2007年 06月 02日
【MotoGP】第6戦 イタリアGP プレビュー
脅威の最高速を武器に絶好調のストーナーが勝つか?
それともムジェロ5連覇中のロッシが反撃の狼煙をあげるのか?
今季前半の山場となりそうなイタリアGP。つーことで久々プレビュー。

■ ムジェロ・サーキット概要

イタリア北部トスカーナ地方の山中にあり、土地の起伏を活かしたアップダウンに富んだ中高速のテクニカル・サーキット。正式名称は「Autodromo Internazionale del Mugello」。
WGP初開催は1976年。当時はイタリアGPではなく、ネイションズGPという名前で開催されていた。イタリアで開催されるGPは、年によってコース(イモラ、ミサノ、モンツァ)やGP名(ネイションズGP、イタリアGP、サンマリノGP)がいろいろ変わってきたけど、 1994年以降はイタリアGP開催地として定着した。
F1のフェラーリがテストコースとしても使用されていて、ロッシがフェラーリF1を、シューマッハがドゥカティのMotoGPマシンをここでテストしたこともある。
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コースの全長は5,245m。セパン(マレーシア;5,548m)、ロサイル(カタール;5,380m)、イスタンブール(トルコ;5,340m)、上海(中国;5,281m)に次ぐ長さ。1,141mのホームストレートは上海のバックストレート(1,202m)に次ぐ長さを誇り、2005年のイタリアGPでC.Checaが340.5km/hの最高速をマークした。

コース・レイアウトは、右コーナー9つ、左コーナー6つの合計15のコーナーから成り、カタカナのコの字を反対にした形で、名物の超高速ホームストレートを囲むように配置されている。1コーナーを抜けた後は、左、右、左、右と登り勾配の中速コーナーがダラダラと続く。その先で8コーナー、9コーナーと右回りのコーナーを連続してグルっと大回りしてコースの反対側に出ると、今度は下りながら進入する難しいコーナーが再び右、左、右、左と続く。180度ぐるりと回る最終15コーナーは、そのあとの長い長いホームストレートでのトップスピードの伸びに影響するので立ち上がり重視のラインで回る。ライダーはみな身体をスクリーンに目一杯伏せてアクセル全開でホームストレートを突進する。
剥き出し340km/hの超高速で繰り広げられるスリップストリームを使った抜き合いはまさにスペクタクロ。そこから一気に100km/h以下にまで減速する1コーナーがこのコース最大の勝負ポイント。

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Photo © CRASHNET


Adress : Via Senni, 50038 Scarperia, Italy
URL : http://www.mugellocircuit.it
GoogleMaps : 43.997369,11.371965




■ Previous Data

2006 Resault

Pos. # Rider (Nat.)      Makes; Team; Tyre Time/Gap (Grid)
-------------------------------------------------------------
[ 1] 46 Valentino Rossi (ITA) Yamaha; Camel; MI  42'39.610 ( 3)
[ 2] 65 Loris Capirossi (ITA) Ducati; Marlboro; BS   +0.575 ( 2)
[ 3] 69 Nicky Hayden (USA) Honda; Repsol; MI     +0.735 ( 4)
[ 4] 26 Dani Pedrosa (ESP) Honda; Repsol; MI     +2.007 ( 8)
[ 5] 15 Sete Gibernau (ESP) Ducati; Marlboro; BS  +3.070 ( 1)
[ 6] 33 Marco Melandri (ITA) Fortuna; Honda; MI   +11.793 ( 6)
[ 7] 24 Toni Elias (ESP) Honda; Fortuna; MI      +18.999 (12)
[ 8] 10 Kenny Roberts (USA) Roberts; Roberts; MI  +19.172 (11)
[ 9]  6 Makoto Tamada (JPN) Honda; JIR; MI     +19.231 (10)
[10] 21 John Hopkins (USA) Suzuki; Rizla; BS      +19.821 ( 7)
[11] 56 Shinya Nakano (JPN) Kawasaki; Kawasaki; BS +19.863 ( 5)
[12]  5 Colin Edwards (USA) Yamaha; Camel; MI    +30.678 (14)
[13] 17 Randy De Puniet (FRA) Kawasaki; Kawasaki; BS +37.198 (16)
[14] 71 Chris Vermeulen (AUS) Suzuki; Rizla; BS     +41.712 (15)
[15]  7 Carlos Checa (ESP) Yamaha; Tech3; DL    +56.256 (13)

Pole Position : 15 Sete Gibernau (ESP) Ducati; Marlboro; BS 1'48.969
Fastest Lap : 65 Loris Capirossi (ITA) Ducati; Marlboro; BS 1'50.195

Event Maximum Speed : 27 Casey Stoner (AUS) Honda  334.0km/h

Race Leader Sequence
 Lap 1 46 Valentino Ross i; Yamaha
 Lap 2 15 Sete Gibernau ; Ducati
 Lap 5 46 Valentino Rossi ; Yamaha
 Lap15 65 Loris Capirossi ; Ducati
 Lap23 46 Valentino Rossi ; Yamaha


昨年はシーズン序盤にバッドラックに祟られたロッシが、一時は6台ものマシンが入り乱れた大バトルを制して復活の勝利をあげた。

【MotoGP】第6戦 イタリアGP 結果 (2006/06/07)
【MotoGP】第6戦 イタリアGP レビュー その1(2005/06/16)
【MotoGP】第6戦 イタリアGP レビュー その2(2005/06/16)


■ 過去5年間の記録

Winner

 2002 Valentino Rossi (ITA) Honda ★
 2003 Valentino Rossi (ITA) Honda ★
 2004 Valentino Rossi (ITA) Honda ★
 2005 Valentino Rossi (ITA) Yamaha ★
 2006 Valentino Rossi (ITA) Yamaha ★

Pole Position

 2002 Valentino Rossi (ITA) Honda ★
 2003 Valentino Rossi (ITA) Honda ★
 2004 Sete Gibernau (ESP) Honda
 2005 Valentino Rossi (ITA) Yamaha ★
 2006 Sete Gibernau (ESP) Ducati

Fastest Lap

 2002 宇川 徹 (JPN) Honda
 2003 Loris Capirossi (ITA) Ducati
 2004 Sete Gibernau (ESP) Honda
 2005 Max Biaggi (ITA) Honda
 2006 Loris Capirossi (ITA) Ducati

 ※ ★印はその年のチャンピオン


■ 有力ライダー別過去5年間の成績

5 C.Edwards (USA) : NE - 9th - 12th - 9th - 12th
21 J.Hopkins (USA) : NE - NC - NE - 11th - 10th
24 T.Elias (ESP) :   4th** - 6th** - 6th** - NE
26 D.Pedrosa (ESP) : 4th* - 2nd* - 2nd** - 1st** - 4th
27 C.Stoner (AUS) : NE - 18th* - 2nd* - 4th** - NC
33 M.Melandri (ITA) : 1st** - 11th - 9th - 4th - 6th
46 V.Rossi (ITA) : 1st - 1st - 1st - 1st - 1st
56 S.Nakano (JPN) : 11th - 5th - NC - 10th - 11th
65 L.Capirossi (ITA) : 6th - 2nd - 8th - 3rd - 2nd
69 N.Hayden (USA) : NE - 12th - NC - 6th - 3rd

※NE=Not Entry、NC=Not Classifyed、
  NS=Not Start、NFF=Not Finish First-Lap
※*=125cc、**=250ccクラス時代の成績



■ データ分析と独断予想

ロッシはここムジェロで5連勝中。過去の成績からすれば当然ロッシが鉄板の大本命となる。

が、恐らく世界中の誰も、そんなふうには思ってない。
たぶんロッシ本人さえも。

なぜなら、今週末ムジェロ最強を証明するマシンは、間違いなくドゥカのデスモGP7に違いないからだ。
ムジェロはカレンダー中、2番目に長いストレートと2番目に早い平均速度を誇る。となれば、抜群の最高速を誇るドゥカティが圧倒的に有利だからだ。

ロッシ&YZR-M1とストーナー&デスモGP7の今季のトップスピードを比較してみる。

        V.Rossi&YZR-M1  C.Stoner&DesmoGP7
----------------------------------------------------
Rd.1 QAT   309.9km/h (14)    324.7km/h ( 1) +14.6km/h
Rd.2 ESP   274.6km/h (12)    278.4km/h ( 2) +3.8km/h
Rd.3 TUR   293.6km/h ( 9)    301.2km/h ( 1) +7.6km/h
Rd.4 CHN   325.7km/h ( 8)    337.2km/h ( 1) +11.5km/h
Rd.5 FRA   280.4km/h ( 9)    288.5km/h ( 1) +8.1km/h

※速度は各GPイベント期間中の最高速
※( )内は各GPイベントごとの最高速の順位

圧倒的じゃないか!我が軍は!

って思わずギレンのセリフが出ちゃうぐらいその差は歴然。
ちなみに、ストーナーが唯一1位じゃなかったスペインGPの1位はバロス。つまり、同じドゥカ。
マシンのスピード・パフォーマンスを考えると、とても勝負にならない。関係者の間では、コーナーの脱出速度が速くなった800ccMotoGPマシンの場合、上海よりもムジェロの方が最高速は延びるだろうと言われてもいる。
さらにストーナーの今季の地力の著しい成長ぶりとデスモとの相性の良さまで考えると、もはやロッシに勝ち目を見出すことはできない。

ついにロッシのムジェロ連勝記録はストップし、チャンピオン争いでもストーナーに大きく遅れを取ることになるのか・・・・・

いや、実はまだロッシには勝機がある。

スピードだけを考えればドゥカ圧勝だけど、ムジェロは単にパワーが出てれば勝てるような単純なコースじゃない。実はとてもテクニカルなコースでもある。特に、下りながら減速するコーナーが連続するコース後半セクションは、マシンのスタビリティとライダーの技量が大きくモノを言う。
1992年、開幕戦から破竹の勢いで連勝中だったドゥーハンをここムジェロで止めたのは、シュワンツの勇敢でアグレッシブなコーナリング・テクニックだった。

こうなると、王者ロッシと、昔から最強のハンドリング(コーナリング)マシンを開発コンセプトとしてきたヤマハのパッケージに俄然勝機が見えてくる。

高速ムジェロでは恐らく最後まで混戦になる。最後のストレート勝負になれば分が悪いロッシが勝つには、コーナーセクションでどんだけストーナーとの間にギャップを築けるかにかかっている。
きっとロッシは、レース終盤にコース後半のテクニカル・セクションでストーナーを引き離す算段をしているはずだ。

昨年の2人のコース後半のタイムを比較してみよう。
きっとロッシがストーナーを圧倒しているはずだ。

           V.Rossi  C.Stoner
--------------------------------------------
予選セッション
 最速タイム   60.510   60.797 (+0.287)
 平均タイム   61.358   61.379 (+0.021)
 1周タイム  1’48.187  1’48.816 (+0.629)
決勝レース
 最速タイム   61.261   61.076 (-0.185)
 平均タイム   61.542   61.301 (-0.241)
  FLタイム  1’50.357  1’50.363 (+0.006)

※ ストーナーの昨年のマシンはホンダRC211V
※ 最速タイム、平均タイムはコース後半の計測セクションのタイム
※ FLタイムはファステスト・ラップ・タイムのこと
※ ( )内はギャップ

え? 互角? 

・・・・・・・・・。


まぁ、あれだ。カピとマルコメがくるかもしんないし。

カピは今季ここまで不運が続いてたけど、ロッシなみにムジェロを得意にしてるから、ここで復調のきっかけを掴むかもしれないし、マルコメは250ccクラスで優勝経験があって、昨季は中盤までトップ・グループで走ってたからね。この2人がロッシ、ストーナーに絡んでくることは十分考えられる。


ということで、
チャンプ争いは接戦の方が面白いと言う期待感だけで本命ロッシとしておこう!
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by oretch | 2007-06-02 00:15 | MotoGP

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