2006年 10月 28日
【MotoGP】第16戦 ポルトガルGP レビュー その3
■ まさにドラマのような劇的な演出

タイトルを争うキャメル・ヤマハとレプソル・ホンダのガチ勝負でレース・スタート。
ところが序盤でポイント・リーダーのヘイデンが追突されてクラッシュ。
よりにもよって犯人はチームメイトのペドロサ。
ヘイデンはリタイアしてノーポイント。
ロッシのポイント逆転が確定。
でも伏兵エリアスが1000分の2秒差でロッシを下して初優勝。
ロッシがポイントでヘイデンを逆転するも差は8点どまり。
罪滅ぼしでペドロサが最終戦はヘイデンを強力サポートすると宣言。
最終戦、ヘイデンの順位に関わらずロッシは2位に入ればV6獲得。
でもヘイデンが勝ち、ペドロサが汚名挽回でロッシを抑えれば再逆転でヘイデン初タイトル。

ヘイデンは逆転タイトルの望みを賭けて必勝態勢。
十字架を背負ったペドロサは悲壮な覚悟でチームメイトのアシストを誓う。
そしてロッシはレプソル軍団を返り討ちにして史上最大の大逆転劇完遂を狙う。


で、これなんて梶原一騎マンガ?

b0039141_3442019.jpg

Photo (C) DPPI / www.Moto-Live.com




うああ!
それにしてもなんてシーズンだ!
なんてスペクタクルだ!
なんてベタなスポ根的展開なんだ!

かれこれもう20数年WGPファンやってるけど、こんなに波瀾万丈で興奮するシーズンは初めてだ。WGP史上最高と言われる1983年のフレディーとケニーの闘いは、当時は月刊専門誌でしか知ることが出来なかったから、リアルタイムに体験してる今季ほどの興奮を味わえたわけじゃない。
上に書いた一つ一つの要素が絡み合ったからこそのこの興奮。今季は間違いなく、オレッチのファン暦の中で最高にエキサイティングなシーズンになった。
まだ終わってないけどね。

さて、まずはようやくポイント首位の定位置を取り戻すことができたロッシのコメントから。

V・ロッシ 「ついにチャンピオンシップのトップに立つことができた。本当に嬉しい。優勝できなかったのは残念だけれど、今日はやはりランキングのほうが重要だよ!
最終戦までの2週間は気持ちをリラックスさせて、そしてバレンシアでの最後の戦いに集中して臨みたい。最後にもう一度、チームのみんなにありがとう。今日確かにヤマハのチームスピリットというものを見せてもらった。僕もコーリンも、このようなチームでレースができて本当に幸運だ」
(ヤマハ発動機レース情報より抜粋)

b0039141_3505671.jpg

Photo (C) CRASHNET / Yahoo!ESPANA


もう完全にアゲアゲ状態。こういう風に調子に乗ってる時のロッシは本当に強いからね。最終戦に向けてかなり自信マンマンみたい。

一方、世紀の大失態を演じたレプソル・チームの方はというと、

ヘイデン 「本当にどう言っていいのか分からないし、残念だった。
ダニが前に出ることを望んでいなかったのだが、彼は前に出ようとしていた。我々はプロだし、ダニがモーターホームに来て、その件について話をしたし、握手をした。こんな結果になったが、あきらめる気はまったくないし、まだ十分に戦えるし速いと信じている。エストリルは、自分にとってこれまではベストなサーキットではなかったけれど、速く走ることができた。バレンシアでは何が起こるかわからないし、ダニの助けが必要になる。彼の手が問題なければいい。ダニと1-2フィニッシュできれば、チャンピオンシップはまだ可能性があるからね」
(ホンダWGP情報より抜粋)

b0039141_3483393.jpg

Photo (C) AFP / gettyimages


ペドロサ 「どう言っていいのか分からない。今日はミスを犯したし、本当に済まないと思っている。こんなことは自分のキャリアの中で初めてのことだ。この6年間を振り返っても一度もなかったし、最悪の状況の中で起きてしまった。ニッキーには本当に申し訳ない。ただただ、謝るだけしかできない。ニッキーにごめんなさいと謝った。彼の気持ちが動揺していることも理解できるし、その埋め合わせをできたらいいと思っている。」
(同上)

b0039141_3492714.jpg

Photo (C) CRASHNET / Yahoo!ESPANA


そりゃペドロサにしたら平身低頭ってところだよね。原因はブレーキングミスだったみたいだけど、だからってそれで許されるわけじゃない。ここは最終戦で、ヘイデンのタイトル獲得を何が何でもサポートして実現するしか名誉は挽回できないよな。

それにしても、繰り返しになるけどこの絶妙な点差はどういうことだろうね?
もしロッシが勝ってたら13点差になってはずで、そうなるといくらヘイデンとペドロサで1-2を飾っても、ロッシは3位か4位でチャンピオンになれるところだった。だけどエリアスが勝ってくれたおかげで、ペドロサは名誉挽回のチャンスを得たし、ヘイデンはタイトル獲得に望みをつなぐことができた。返す返すも実に絶妙な状況だよあなぁ。

ロッシは、とにかくポイント首位に立てたことが嬉しいようだけど、もうちょっと計算しておけばよかったね。

b0039141_3512413.jpg

レース中なんだから、そこまで計算してなかったっつーの。
Photo © Associated Press / Yahoo!UK&IRELAND


さて、で、肝心の最終戦だけども。
詳しい分析はプレビューで書くとして、ロッシとヘイデン、どちらが有利かと言えば、恐らく大方の人はロッシ有利と予想すると思うけど、オレッチは敢えてヘイデンやや有利と予想する。

理由はそれなりにいくつかある。
まず第一に、昨年のバレンシアでヘイデンがロッシにガチで勝っているという事実。逆にロッシは、過去5年間のサーキット別成績を比較すると、苦手と公言している茂木の次にバレンシアは成績が低調だったりもする。つまり過去の成績を分析すると、バレンシアはロッシよりもヘイデンの方が得意というか相性がいいと思える。

第二に、昨年のバレンシアで優勝したマルコメのサポートが期待できる点。マルコメはポルトガルGP後に「ニッキーに起きた出来事は、本当に気の毒だった」とコメントしている。マルコメ自信はタイトル獲得の芽がつぶれたことも幸いだろう。もし本気になってもらえたなら、もしペドロサが後方に沈んだとしても、替わってマルコメが強力に援護射撃してくれるだろう。
もっとも、マルコメはロッシと仲が良いから、中立の立場に立ってアテにならないかもしれないけど。

b0039141_3562957.jpg

タイトル争いに敗れてガックシのマルコメ(嘘)
Photo (C) DPPI / www.Moto-Live.com


まぁそれはそれとして、第三に、オレッチはこれが最も大きな要素だと思うけど、コトここにいったっても依然としてヘイデンのツキが落ちていない点だ。
まずエリアスが今回ロッシを抑えてくれたおかげで、最終戦でかろうじて逆転チャンピオンの可能性が残った。もしロッシが勝っていれば、ヘイデンはもはや絶対絶命のところだったものね。
さらに、ある意味で、追突してきたのがペドロサだったというのもツキの1つだと思う。もしあれがペドロサじゃなくてカピとかホプキンスとか全然無関係のチームのやつだったら、最終戦で逆転するためのバックアップは期待できなかったわけだから。ペドロサだったからこそ、「罪滅ぼしに次はバックアップしてくれよ」と頼めるわけだ。
そしてもう1つ忘れてならないのは、前戦、日本GPの最終ラップのジベルノウと中野のクラッシュ。あれがあったからこそ、ペドロサと1-2決めれば逆転可能な8点差という絶妙のビハインドで済んだわけだ。日本GPのレビューで書いたとおり、ここにきてあのタナボタの1点が大きな意味を持ってきたわけですよ。

ということで、恐らく世界中がロッシ有利と見る中で、オレッチは敢えてヘイデンを推す。

b0039141_3581175.jpg

Photo (C) Associated Press


さて、果たして最終戦ではどんなクライマックスが待っているのか?

まぁとにかく、ヘイデン有利とかなんとか書いたりしたけども、もうこなったらロッシでもヘイデンでもどちらでもいいので、激戦となった今シーズンを閉めるにふさわしい、素晴らしいレースを期待してまっせ!!
[PR]
by oretch | 2006-10-28 02:00 | MotoGP

<< 【MotoGP】第17戦 バレ... 【MotoGP】第16戦 ポル... >>