2006年 10月 28日
【MotoGP】第16戦 ポルトガルGP レビュー その1
これもまたレース・・・・ 、なんて達観してる場合じゃねえええええええええ!

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無残な姿のレプソル・ホンダ。まさに悪夢・・・・
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そしてこの男がついにトップに立った!
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■ 闘いは予選から始まってるんだぜ! (予選レビュー)

ヘイデン236点、ロッシ224年。その差、12点。2戦を残し、ついにロッシがヘイデンを射程距離に捉えた。
こうなるとパーマ野朗はもうイケイケのアゲアゲ状態だ。一方のアゴ割れ兄ちゃんだって尻に火がついてフガフガと鼻息が荒くなってきたんじゃないの?

そんなオレッチの予想を超えて、2人の意地と気合は予選からバチバチを火花を上げてぶつかり合ってたみたいだねぇ。




まずはロッシ。「チャンピオンシップの現在の状況を考えれば、ポールポジショ ンは必須条件」と言ってた通り、しっかりPPをゲットした。
有言実行。大事なところでキッチリ狙い通りの結果を出してくるところはサスガV5王者だな。
失意のアメリカGP以降はマシンの信頼性も問題なし。あとはライダー同士、力と力の真っ向勝負。そうなれば絶対の自信があるみたいね。

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まずはPPゲットで先制パンチ。予選からヘイデンにプレッシャーをかけるヴァレ。
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ロッシの自信をさらに裏付けるのは2番グリッドをエドワーズが確保したこと。
今季ここまでのエドワーズはハッキリ言って期待ハズレの連続だった。だからエドワーズとしては残り2戦、必死になってロッシをサポートするはず。最後の最後で頼もしいサポーターを得て、ロッシも心強いにちがいない。

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「最後くらい頼みまっせー、エドはん!」 「おっしゃ!まかしときー」
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予選1-2を決めて万全の態勢のキャメル・ヤマハ。こうなるとヘイデンは劣勢を強いられるか? というと、そういうわけじゃない。むしろ内容的には、レースウィーク初日からヘイデンの方が好調だったみたい。

チェコGP以降は明らかにマシンのセッティングに迷いが出てた。だからいつも予選で失敗して、決勝ではスタート直後から中団に飲み込まれて苦労してた。
でも今回は、「ベストなフィーリング」と本人も言うほど絶好調。グリッド3番手、フロントローを確保した。タイムだってロッシから100分の7秒しか遅れてない。ほぼ互角な状況ってことだ。

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後半戦は苦労し通しだったヘイデンだけど、ようやく調子を取り戻してきたぞ
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ヘイデンに続く4番グリッドはチームメイトのペドロサだ。キャメル・ヤマハの2台にレプソル・ホンダの2台が続く。こうなるとチーム対決って感じだな。
F1と違って2輪ではあまりチームワークというのは表に出てこないし、たいして期待できるものじゃない。でも、ここまでタイトル争いが縺れてくると、両陣営ともそうとばかりは言っていられない。ロッシにしてもヘイデンにしても、できることならやっぱりチームメイトのアシストが欲しいところだろうし。
ラスト2戦は、チームメイトの働きぶりが鍵になりそう。

ただ、この点ではヘイデンがやや不利かも。ホンダは伝統的にチームオーダーを出さないし、なによりペドロサ自身もまだタイトルの可能性があるからね。ヘイデンはあまりペドロサの援護は期待できないかもしれない。
まぁ、チャンピオンになりたいなら、人に頼らず己の力でなんとかしろ、っつーことだ。

タイトルの可能性があると言えば、カピロッシもマルコメもそうだった。でもカピは10番グリッド、マルコメは15番グリッドと予選で出遅れた。もともとポイント差的にも逆転は厳しいから、早くもこの2人は終戦って感じ?

さぁ決勝はどんなレースになるか?
ポイント差を考えると、場合によってはここでヘイデンがチャンピオンを決める可能性もある。まぁ、その可能性はかなり低いとは思うけど、ロッシもヘイデンも、まだバレンシアがあるサ、なんて悠長なことは考えてないはず。
「ロッシとの果たし合い(shoot-out)になるだろう」
(ヘイデン/インテリマークより)

この果し合いに勝って、最終戦バレンシアGPで優位に立ってるのはどちらになるか?

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後半戦は苦労し通しだったヘイデンだけど、ようやく調子を取り戻してきたぞ
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■ ありえねえええええ! (決勝レビュー)

決勝レースは、キャメルカラーの2台のM1のロッシのロケット・ダッシュで始まった。
ヤマハ2台に続いてレプソル編隊も好スタート。タイトルを争う2つのチームの4台のマシンが横に並んで1コーナーに向かう。

ホールショットを奪ったのはアウトから鋭くターンインしたロッシ。続いてペドロサ。さらにエドワーズ、ヘイデンの順で1コーナーへ入っていく。

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第16戦、運命のポルトガルGP、決勝スタート。
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ホールショットはロッシ。ヘイデンもまずまずのスタート。
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中速コーナーが続くコース前半を過ぎ、左ターンの4コーナーを回ったところで早くも1台が派手に転がりながらコースアウトした。あちゃぁ、中野だよ・・・。ホプキンスに引っ掛けられたらしい。
これで日本GPに続いての連続リタイア。シーズン後半に入ってすっかりツキを落としたみたい。

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しばらく動かなかったけど無事で一安心。でもあまりの不運ぶりに溜息・・・
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オープニングラップを終えて先頭のロッシがホームストレートに戻ってきた。後続はすでに長い列になっている。ロッシの後ろにペドロサ。3位エドワーズ、4位ヘイデン、以下ストーナー、カピロッシ、ジベルノウ、エリアスと続く。レース序盤はまずはこのオーダーで進んでいく。

と思いきや、2周目のまたもターン4でクラッシュ発生。転倒したストーナーに、すぐ後ろを走っていたジベルノウが乗り上げて2台まとめてクラッシュ。地べたにしゃがんで首をふるストーナー。放心状態のようなジベルノウ。
このレース、早くも荒れる予感・・・・

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最近、この手のクラッシュ多いよね。みんな怪我しなきゃいいんだけど。
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先頭グループではキャメル・ヤマハとレプソル・ホンダが激しい鍔迫り合い。
その中でエドワーズの動きが目立つ。ロッシが黙々と先頭を逃げる一方、エドワーズがレプソルの2台相手に大立ち回りを演じている。
2周目の1コーナーでヘイデンに抜かれたエドワーズは、すかさずバックストレート・エンドの6コーナーでヘイデンを抜き返す。さらに3周目のシケイン切り替えしで、ゼブラゾーンに乗り上げながらペドロサをパス。2位に浮上してロッシを援護する絶好のポジションにつくことに成功した。
まんまF1のチームバトルの様相。牛若ロッシを守るためにエド弁慶も大張り切りだ。

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逃げるロッシ。追うヘイデン。最初の難関はエドワーズだ。さて、どう攻略する?
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ヘイデンだってこのまま黙っているわけにはいかない。このままもしロッシに逃げられてしまったら、ポイント差は一気に縮まってしまう。
エドワーズが2位に上がってから、ややロッシが後続とのギャップを開き始めた。もう悠長に様子を見てなんかいられない。まずは目の前のチームメイトを抜きにかかる。

4周目。6コーナーで、やや強引にペドロサをパス。一瞬接触したようだ。ちょっとバランスを崩しかけたけど、すぐに立て直してキャメル・ヤマハの2台を追いかける。

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逃げるロッシ。追うヘイデン。最初の難関はエドワーズだ。さて、どう攻略する?
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コーナーに突入していくときのヘイデンのターンインは、先頭を走るロッシよりもずっと鋭く見える。本人も言うように、この週末は本当に調子がいいみたい。アッと言う間にエドワーズに追いついた。

ところが、ここで思わぬ足踏み。エドワーズのブロックをなかなか突破できない。
コースの特性もあるとは思うけど、エドワーズってブロック上手だったのねとちょっと感心。

一方先頭のロッシは、エドワーズがヘイデンをブロックしてくれている間にさらにペースアップ。ファステスト・ラップを叩き出しながら、ジリジリとエドワーズとの間にギャップを作っていく。

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エドワーズが後続を抑えている隙にトップを逃げるロッシ。完璧なチーム・プレイ。
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どうやらここまではヤマハの思惑通りの展開になりつつある。さすがに仲良し同士、完璧なチームプレイだ。ヘイデンは各コーナーでエドワーズを猛プッシュしてチャンスを伺っているけど、こりゃまだまだ数ラップにわたって梃子摺ることになりそうだぞ。






・・・と、誰もがこの後の展開に思いを巡らした時だった。

5周目。ストレートエンドのターン6でそれは起こった。





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ドン
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ぐしゃ
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どぎゃ
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ずばっ
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どざあぁ・・・・
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( ゜д゜)






( ゜д゜)






( ゜д゜ )






な、



なにそれ?




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う、うそ・・・・・ 
Photo © Reuters


グラベルを蹴ってヘイデンが慌ててマシンに駆け寄る。
横たわるRCVの下に手を入れて起こしにかかる。
でも気が急くばかりで思うようにマシンを起こすことが出来ない。
ペドロサは俯き加減に首をふりながら現場から離れていく。
遠くにいるマーシャルに向かって「来い!来い!」と激しく手を振るヘイデン。

TVではリプレイ映像を流している。
どうやらブレーキングに失敗したペドロサがバランスを崩して転倒。
ちょうどアウト側にいたヘイデンを巻き添えにしてしまったらしい。

再びTVカメラがヘイデンを映す。
ヘイデンがグラベルに膝をつき突っ伏している。
何度となく悔しそうに地面に拳を叩きつける。
TV解説のノリックが呟やいた。
「ヒドイ・・・」

トボトボと現場を立ち去ろうとするペドロサ。
そのペドロサの背後でヘイデンが立ち上がる。
レーストラックの方を振り向き、腕を振り上げながら何かを叫んだ。
振り返り、トラックを背にして現場を離れるヘイデン。
一歩一歩、グラベルを踏みしめる身体から怒りと憤りが溢れるている。
歩きながら、さっきまでペドロサがいた方向を睨みつける。
そしてまた咆哮。
2度、3度と、腕を振り上げながら咆哮を繰り返す。

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© EUROSPORT


あってはならないことが起きた。
考えられないことが起きた。
苦しみながらも守りぬいてきたリードが一瞬にして失われた。
それが、よりによってチームメイトによってだなんて・・・

8年前にも似たようなことがあった。原田とカピロッシのあのクラッシュだ。
あれは世界中のGPファンを揺るがす大事件だった。
まさかあの事件に匹敵する“大失態”が再び繰り返されるとは・・・

もうただただ、唖然・・・・・・


HAYDEN OUT


ピットウォールから出されたサインボードが、ロッシにヘイデンの脱落を伝える。
ヘイデンはノーポイント。ロッシの逆転がほぼ確定した。


HAYDEN OUT


ヘイデンが失ったのはレースだけじゃない。シーズンそのものも失った。

ライバルのいなくなったコース上を、ロッシが逆転タイトルに向けて駆け抜けていく。

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Photo © AFP / Yahoo!FRANCE


レースは中盤に入った。トップは依然としてロッシ。約2秒後方にエドワーズ。万全の態勢のキャメルヤマハ。このまま逆転タイトルにむけてひた走る。

世界中が注目していたはずのロッシとヘイデンのバトル。でもコース上にもはやヘイデンの姿は無く、期待したバトルはもはや観ることはできない。鉄壁のチームワークでトップを快走するキャメル・ヤマハ編隊にもはや死角はなさそうだ。

こうなるともうあとはプロ野球の消化試合のようなもんだ。つい数分前まではあんなにワクワクテカタしてたのに、全てが一瞬にして消えちまったよ。
全くダニのバカヤロ・・・・


・・・と、ヘイデン脱落にすっかり失望してレースへの興味を失いかけていたその頃、1台のマシンが後方から急速にキャメル・ヤマハの2台に接近してきていた。

エリアスだ。

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ヘイデンのクラッシュで凍りついたサーキットを、このあとエリアスが熱くする。
Photo © DPPI / www.Moto-Live.com



(その2へ)
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by oretch | 2006-10-28 01:22 | MotoGP

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