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2007年 05月 19日
F1マシンがニュルに帰ってきた
ちょっと古いネタだけどログっておこう。

今季ぬるぬると評価うなぎ昇りのハイドフェルト。
BMWのイベントでニュルブルクリンクの北コース“Nordschleife”をF1で走ったとさ。
うらやましい。

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Photos © BMW AG


→ Nurburgring 'Nordschleife' @ Google Map


ただ残念ながら、今回はあくまでイベントってことでタイム・アタックは無し。3ラップ走って最速タイムは8分34秒だったとのこと。
NSXやスカイラインGT-R(R34)、インプレッサWRX(STI)が確か8分切ってるはずだから、市販車以下っていうのが寂しいけど、ま、しゃーないね。あんだけ路面が荒れまくりのバンピーな北コースを現代のF1がまともに走れるわけないし。
車高を目一杯上げて、タイヤもバーストしないよう特別仕様のスーパー・ハード・タイヤ履いて、パレードラップ気分で周って出したタイムなんだから、そう考えれば流石F1とも言えるし。

ちなみに、最後にニュルの北コースでF1GPが開催されたのは1976年。もちろん、あの有名なラウダの炎上事故のためにこの年が最後になったわけだけど、その時の記録は以下の通り。

1976年 西ドイツGP
  ポールポジション: ジェームス・ハント(マクラーレンM23) 7分6秒5
  決勝レース優勝: ジェームス・ハント(マクラーレンM23) 1時間41分42秒7
  平均タイム 7分15秒9 / 平均速度 188.6km/h
  ファステストラップ: ジョディ・シェクター(ティレルP34) 7分10秒8
  ※ 当時のニュル北コースは全長22.835km(現在は20.8km)

ニュルのレコード・タイムは1983年にCカーのポルシェ956が記録した6分11秒13(ただし、タイムを記録した時のコース全長は20.832km)。

7年のギャップがあるとは言え、やっぱりニュル北コースのような高速コースはF1よりグループCカーの方が速いのかな? どうなのかな?






考え出したら止まらなくなったので、えーい、シミュレーションしてしまえ!

まず、仮に1983年にもニュルでF1GPが開催されていたとして、F1はどんくらいのタイムを出していたはずかを、1976年と1983年の両方で開催された別のコースでのタイムの向上率から推定してみる。そして、1976年と1983年で北コースの全長が変わっているので、1983年のF1推定タイムと、ポルシェ956のレコード・タイムの平均速度を算出して、それで比較する。

シミュレーション方法
・ 1976年と1983年の両年で開催されたコースのうち、コース全長に変化が無いコースのみ対象。
・ 両年のポールポジション・タイムを比較して、タイムの短縮率を算出。
・ 短縮率の最高、最短を除いた3コースの平均短縮率を、1976年のニュルのポールポジションタイムに乗じて、1983年の推定タイムを算出する。


コース       1976年のPPタイム(上段)       短縮率
           1983年のPPタイム(下段)
-----------------------------------------------------------
Kyalami      1分16秒10 (J.Hunt, McLaren)    87.46% ※除外
           1分06秒554 (P.Tambay, Ferrari)
Monaco     1分29秒65 (N.Lauda, Ferrari)    94.63% ※除外
           1分24秒840 (A.Prost, Renault)
Paul Ricard   1分47秒89 (J.Hunt, McLaren)    89.60%
           1分36秒672 (A.Prost, Renalt)
Brands Hatch 1分19秒35 (N.Lauda, Ferrari)    90.85%
           1分12秒092 (E.de Angelis, Lotus)
Monza      1分41秒35 (J.Laffite, Ligier)     87.93%
           1分29秒122 (R.Patrese, Brabham)

→ 平均短縮率 89.46% (「※」印コースを除外)

上記平均短縮率を1976年のPPタイム(7分6秒5)にかけると・・・・

→ 推定タイム 6分21秒562 平均時速 215.446km/h (全長22.835km)

ポルシェ956のタイムは

→ 6分11秒13 平均時速202.073km/h

ということで、やっぱりグループCカーよりF1の方が速い(はず)!

ま、実際にはコース全長の差である2kmの部分のコース・レイアウトも大きく影響するんだけどね。仮にF1優位に考えて残り2km部分を直線だとしても、300km/hで爆走しても24秒もかかるわけだから(*)、やっぱりF1の方が速い(はず)という結論は変わらない。

* 残り2km部分が直線だったと仮定すると、2km短くなったコースでのF1のタイムは6分をギリギリ切るくらいだけど、もし残り2kmがタイトな低速レイアウトと仮定すると、F1のタイムはさらに短縮されることになる。



ちなみに、ハイドフェルトは2006年型のF1.06で走ったということなので、なら2006年型F1マシンならポテンシャルとして、どんくらいのタイムで走れるかも推定してみよう。

と、思ったけども、1976年と2006年の両年で開催されたMonacoとMonzaは、ともに全長もコースレイアウトも変わってしまったので、単純なタイム比較は不可。
なので、やや強引に平均速度の変移から推定してみる。

コース     1976年 > 2006年のPP平均速度  向上率
---------------------------------------------------
Monaco  133.871km/h > 161.979km/h  121.00%
Monza   206.661km/h > 254.345km/h  123.07%

→ 平均速度向上率 122.03%

上記平均速度向上率を1976年のPP平均速度192.97km/hにかけると・・・・

→ 推定平均速度235.491km/h 推定タイム5分17秒974 (全長20.8kmとして)

はええええええええええええええ!

ま、実際は現代のF1であんなバンピーでタイトなコースを本気のレーシングスピードで走れるわけないけどね。 <それを言ったら元も子もない



ちなみにちなみに、TVゲーム「Grand Turismo 4」でオレッチがフォーミュラ・グランツーリスモでニュルをビクビクしながら慎重に走って出したタイムが5分40秒くらいだから、あながち上記の推定タイムや速度はハズれてないでしょ。
by oretch | 2007-05-19 02:24 | F1

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