8周。ストーナー、中野、ロッシがダンゴ状態でホームストレートを駆け抜けていく。そしてストレートエンド、スリップから抜けだした中野がストーナをパスして、中野、ストーナー、ロッシの順で1コーナーに突入する。
高速のターン2からターン3のループを抜けてヘアピンのターン4。ここでロッシもようやくストーナーをパス。5位にあがった。ロッシはさらにアグレッシブに攻めて、続く高速S字で中野に迫ると、10コーナーで中野も捉えて4位にまで浮上してきた。

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ストーナー、中野をたて続けにかわして、とうとう4位にまで浮上。
Photo © DPPI / www.Moto-Live.com


このロッシの動きを察知したヘイデンも負けずに中野とストーナーを猛プッシュする。
19周目。ホームストレートでストーナーが中野をパスすると、それに続いてヘイデンも2コーナーで中野をオーバーテイク。続いてストーナーを追いかける。
20周目。ロッシが少しストーナーとの差を広げた。母国GPだけにストーナーも粘る。なかなか抜けずに焦るヘイデン。ヘアピンの4コーナーを立ち上がってテールに張り付くと、高速のS字でやや強引にようやくストーナーをパス。これでヘイデンは5位に浮上。再びロッシの背後に迫った。

20周を終わって4位ロッシ、5位ヘイデン。
マシン交換の大混乱の時にはどうなることかと思ったけど、やっぱり終盤にはこうしてキッチリ上に戻ってくる。このあたり、流石だよね、やっぱし。

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ヘイデンもロッシを逃がさないよう必死に追走。
Photo © CRASHNET / Yahoo!ITALIA


残り7周。現在の順位は1位マルコメで、その4.5秒後方に2位バーミューレン。バーミューレンから約2秒遅れて3位ジベルノウが続き、さらにその6秒後方に4位ロッシ、5位へイデン、6位ストーナー、7位カピロッシの4位グループが続いている。

確かに終盤にきて4位にまで浮上したロッシはスゴイ。さすが王者って感じではある。
だけど、もしこの順位のままレースが終わったとすれば、ヘイデンとのポイント差は僅か2点しか縮まらない。オーストラリアGPのあとは残りたったの3戦。3戦で24点差は今以上に厳しい。

このままじゃあ終われないよなぁ、ロッシ。
じゃあ、どうするよ?

「きまったこと。もっと上を目指すだけじゃ!」

オレッチにはそう叫ぶロッシの声が聞こえたような気がしたけど、それはもちろん気のせいだ。
でも、TV画面の中では確かにロッシがラストスパートを開始した。

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もっと前を目指して、ロッシが猛然とスパートを開始。ヘイデンついていけるか?
Photo © CRASHNET / Yahoo!ITALIA


レースは21周目。残りは6周。トップのマルコメとはすでに13秒近い差がある。2位バーミューレンとも8秒以上の開きがある。ラップタイムはロッシよりも速いから、この2台に追いつくのは無理そうだ。
でも6秒前方を走る3位のジベルノウはロッシよりも1秒近くラップタイムが遅い。
残り6周で6秒。ロッシのターゲットは決まった。

21周目のラップタイムはジベルノウが42秒7、ロッシは41秒6。2人の差は約5秒に縮まった。

22周目。ジベルノウは42秒3。ロッシは41秒2。また1秒縮めて、その差は約4秒に。

確実にラップあたり1秒ずつタイム差を削り取っていくロッシ。
ヘイデンも必死にロッシに喰らいついていく。
カピロッシはストーナーを抜きあぐねて脱落した。

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このところ絶好調だったカピロッシもついていけなかった・・・
Photo © motogp.com


23周目。ジベルノウのラップタイムは41秒8。ロッシは41秒0。その差は3.2秒に。

ジベルノウも最後の踏ん張りでタイムを上げてきた。
ロッシ、届くか?

24周目。ジベルノウは41秒3。ロッシは40秒6。その差は2.8秒。ついに3秒を切った。

路面はほぼ乾いた。おかげで柔らかいレインタイヤはもうボロボロ。
逃げるジベルノウ。追うロッシ。2人とも滑るマシンを必死にコントロールする。
ジベルノウの後ろに迫るロッシの姿がどんどん大きくなってくる。
もちろんロッシのテールにはヘイデンがまだ喰らいついている。
ヘイデンも必死だ。

25周目。ジベルノウが41秒9。残り2周となったところで堪え切れずにとうとうタイムを落とし始めた。一方ロッシはさらにタイムを上げて40秒5。この1周で1.4秒さらに差を縮めた。

ジベルノウが逃げ切るか?
ロッシが届くか?
そしてヘイデンは?

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ジベルノウを追うロッシ。ロッシを追うヘイデン。クライマックスまであと僅か。
Photo © CRASHNET / Yahoo!UK&IRELAND


そしてレースはラストラップに突入。
トップを独走するマルコメは2位バーミューレンに10秒の大差をつけている。今季3勝目はもう間違いない。3位で突入したジベルノウと4位ロッシの差は1.3秒。その0.3秒後ろに5位ヘイデンが続く。

1コーナーから2コーナー、そして高速3コーナーを抜ける頃には、ロッシはもうジベルノウのすぐ後ろにまで迫ってきた。

ヘアピンを立ち上がって5コーナー、6コーナー。強烈なトラクションに悲鳴をあげるタイヤに構わず赤色、黄色、青色のマシンが猛然と加速する。思わず赤巻紙青巻紙黄巻紙と早口言葉が口をつく。

高速S字の7コーナー、8コーナーを抜けて、路面の乾いた9コーナーをフルバンクで駆けあがる。そして10コーナー手前の丘の頂きにバーミューレンに続いてジベルノウ、そしてロッシ、ヘイデンの姿が現れた。暴れるマシンを押さえつけてタイトな10コーナーへと雪崩れ込む。
ここでロッシがさらにググっとジベルノウとの間合いを詰めた!
ロッシはもうジベルノウの真後ろだ!

どうだ!? いけるか!?

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フィニッシュまであと最終コーナーのみ。届くか!?
Photo © Soup Army / SUPERBILKEPLANET


中継カメラがトップのマルコメに切り替わる。
スモークを朦々と上げながらパワースライドで最終コーナーを立ち上がってくる。観客に応えて左手をグリップから離す余裕のマルコメ。

最後の直線を加速して、今季3回目のトップチェッカー。
大逆転タイトルの手ごたえを掴んだのか、何度も何度もガッツポーズを繰り返す。

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マルコメが今季3回目のトップフィニッシュ。で、その後ろはどうなった!?
Photo © Soup Army / SUPERBILKEPLANET


カメラは次に10秒後方の2位バーミューレンに切り替わる。
リアタイアをスライドさせながら最終コーナーを立ち上がる青い。
その後方から赤いマシンが見えてきた。
そしてロッシは・・・


うわ!インからだ!!


タイトにインから回ってきた!!


アウトにジベルノウ!
インにロッシ!
サイド・バイ・サイドで2台が並ぶ!
ロッシが出る!
ロッシが前に出た!
ヘイデンはどうだ!?
ヘイデンは届くか!?



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Photo © DPPI / www.Moto-Live.com



ロッシ3位、


ジベルノウ4位、


そしてヘイデンは5位!




大逆転!


すげえ!



ロッシとジベルノウは100分の9秒差、ジベルノウとヘイデンは100分の8秒差。
たった100分の17秒差で明暗を分けた2人。
表彰台をゲットしたロッシは、これでへイデンとのポイント差を5点縮めて21点とした。

ロッシに最後までついていったヘイデンの粘りも見事だったけど、最後の最後でジベルノウを挟んでフィニッシュするこの執念と計算高さの分だけ、やっぱりロッシのほうがまだまだ一枚上手だった。

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中盤のあの状況から、最後はキッチリ表彰台をゲット。さすが王者。
Photo © DPPI / www.Moto-Live.com


トップでフィニッシュしたマルコメもロッシと11点差にまで詰め寄ってきた。

残り3戦。タイトル争いは一層混沌としてきたぞ・・・・


それにしてもペドロサはどうした?


(その3に続く)
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by oretch | 2006-10-01 02:54 | MotoGP

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