2008年 02月 01日
【F1】スーパーライセンスというビジネス

恥ずかしながら、もう20年以上もF1ファンをやっていて全然知らなかった。
F1のスーパーライセンスって、前年成績によって発給料金が違ってたのね。

FMotorsports F1 : F1スーパーライセンス、大幅値上げか (2008/01/19)

英『オートスポーツ』誌が伝えるところによれば、2008年シーズンからF1ドライバーに不可欠のスーパーライセンス発給の料金が大幅に値上げされる見通しということだ。

これまでスーパーライセンスの料金について公にされたことはないが、同誌によれば2007年の場合、基本料が1,690ユーロ(約26万円)で、これに加えて前年のチャンピオンシップで獲得したポイントに応じ、1ポイントあたり447ユーロ(約7万円)を加えたものだったという。
FIAは2008年、これを一気に基本料が1万ユーロ(約156万円)、前年獲得したポイント1毎に2千ユーロ(約31万2千円)にまで引き上げるというもの。

これでいくと、110ポイントを獲得した2007年のチャンピオンであるキミ・ライコネンの場合、基本料1万ユーロに加えてポイントの加算分が実に22万ユーロで総額は23万ユーロ(約3千588万円)という巨額ライセンスになる。

(FMotorsports F1より抜粋引用)

FMotorsports F1 : 『スーパーライセンス値上げ』FIA会長、認める (2008/01/29

先に英誌が報じたF1スーパーライセンス発給料金の値上げの可能性について、FIAのマックス・モズレー会長がこれを認める発言をしている。

モズレー会長は「そもそもドライバーたちはF1に参戦することにより巨額の報酬を受けている。それにわれわれはこれをF1レースの安全性のために使うんだ。引き上げたからといって、何もバチは当たらないよ」と、涼しい顔だ。

110ポイントを獲得した2007年のチャンピオンであるキミ・ライコネンの場合、2007年は3万745ユーロ(約480万円)だったのに対し、2008年の料金は23万ユーロ(約3,588万円)という巨額のライセンスということになる。

(FMotorsports F1より抜粋引用)

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取れるところからトコトン搾り取ります
Photo © CRASHNET / Yahoo!ITALIA


ニュースは「ライセンス発給料金がスゲェ高い」というところにポイントが置かれているけど、オレッチは冒頭に書いた通り、前年成績に応じて料金が変わるという仕組みの方にまず驚かされた。
なんだか、税金の話みたいじゃない? 計算の基準が収入か成績かという違いはあるけど、成績の良し悪しが収入に結びついていることを考えると、やっぱり同じようなもんだよね。
頑張って良い成績をあげるほど、翌年の発給料金が高くなるなんて、まるで何かの罰ゲームみたい。

ハミルトンやコバライネンのように、昨年の好成績によって収入が増えたドライバーならともかく、フィジコにとっては完全に罰ゲームだよ(笑



でも、税金が所得に応じて課されるのが、「階層の固定化とそれに伴う社会の硬直化を阻止して、社会的な公平と活力をもたらすため」(wikipedia「富の再分配」の項より)であることを考えると、あるいは、F1界においても同じ道理を適用するのは良いことなのかもしれない。ドライバーが流動化することによって、チームの競争力が均等化していけば、レースはもっとエキサイティングになって、F1レース界全体が活性化されて・・・・・

―――いや、やっぱり全然違うか。むしろ逆だ。

今まではどうだったか知らんけど、これだけ高額になると、今後はチームがライセンス料を支払うようになるだろう。そうなれば、資金の少ない弱小チームは実績の少ないドライバーしか雇えなくなって、むしろドライバーの流動性は一層硬直化して不活性化しちゃうだろう。

ドライバーの流動性をあげようと思ったら、アメリカ3大スポーツ(MLB、MBA、NFL)のようにサラリーキャップ制を導入するしかないだろうねぇ・・・


それにしても、やっぱりライセンス発行料の高さは半端じゃないね。発行手続きにかかる事務手数料ぐらいは徴収されてるんだろうなとは思ってたけど、まさかこんなに高額だったとは想像もしてなかった。JAFのB級ライセンスの発行手数料は3,000円(交通費等の実費やJAF入会金などは除いて)だから、いくらF1のライセンスと言えども、せいぜい数万円程度だと思ってたよ。

まして、今までだって十分高額だったのが、また一気に高騰するってんだから、そりゃニュースになるわ。

来季のドライバー達のライセンス発行料を一覧にしてみた。

#カーナンバー ドライバー名 2007年得点 旧料金 → 新料金 増加額
-----------------------------------------------------------
#1  K.ライコネン   110点 804万円 →3,634万円 +2,830万円
#2  F.マッサ      94点 691万円 →3,128万円 +2,438万円
#3  N.ハイドフェルト 61点 458万円 →2,086万円 +1,628万円
#4  R.クビサ      39点 302万円 →1,390万円 +1,088万円
#5  F.アロンソ    109点 797万円 →3,602万円 +2,806万円
#6  N.ピケJr.      0点  27万円 → 158万円  +131万円
#7  N.ロズベルグ   20点 168万円 → 790万円  +622万円
#8  中嶋一貴      0点  27万円 → 158万円  +131万円
#9  D.クルサード   14点 126万円 → 600万円  +475万円
#10 M.ウェバー    10点  97万円 → 474万円  +377万円
#11 J.トゥルーリ     8点  83万円 → 411万円  +328万円
#12 T.グロック      0点  27万円 → 158万円  +131万円
#14 S.ヴェッテル    6点  69万円 → 348万円  +279万円
#15 S.ボーデ      0点  27万円 → 158万円  +131万円
#16 J.バトン       6点  69万円 → 348万円  +279万円
#17 R.バリチェロ    0点  27万円 → 158万円  +131万円
#18 佐藤琢磨      4点  55万円 → 284万円  +229万円
#20 G.フィジケラ    21点 175万円 → 822万円  +647万円
#21 A.スーティル    1点  34万円 → 190万円  +156万円
#22 L.ハミルトン   109点 797万円 →3,602万円 +2,806万円
#23 H.コバライネン  30点 239万円 →1,106万円  +867万円

※ 1ユーロ=158円で計算、1,000円以下は四捨五入

ライセンス発行料だけで約3,600万円!
首都圏に土地付き一戸建て買えるじゃん!


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「え? たかがライセンス代に3600万円とこれはいかに? 」
Photo © F1grandprix.it



ライセンス発行料はエントリーフィーみたいなもんでしょ。
エントリーするためだけでウン千万円って、どんだけ高いんだよ!? って話だよね。

スーパーライセンスって、こうなったらもう、免許というより投資だ。
相撲の親方株に毎年更新料が掛かるみたいなもん?


そりゃ確かにモズレーの言う通り、ドライバー達は巨額報酬を得ているだろうけどさ(そうじゃないのも大勢いる)、だからってライセンス発行のためだけにこんな大金搾り取ってりゃ、それなんて悪徳商売? って言われてもしょうがないよ、これじゃあ。
安全のために使うとか言ってるけど、そういう資金はもっと別の形で集めるべきだろうに。

何人かのドライバーが、すでにモズレーに宛てて文句の手紙をだしてるようだけど、そりゃドライバー達が怒ったとしても無理ないね。

こういうことやってるから、FIAは敵を作っちゃうんだよ。
懲りないね・・・




2007年のスーパーライセンス発行料(2006年の獲得ポイントと旧料金体系で計算)からの増減額を計算すると、バトンとバリチェロは新料金体系でも前年比マイナス(減額)になる。

なんか泣けてきた・・・
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by oretch | 2008-02-01 01:14 | F1

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