2006年 10月 14日
【MotoGP】第15戦 日本GP レビュー その2

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すっかりアゲアゲ。
Photo © Yamaha Motor Co.



■ どっちがポイントリーダだってーの?

最後はヘイデンがまだツキのあるところを示していたけど、それでもロッシが遂に“ほぼ”自力で逆転可能なところにまで詰めてきたぞ!
ロッシ(2位)「今日のこの2位は本当に嬉しいよ!セパンのようないいバトルではなかったけれど、自分自身のリズムはとても良かったしマシンも絶好調だった。
すべてが僕らの味方をしてくれたような感じで、そんなときにはライバルたちにとってはかなり厳しい状況になるよね。あまり好きでは ないこのコースで20ポイントを取ることができたのだから、僕にとっては上出来。これでヘイデンとの差はわずかに12ポイント。あと2戦残っているから、この調子でいけば決して不可能じゃない よ!」
(ヤマハ発動機 日本GPスペシャルサイトより抜粋引用)

あ~あ、ロッシ、完全にその気になっちゃったよ。
“奴”がその気になったら、もう誰も止めらんないでしょう、もう。

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ご機嫌でーす
Photo © Yamaha Motor Co.





一方、今回も優勝どころか表彰台まで逃したヘイデンは。
へイデン( 5位)「また5位なんてちっともうれしくない。
1周目に僕もほかのライダーにぶつけられてクラッチレバーが曲がってしまった。
今日はマシンの調子もよかったし、ミシュランタイヤもよかった。僕のリズムも悪くなかった。ペースも去年よりかなり速くなっていた。それが今日のレースで唯一ポジティブな点だろう。
明日とあさって、もてぎに残ってテストするので、残り2戦に向けて問題点を解決したい」
(ホンダWGP情報より抜粋引用)


あれ? どっちがポイントリーダーだったっけ?

ってくらい対照的な両者のコメント。ヘイデンはもう完全に追い詰められちゃった。
クラッチレバーが折れたのがどんだけ影響したか知らないけど、だからってチャンピオンを獲るためにはそんな言い訳通用しないよ。もちろん、そんなことは本人が一番よく分かってるんだろうけど。

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このところずーっと精彩を欠いた走りのヘイデン。ヤバイって、ほんと。
Photo © DPPI / www.Moto-Live.com


ヘイデンの追い詰められっぷりはシーズン後半戦のポイントテーブルの推移を見れば一目瞭然。

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ヘイデンが地元アメリカGPで優勝した直後にシーズン最大の「51」点にまで拡大した二人のポイント差は、夏休みを境にして、その後は“急降下”状態であっという間に「40」点分がフッ飛んで「11」点差にまで縮まっちゃった。
もう急降下と言うより“まっ逆さま”って感じだな、こうして見ると。

正直、シーズン後半はヤマハの方が苦しくなると思ってた。来季用800ccマシンの開発も並行してやらないといけないとなると、ホンダとヤマハの体力差が出て、ますますヘイデン有利になると思ってた。

実際、マシンへの開発投入はホンダの方が勝っているのは明らか。毎戦のように何かしら新しいパーツ持ち込んでるし。
なのに攻守逆転しちゃったのは、こらもうライダーの力の差としか言いようが無い。

ヘイデンの方はというと、シーズン前半は開幕からの4戦連続表彰台に始まって、ダッチTTで待望の2勝目を飾り、母国USGPでは見事2年連続優勝を達成して、こりゃこのまま初タイトルまで突っ走りそうだなと多くの人が思ったろう。オレッチだって思ったよ。
ところが夏休みを境にして、突如大ブレーキがかかっちゃった。優勝どころか表彰台にも上れないレースが続いてる。いったいどーしちゃったんだろうね?

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頑張ってはいるんだけどねぇ。空回りしちゃってる感じ?
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一方ロッシはどうかと言うと、実はロッシだって必ずしも万全の成績だったわけじゃない。雨で大混乱に陥ったとは言え、過去5連覇してた大得意のオーストラリアでは3位に終わったし、チェコと日本ではカピにブッち切られちゃったし。
最高峰クラスでの通算勝率は52%なのに、ここ4戦では1勝しかしてないんだから、やっぱりロッシだって本調子ってわけじゃない。

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人気はどこいっても常に超一流だけどね。
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それでも着実にヘイデンとのポイントを縮め、とうとうここまでやってきた。

ロッシの強さってさ、本調子じゃなければないで、それでもそれなりの成績を残すところなんだよな。
「ロッシは自分が100%の走りをできないと分かった時はにはライバルの100%を100%以下に下げてしまうことができるんです。ずる賢いというか、勝負強いというか・・・・・」
(高橋裕紀 Number663号より)
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勝てなくても負けないレースができるのがロッシ。
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そういや、ロッシの呪いで全然勝てなくなっちゃったライダーもいたっけ。

まだまだロッシのほうがヘイデンより1枚も2枚も上なんだよね、やっぱし。

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よっしゃー! 残りレースも尻に力入れて頑張るでー!
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■ で、残りの2戦、どーよ?

残るはポルトガルとバレンシアの2戦のみ。ヘイデンとロッシの差はたったの11点。いよいよ残り2戦は二人のマッチバトルになってきた。次のポルトガルでマッチポイントを握るのは果たしてどちらか?

計算上はまだカピやマルコメもタイトルの可能性が残ってるから、この2人も含めて、残り2戦をシミュレートしてみよう。ペドロサはもう本人も諦めたようだからここではスルーね。
日本GP終了時点のポイントテーブル

1位 ヘイデン 236点 (35点)
2位 ロッシ   224点 (61点) -12
3位 メランドリ 209点 (48点) -27
4位 カピロッシ 205点 (54点) -31

※( )内はマレーシア~オーストラリア~日本の3連戦で稼いだ点数


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日本のキレイなオネーサン その1
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まずはエストリルから。過去3年間の成績を比較してみる。
エストリル(POR)
        03年 04年 05年 優勝 表彰台 合計点 平均点
---------------------------------------------------------
ヘイデン   9位  NC  7位  0勝  0回   16点  8.0点
ロッシ    優勝  優勝  2位  2勝  3回   70点 23.3点
カピロッシ  3位  7位  9位  0勝  1回   32点 10.7点
メランドリ   7位  NC  4位  0勝  0回   22点  7.3点

・・・・・。

あー・・・・、もう比較にならんね。

過去の実績だとロッシの圧勝。ロッシは過去5年かで見てみると4勝してる。去年だってレース途中で雨が降って混乱した中で2位だったんだから、エストリルは得意中の得意のコース。ロッシ有利は揺ぎ無い。

カピは比較する4人以外のライダーも含めて、全体でロッシに次ぐ成績を残している。シーズン後半戦の絶好調ぶりからすると、エストリルではロッシといいバトルを見せてくれるかもしれない。ただブリヂストンがデータ足りてないはずだから、そこんところでロッシやや有利かな?
ヘイデンとメランドリは、まぁ、どっこいどっこいだね。どっちが上に来てもおかしくはない。ただやっぱりシーズン後半の勢いからして、今は明らかにメランドリの方がノレてるから、きっとヘイデンは苦戦するはず。



ということで、仮にロッシ、カピ、メランドリ、ヘイデンの順にフィニッシュしたと仮定すると、点数はこうなる。
1位 ロッシ   249点
2位 ヘイデン 249点
3位 メランドリ 225点
4位 カピロッシ 225点

ロッシ逆転首位! 

これが今シーズンの恐ろしいところだよな。上位の実力差が小さくなってくると、たった1戦で大きく得点差が変動してしまう。ヘイデンは、いくらまだリードしているとは言っても、もはや表彰台を1戦も逃がせない状況にあることがハッキリ分かる。
ここ4戦、表彰台から遠ざかっているヘイデンは苦しいぞぉ。

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日本のキレイなオネーサン その2
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さらに最終戦、バレンシアの過去3年間の成績を比較してみる。
バレンシア(ESP)
        03年 04年 05年 優勝 表彰台 合計点 平均点
----------------------------------------------------------
ヘイデン  16位  NC  2位  0勝  1回   20点  6.7点
ロッシ    優勝  優勝  3位  2勝  3回   66点 22.0点
カピロッシ  3位  9位  7位  0勝  1回   32点 10.7点
メランドリ   NE  NC  優勝  1勝  1回   25点  8.3点

ロッシとカピはエストリルとほとんど同じような成績。
で、やっぱりヘイデンが一番成績が悪い。

ただ、ヘイデンがエストリルに比べたらまだバレンシアの方が希望が持てるのは、昨年はロッシにガチンコで勝っていることだ。あれは大きな自信になってるはず。

・・・だけど、ここ数戦の様子を見ると、むしろそれはプレッシャーになってしまうような気もする。

もし昨年のようにヘイデンが窮鼠のごとくロッシに噛み付けたならば、最後の最後にロッシをうっちゃって初タイトル戴冠の栄誉をゲットできるかもしれない。
だけど、もしプレッシャーに負けてここ数戦のような中途半端なレースしかできなかったとなれば、そうなればロッシが容赦なくその弱さを攻撃してくるはず。

わざと先行せずにずっとテールに張り付いてジワジワとプレッシャーをかけ続け、“オーバーテイクするまでもない”と言わんばかりに自滅へと追い込む地獄のドクター・・・

あぁ、なんかもうそんな画がもう観えるよ、瞼の裏に。

やっぱりヘイデンはまだまだチャンピオンの器じゃなかったんだよなぁ・・・・

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器の差が思ってた以上にさらに大きいらしい。この男は。
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あ、まだ終わってないだったっけ?


■ ヒロシ、おまえは漢だ!

最後に表彰台で男泣きした博一と書いて青山ヒロシ。

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「裕紀もいるし、弟の周平も来る。僕は卒業する立場だったし、今年はホンダのワークスマシンを走らせるチームが二つしかなかった。スポンサーのことを考えても、僕と契約して日本人2人を走らせるというのは、チームにしてみればありえないことですからね。そういうことはわかっていたけど、予想以上の厳しさだった」

「KTMに移籍して最初に感じたのは、走りに集中できなくなったことです。ホンダ時代には与えられたマシンで簡単に走り出せましたからね。集中できないのはつらかったし、ハンディキャップにもなったけれど、反対にやりがいも大きかった」

「僕がKTMに移籍したときに、『ああ、もうあいつは終わった』と言われた。今年の日本GPではそういう人たちを見返したかった。ホンダのお膝元であるもてぎでKTMに乗って勝つ。それがひとつの目標でした。」(青山博一 以上、Number663より)

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オレは断言する、ヒロシはきっと来年こそチャンピオンになると!
頑張れ!!
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by oretch | 2006-10-14 02:52 | MotoGP

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