2007年 08月 31日
【F1】第11戦 ハンガリーGP 結果&レビュー

前戦のアロンソvsマッサ以上の遺恨発生。いや実に面白いねぇ。

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今GPの最大の見せ場は、予選終了間際のマクラーレンのピット前でのこのシーン。
両雄並び立たず。マクラーレンの宿命、いま再び、ってか?
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レースは結局ハミルトンが制したけど、素直におめでとうとは思えない。
オレッチ的には、いまやハミルトンはちょいヒール。眉毛ガンバレって思えてきた。
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Grand Prix of Europe
@ Nürburgring, 22 July, 2007


<strong>■ Final Classification : 70Laps / Dry

[Pos.] # Driver (Nat.);     Const. Chassy; Tyre Time/Gap (Grid)
-------------------------------------------------------------
[ 1]  2 Lewis HAMILTON (GBR); McLaren MP4-22; BS  1:35’52.991 ( 1)
[ 2]  6 Kimi RAIKKONEN (FIN); Ferrari F2007; BS       +0.715 ( 3)
[ 3]  9 Nick HEIDFELD (GER); BMW Sauber F1.07; BS    +43.129 ( 2)
[ 4]  1 Fernando ALONSO (ESP); McLaren MP4-22; BS     +44.858 ( 6)
[ 5] 10 Robert KUBICA (POL); BMW Sauber F1.07; BS      +47.616 ( 7)
[ 6] 11 Ralf SCHUMACHER (GER); Toyota TF107; BS       +50.669 ( 5)
[ 7] 16 Nico ROSBERG (GER); Williams FW29; BS         +59.139 ( 4)
[ 8]  4 Heikki KOVALAINEN (FIN); Renault R27; BS     +1’08.104 (11)
[15] 22 Takuma SATO (JPN); Aguri SA07; BS             +1 Lap (19)

Race Leader

 Lap 1: 2 L.HAMILTON ; McLaren
 
 70 Laps - 2 L.HAMILTON ; McLaren

Pole Position

 2 Lewis HAMILTON (GBR); McLaren MP4-22; BS  1'19.781

Fastest Lap

 6 Kimi RAIKKONEN (FIN); Ferrari F2007; BS  1'20.047 @ Lap 70

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うおっしゃー! アロンソざまあああああああ!
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さぁF1らしくキナ臭くなってまいりました!
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■ Race Digest

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ハンガリーGP予選で、とんでもない騒動が勃発した・・・・・
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予選セッション最終の3Q。PPはマクラーレンの2台で争われていた。予選時間2分を切った時点でトップはハミルトン。逆転を期してアロンソは最後のタイヤ交換のためピットに。ハミルトンも最後にもう1回アタックしようとピットに戻ってきた。先にピットインしたアロンソがコース復帰のタイミングを図っている。ハミルトンはアロンソの後方にマシンを止めて待機。
いよいよ残り時間は1分半。コースがクリアになった。ロリポップマンがアロンソにGOサインを出す。アロンソ最後の出撃。
・・・・・のはずが、アロンソは動かない。もうスタートしていいのに動かない。後ろでハミルトンが待っているのに動かない。
どうしたアロンソ? トラブルか?
と思ったら10秒後にやっとスタート。猛然とコースに飛び出していく。ようやく空いたピット作業エリアにハミルトンが飛び込んでくる。もう時間が無い。急いでタイヤ交換して再びコースに戻っていく。

結局、アロンソは最後のタイムアタックに成功してPPゲット。ハミルトンはやっぱり最後のタイムアタックが間に合わず、2番グリッドに終わった。
ハミルトンのタイムアタックが時間切れと分かった瞬間。ピットボックスにいたロン・デニスは苦りきった顔でヘッドホンをコンソールに投げつけた・・・・・

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してやったりのアロンソ。モナコGP以来となる今季2回目のPPをゲット。
フロント・ローを独占して、普通ならご満悦のはずのデニスが、なぜか憮然とした表情・・・・・
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ハミルトンが最後のアタックができなったことが大騒動に発展。そんなに騒ぐことか?
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予選終了後、この出来事は当然のごとく一大騒動に発展。FIAもこの騒ぎを問題視し、なんとアロンソは5グリッド罰退、マクラーレンは今GPでのコンストラクターズ・ポイント剥奪という異例の処分を下した。アロンソもマクラーレンも当然この処分に猛反発したが、世間ではすっかりアロンソが悪者扱いに。2年連続王者はいろんな意味で窮地に立たされることになった。

ところがこの騒動には伏線があって、実は発端はハミルトンの側にあった。3Qセッション序盤、ピットから何度もアロンソを先行させるように指示が出たが、ハミルトンはこれを無視。予選終了間際には無線を通してデニスと激しい口調で罵り合いまでしていた。さらに、チーム内の問題にも関わらずFIAが余計な口を出してきたのは、ハミルトンの父親がFIAに告げ口をしたからという情報も出てきた。

そんなこんなで、フェラーリ勢が予選で振るわなかったこともあり(ライコは3番、マッサはチームの燃料補給忘れという信じ難いミスで2Qで脱落して14番グリッド)、世界中の目がマクラーレンの2台に注がれることになった。

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アロンソとマクラーレンに厳罰処分が下された。マクラーレン内部の問題なのに、なんで?
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実はコトの発端はハミルトンのチーム指令無視。しかもデニスと罵り合いまで。
ハミルトン「オレに指図するんじゃねー!」
デニス「二度とそんな生意気な口を利くんじゃねー!」
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予選の騒動に、マクラーレンの2台がコース上でどう決着をつけるのか?
世界中の注目を集めながら決勝レースがスタートした。

レースをリードしたのはPPスタートのハミルトン。1コーナーに真っ先に飛び込むと、そのまま後続を引き離すべくハイペースで飛ばす。それを追うのは3番グリッド・スタートのライコネン。スタート直後にハイドフェルトを抜き、ハミルトンと互角のハイペースで追撃する。2人はファステスト・ラップを叩き出しながら後続をグングン引き離していく。
アロンソはスタートが不調で一時8番手にまで後退するが、怒りに燃える王者は僅か4周で6番手にまで挽回してきた。
さぁここからアロンソの逆襲が始まるか?

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スタートで飛び出しのはPPスタートのハミルトン。
5グリッド罰退となったアロンソはちょっと出遅れる。
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序盤からハイペースでハミルトンがレースをリード。ライコネンがそれを追う。
2人はファステスト・ラップを出しながらの超ハイペース接近バトルを続け、
後続をグングン引き離していった。
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一時は8番手にまで落ちたアロンソだったが、
その後は怒りの猛追で徐々にポジションを挽回。
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・・・・・と期待したところで、ここは“抜けない”ハンガロリンク。勝負はレース序盤で、いや予選で既に着いていた。
その後は、ハミルトンとライコネンのギャップが多少伸びたり縮んだりする程度の変化しなく、例年のごとく、ただひたすら退屈なパレードが延々と続くレース展開。

結局、ライコネンが最終ラップにファステストを叩き出すなど最後まで粘ったものの、ハミルトンが逃げ切って今季3回目のファースト・チェッカー。ポイント・リードを更に広げることに成功した。
逆襲に燃えていたアロンソは4番手にまで浮上するものの、最後までハイドフェルトを攻略できずそのまま4位でフィニッシュ。コース上で予選の落とし前をつけることはできなかった。
タイトルを争うもう一人、14番グリッドからスタートしたマッサは途中スーパーアグリにブチ抜かれたりするなど精彩を欠いて、ポジションは僅か1つアップの13位フィニッシュ。ポイント・テーブルでライコネンに1点だけ逆転され4位に後退した。

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ライコネンは最後まで追い回したものの、ここは抜けないハンガロリンク。
結局ハミルトンが最後までミスなく、逃げ切った。
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ハミルトンはこれで、アロンソ、ライコネンと並ぶ3勝目。ポイントリードをさらに広げた。
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■ Point Standings

Driver

[ 1]  2 Lewis HAMILTON (GBR); McLaren 80pts.
[ 2]  1 Fernando ALONSO (ESP); McLaren 73pts. (-7)
[ 3]  6 Kimi RAIKKONEN (FIN); Ferrari 60pts. (-20)
[ 4]  5 Felipe MASSA (BRA); Ferrari 59pts. (-21)
[ 5]  9 Nick HEIDFELD (GER); BMW Sauber 42pts. (-38)
[ 6] 10 Robert KUBICA (POL); BMW Sauber 28pts. (-52)
[ 7]  3 Giancarlo FISICHELLA (ITA); Renault 17pts.
[ 8]  4 Heikki KOVALAINEN (FIN); Renault 16pts.
[ 9] 17 Alexander WURZ (AUT); Williams 13pts.
[10] 15 Mark WEBBER (AUS); Red Bull 8pts.
[15] 22 Takuma SATO (JPN); Aguri 4pts.

Constructor

[ 1] McLaren ; Vodafone McLaren Mercedes  138pts. *
[ 2] Ferrari ; Scuderia Ferrari Marlboro  119pts. (-19)
[ 3] BMW Sauber ; BMW Sauber F1 Team  71pts. (-61)
[ 4] Renault ; ING Renault F1 Team  33pts. (-105)
[ 5] Williams ; AT&T Williams F1 Team  20pts.
[ 6] Red Bull ; Red Bull Racing  16pts.
[ 7] Toyota ; Panasonc Toyota Racing  12pts.
[ 8] Super Aguri ; Super Aguri F1 Team  4pts.
[ 9] Honda ; Honda Racing F1 Team  1pt.

* 今GPのポイント剥奪処分を受けたがマクラーレンは控訴中。

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アロンソとは7点、フェラーリ勢とは20点差以上にまでリードを広げた。
史上初の新人チャンピオン、そして黒人チャンピオンの誕生がますます現実味を帯びてきた。
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ギクシャクしだしたマクラーレン内部。一昔前は内部不和はフェラーリのお家芸だったのにね。
ここ数年タイトルから遠ざかっちゃってて、チーム内部にストレス溜まってるのかな?
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■ Statistics and Notes

ポールポジション(PP)記録
  • L.Hamiltonが今季トップ・タイ、通算4回目のPPを獲得。M.Hawthorn(’58)、D.Pironiと並ぶ歴代44位タイに。同39位タイのG.Farina(’50)、K.Rosberg(’82)、C.Aimon、C.Regazzoni、P.Tambayが持つ記録「5」まであと「1」。
  • McLarenが今季5回目、ハンガリーGPでは2年連続6回目となる、通算130回目のPPを獲得。現在、歴代2位。同1位のFerrariが持つ最多記録「192」まであと「62」。

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本当はアロンソのものだったPP。なんかさぁ、ハミルトンってちょっと最近怪しくない?
なんか、全ての流れがハミルトンに都合よく動いているような?
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優勝記録
  • L.Hamiltonが今季トップ・タイ、通算3回目の優勝。M.Hawthorn、P.Hill(’61)、G.Fisichella、J.Herbertら8人と並ぶ歴代49位タイに。同45位タイのF.Massa、E.Irvine、B.McLaren、D.Gurneyが持つ記録「4」まであと「1」。
  • L.Hamiltonが今季トップ、通算3回目のポール・トゥ・ウィン(以下、P2W)。J.Rindt(’70)、R.Petersonと並ぶ歴代28位タイに。同21位タイのG.Hill('62、’68)、J.Surtees(’64)、E.Fittipaldi('72、’74)、K.Raikkonen、F.Massaら7人が持つ記録「4」まであと「1」。
  • McLarenが今季トップの6回目、ハンガリーGPでは2年ぶり、最多7回目となる、通算154回目の優勝。現在、歴代2位。同1位のFerrariが持つ最多記録「197」まであと「43」。

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順位変動が無くレース展開は単調だったけど、
2人のバトルはそれなりに見ごたえがあった。
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意外と仲良しな2人。
ライコの方がお兄さんのはずなんだけど、ハミルトンの方がしっかりしてる感じ。
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表彰台記録
  • L.Hamiltonが今季トップ、通算10回目の表彰台獲得。M.Trintignant、T.Brooksと並ぶ単独63位タイに。同61位タイのC.Amon、P.Tambayが持つ記録「11」まであと「1」。
  • K.Raikkonenが今季6回目、ハンガリーGPでは2年ぶり3回目となる、通算42回目の表彰台獲得。D.Hill(’96)と並ぶ歴代14位タイに。同13位のJ.Stewart('69、'71、’73)が持つ記録「43」まであと「1」。
  • N.Heidfeldが今季2回目、ハンガリーGPでは2年連続2回目となる、通算7回目の表彰台獲得。J.Trulli、J.Herbert、P.Rodriguez、L,Mussoと並ぶ歴代77位タイに。同72位タイのJ.Mass、P.Revson、L.Bandiniら5人が持つ記録「8」まであと「1」。

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抜けないハンガロリンクでポジションを挽回したのは流石だけど、
そもそも序盤の出遅れが勿体無かったね。
これでハミルトンとの勝負は4勝7敗。負けが込んできた。眉毛パワーで巻き返せるか?
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ハイドフェルトは今季大活躍だけど、意外なことに今回でようやくシーズン2度目の表彰台。
それだけマクラーレンとフェラーリの2チームが突出しているってことか。
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ファステストラップ(FL)記録
  • K.Raikkonenが今季トップ・タイの4回目、ハンガリーGPでは2年ぶり2回目となる、通算23回目のFLを記録。J-M.Fangio('51、’54-57)、N.Piquet('81、'83、’86)と並ぶ歴代7位タイに。同6位のN.Lauda('75、'77、’84)が持つ記録「24」まであと「1」。
    無冠ドライバーの歴代1位記録を更新(涙)。
    現役では、通算18回の2位D.Coulthardに「5」差をつけて1位。
  • Ferrariが5戦連続となる今季トップ8回目、ハンガリーGPでは2年連続、6回目となる、通算203回目のFLを記録。歴代1位の最多記録を更新し、同2位のMcLarenが持つ記録「132」との差を「71」に拡大。

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最終ラップにファステストをマーク。わざわざリスクを負ってまで、なぜ?
きっと、抜くに抜けないハンガロリンクに辟易して怒りのアタックを敢行したものと思われ。
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Notes
  • ドライバーズ・ポイント・ランキング首位のL.Hamiltonと同15位の佐藤琢磨のポイント差が、残り6戦で逆転不可能な60点差以上に拡大。今年も初の日本人チャンピオン誕生の夢はならず。
    ま、ハナから誰も期待してませんでしたが。


※記録は全て色んな資料をもとにOretchが集計したものなので正確性を必ずしも保証するものでは無いっす。
※記録は全て1950年代のアメリカGP(インディ500)のものを含む。
※各コンストラクターの記録は買収された前身時代を含まない。
※ドライバー名の後ろの( )内はチャンピオン獲得年。


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by oretch | 2007-08-31 02:15 | F1

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