2008年 06月 12日
【MotoGP】2008年 Rd.5 フランスGP レビュー

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Photo © Yamaha Factory Racing


また一つ偉大な記録を達成したろっしふみ。
タイトル奪還にまた一歩近づいちゃったんじゃない?


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一方、王者ストーナーはよもやの失速で連覇に赤信号?
Photo © www.Moto-Love.com




 
 
伝統のサーキット、ルマンのショートコースは典型的な”ミッキーマウス・サーキット”(ストップ&ゴーのレイアウト)。エンジン・パワーとトラクションが肝のコースだからホンダやドゥカが有利かな? と思いきや、果たしてレースは予想外の結果になった。


■ Practice & Qualify Review

プラクティスから予選にかけてリードしたのはペドロサだった。初日のプラクティスで午前、午後ともにトップタイムをマークすると、接戦となった予選も制してPPをゲットした。
やっぱり小さな身体は加速に有利みたいね。

2番グリッドは昨年のPPゲッター、エドワーズ。エドワーズは比較的大柄だけど、それはそれでトラクションに有利なのか???

フロントロー最後の1枠はストーナー。前回中国GPでロッシとペドロサに完敗したけど、デスモGP8の改善にそれなりの手応えがあったとか言ってたし、今回は開幕戦以来の優勝狙ってきてるに違いない。タイトル防衛のためにも、もうこれ以上遅れをとるわけイカンしね。

中国GPで復活勝利をあげたロッシは2列目4番グリッド。前回勝って自信復活。この位置からでも余裕で優勝を狙ってくるだろう。

そして残るもう1人の今季ウィナー、手負いのロレンツォは5番グリッド。まだ怪我の癒えない状態で無理して走ったツケなのか、ロレンツォはプラクティス中にまたしてもクラッシュ。まさに満身創痍の状態で決勝レースに臨むことになった。

2列目最後の6番グリッドにはヘイデン。以下、トスランド、バーミュレン、ホプキンスと続く。
我らが中野は13番グリッド。今回も上位フィニッシュは難しそうだな・・・


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プラクティスで終始ペースをリードしたペドロサが今季初PPをゲット。
念願のタイトル獲得には、ここらでもう1勝欲しいところ。
Photo © Honda Motor Co.


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念願のタイトル獲得には、ここらでもう1勝欲しいところ。
決勝レースでは主導権を握れるか?
Photo © Honda Motor Co. / Motorsport.com


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2連覇に黄信号が灯っているストーナーは3番グリッド。
そろそろ反撃に転じないと、信号が黄色から赤色に変わっちゃうからね。
Photo © Ducati Corse / Motorsport.com


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ロッシは2列目4番グリッド。でも決勝レースには自信がありそう。
Photo © Yamaha Factory Racing


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ロレンツォは金曜と土曜に1回ずつ転倒。それでも5番グリッドを確保。
どんなに生意気でも、その根性は誰もが認めざるを得ないだろう。
Photo © Yamaha Factory Racing



■ Race Review

決勝レースは、うす曇の空の下(もと)スタートした。

シグナルが消えて、まず飛び出したのはいつものようにペドロサだった。ストーナー、エドワーズも好スタート。ロッシが若干出遅れて、ロレンツォはスタートに失敗した様子。
大きく回りこむ1コーナーを抜けてダンロップ・シケインに殺到する18台のMotoGPマシン。中間加速でグンと伸びたストーナーがホールショットをゲット。シケインの切り返しをストーナー、ペドロサ、エドワーズ、ヘイデン、トスランド、ロッシの順で立ち上がっていく。


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スタートで飛び出したのはペドロサとエドワーズ。
Photo © DPPI / www.Moto-Live.com


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加速の伸びで勝ったストーナーが先頭でシケインにアプローチ。
Photo © DPPI / www.Moto-Live.com


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ホールショットはストーナー。ペドロサ、エドワーズが続く。
ロッシは若干出遅れて、スタートに失敗したロレンツォは大きくポジションを落とした。
Photo © Bridgestone / Motorsport.com



激しくポジションを入れ替えたオープニングラップを終えて、各マシンがホームストレートに帰ってきた。先頭はストーナー。2番手ペドロサ、3番手エドワーズ、以下、へイデン、ロッシ、バーミューレンの順で2周目に突入する。
満身創痍のロレンツォは10番手にまで順位を落としている。ちょっとこの先、キビシそう。

トップに立つストーナーはペースを上げて逃げようとする。が、2番手ペドロサがテールに貼りついて離れない。後方ではロッシが2周目にヘイデンをパスして4番手に浮上。さらに前を行くエドワーズとの間を詰める。5番手へイデンとはすぐに1秒の差がついた。

先頭グループのペースが徐々に上がり始めた4周目、ロッシが左に回りこむヘアピンの5コーナーでエドワーズをパスした。3番手に浮上。さらに勢いのついたロッシは、続く右のヘアピンでペドロサもパス。早くも2番手にまで上がってきた。
しかしペドロサも負けてない。続くS字の入り口ですぐさまロッシを抜き返す。ところが次のS字の切り返しで再びロッシがペドロサの前に出た。

序盤から激しくやりあうの~。でも、下りながら回り込む難しい5コーナーや得意のS字の切り返してズバっとペドロサを差すあたり、ロッシは今日はかなり調子が良いみたい。

  _   ∩
( ゜∀゜)彡 フレ、フレ、ロッシ!!
 ⊂彡

このままストーナーもブチ抜いたれ!


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スタートで出遅れたロッシは1周目にトスランドをパス。
続く2周目にヘイデンもパスして4位に。
Photo © motogp.com


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4周目、まず5コーナーでエドワーズを抜いて3位にポジション・アップ。
そして続けざまにペドロサに仕掛け、抜き抜かれつのバトルの末、2位にまで浮上した。
Photo © DPPI / www.Moto-Live.com


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先頭ストーナーを、ロッシ、ペドロサ、エドワーズが追いかける。
Photo © motogp.com



ストーナー、ロッシ、ペドロサ、エドワーズの4台からなる先頭グループが団子状態のまま、レースは序盤を過ぎて中盤戦に。

後続を突き放したいストーナーだけど、なかなかペースが上がらない。ラップタイムは34秒台後半。逃げるどころか、徐々にロッシからのプレッシャーがキツクなってきた。

テールに貼りついてじっくりとストーナーの走りを観察するロッシ。こうなると、もはやストーナーは蛇に睨まれた蛙。
遂に8周目、狙い澄ましたように、ロッシがペドロサを抜いた時と同じ5コーナーで仕掛けた。今回もまたスルスルとマシンがイン側に吸い寄せられたかと思うと、あっさりとストーナーを仕留めて、このレースで初めてトップに立った。

トップに立ったロッシはここから一気にペースアップ。タイムを34秒台前半に上げて、後続を引き離しにかかる。ロッシとストーナーはたちまち1秒以上にまで広がった。

これに慌てたのが3番手のペドロサ。このままストーナーにブロックされているとロッシに逃げられてしまう。10周目、2つ目のS字から最終コーナーにかけてストーナーをようやくかわすと、先頭のロッシを追いかけはじめた。

でも今回はロッシの走りが冴えていた。
直後の11周目にファステスト・ラップを叩き出して、いきなりペドロサを突き放すと、その後も唯一人34秒台前半のタイムを連発して徐々にギャップを広げ、わずか3周でペドロサとの間に3秒の差を築くことに成功した。

勝負は決した。この後レースは、ロッシの独走状態になった。

よっしゃ━━щ(゜Д゜щ)━━!!!! このレースもいただきじゃ!

一方、後方の中団グループでは、序盤出遅れた手負いのロレンツォが徐々にポジションを回復。1台、また1台とかわして、6番手にまで浮上してきた。
5位バーミューレンとは2秒以上差があるけど、この勢いからすると追いつけるかもしれない。


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2番手ロッシが先頭ストーナーをピタリとマーク。
ストーナーの走りをじっくりと観察しながら、プレッシャーをかける。
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得意の5コーナーでストーナーを仕留めたロッシがトップに浮上。
一気にペースを上げて後続を引き離しにかかる。
Photo © Yamaha Factory Racing


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ロッシを逃がしたくないペドロサがストーナーを抜いて2位に浮上。
ロッシ追撃体制に入る。
Photo © DPPI / www.Moto-Live.com


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が、今日のロッシは絶好調! ファステストを叩き出して後続を突き放し独走状態に。
Photo © Bridgestone Corp. / Motorsport.com


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後方では手負いのロレンソが徐々にポジション回復。6番手にまで上がってきた。
Photo © Crescent Suzuki / Motorsport.com



レースは折り返して、15周目に入った。この時点の順位は、先頭ロッシ、3秒離れてペドロサ、ストーナー、エドワーズの2位グループが続き、さらに1.5秒後方で、5位バーミューレンと6位ロレンツォがバトルをしている。
ロレンツォすげぇなぁ。よくここまで追いついてきたもんだ。

と、ここで俄かにサーキット全体に緊張が走った。

雨だ。

コースの一部が濡れ始め、一部の中継カメラにも雨粒が映っている。ホームストレートでホワイトフラッグが出され、各チームのピット前にはウェット用マシンが並べられた。

うぇ~、最悪だ・・・。去年に続いてまたもレース途中の雨。
フラッグ・トゥ・フラッグ・ルールが大っ嫌いなオレッチには最悪の展開だ・・・・ ('A` )

・・・・・と思いきや、後続のライダーが皆慎重になって、タイムを38~39秒台に落とす中で、ロッシだけは36秒台をキープ。雨の混乱に乗じて後続とのギャップをさらに拡大することに成功する。
ロッシすげぇ!

もう1人、この雨をチャンスに変えたライダーがいた。ロレンツォだ。
15周目にバーミューレンを抜いた後、雨のために全体のペースが下がる中で比較的ハイペースを維持し、瞬く間に2位グループに追いついてしまった。
ロレンツォもすげぇな・・・


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レースは後半戦に突入。ロッシが依然としてハイペースで独走する。
Photo © Yamaha Factory Racing


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16周目、突然の雨。サーキットが俄かに緊張に包まれた。
ホワイトフラッグが振られて、ピットにはウェット用マシンが並べられた。
Photo © DPPI / www.Moto-Live.com


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オレッチの心配をよそに、ロッシはこの雨を利用してさらに独走状態を固めることに成功。
こういう難しい状況でこそ、地力の差が出るってもんよね。
Photo © Bridgestone Corp. / Motorsport.com


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ロレンツォも雨に乗じて前を行くエドワーズとの差を一気に短縮。2位グループに追いついた。
なんなんだコイツは?
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幸い雨はそれ以上激しくなることはなく、雨雲は晴れて路面は次第に乾いてきた。
レースは終盤に突入し、各ライダーも元のペースを取り戻して、アチコチでドッグファイトが再び始まった。

ここで再びレースが大きく動く。

ロレンツォがエドワーズを抜いて4位に浮上した直後の21周目、なんとストーナーが突然スローダウン!
マシントラブルだ!!

ストーナーはその後、自力でピットに戻ってウェット用マシンに乗り換え、再びレーストラックに復帰したが、順位は最下位にまで落ちてしまった。もはや挽回は不可能。ストーナー乙・・・

さらにストーナーが脱落した直後、ロレンツォがペドロサを抜いて遂に2位にまで浮上。さらにさらに翌22周目、エドワーズもペドロサをかわして3位に。これでヤマハが1-2-3体勢!

レース終盤でまさかのヤマハ大爆発!


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21周目、ホームストレートでストーナーが突然スローダウン!
最下位に落ちたものの、それでもポイント目指してレースに復帰。エライ!
Photo © DPPI / www.Moto-Live.com


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ロレンツォが2位、エドワーズが3位に上がってヤマハ1-2-3!
ルマンでヤマハってこんなに強かったっけ?
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トップのロッシは後方の動きなど我関せず。
2連勝に向けて余裕のクルージング。
Photo © motograndprix.it



結局、8周目にトップに立ったロッシがその後一度も脅かされることなく独走し、最後は余裕のペースダウン。中国GPから2戦連続となるファーストチェッカーを受けた。
ロッシの2連勝は2年ぶりだ。

ロッシはこれで125ccクラス時代から合わせてGP通算90勝目。”小さな巨人”アンヘル・ニエトと並ぶ、GP史上歴代2位の大記録を達成したロッシは、フィニッシュラインを超えたところで突如コースサイドから現われたアンヘル・ニエト本人とYZR-M1にタンデム乗りすると、この大記録達成をアピールする「90+90」と大きく書かれたフラッグを振ってウィニングラップを回った。

今日のために特別に仕立てられたと思われるニエトの黒いライディング・スーツには、胸の部分に「BRAVO VALENTINO 90」の文字。

また一つ、ロッシが歴史を作った。

BRAVO VALENTINO!

それにしても、ニエトにこんな準備させておいて、もし今日勝てなかったらどうするつもりだったんだろうね?


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中盤から独走したロッシは最後は余裕のペースダウン。
最終ラップ、最終コーナーを立ち上がったところで後方を確認し・・・・・
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そしてフィニッシュ! 今季2回目のファースト・チェッカー。
そしてニエトと並ぶ歴代2位の大記録、通算90勝目に到達。
Photo © DPPI / www.Moto-Live.com


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コースサイドから突如ニエト本人が現われた!
ロッシが終盤ペースダウンしたのは、ニエトの準備のためだったのかね?
Photo © DPPI / www.Moto-Live.com


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2人の偉大な記録「90+90」のフラッグを誇らしげになびかせながらウィングラン。
また一つ、ロッシがWGPの歴史に偉大な1ページを加えた。
Photo © Yamaha Factory Racing



ロッシに続いてロレンツォが2位、エドワーズが3位でフィニッシュ。ヤマハが2001年以来7年ぶりとなる1-2-3フィニッシュをキメた。

ペドロサは最後は力尽きて、エドワーズから3秒遅れて4位フィニッシュ。ポイントでロッシとロレンツォに逆転され、チャンピオンシップ・リーダーの座を明け渡すことになった。

以下、5位にバーミューレン、6位ドビツィオーゾ、7位カピロッシ、8位へイデン、9位プニエと続き、我らが中野はまたしても10位だった。

終盤にマシントラブルで脱落したストーナーは結局2周遅れで16位フィニッシュ。ポイント獲得はならなかった。
ポイント首位に立ったロッシとの差はこれで41点にまで拡大。タイトル防衛は、黄信号から赤信号に変わってしもうたんじゃないかな・・・?


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ロレンツォが2位、エドワーズが3位に入ってヤマハが1-2-3フィニッシュ!
Photo © DPPI / www.Moto-Live.com


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「正直なところ、今日はここまで速く走れるとは思っていなかった。
でも決勝ではYZR-M1+ブリヂストンが終始素晴らしい働きをしてくれたんだ。
雨が降り出したときには‘まずい!’と思ったけれど、とにかく落ち着いて、優しく走るように心がけた。
ヤマハはこの3ヵ月で素晴らしい仕事をしてくれた。今日は思う存分レースを楽しむことができた。」
Photo © DPPI / www.Moto-Live.com, Text © Yamaha Factory Racing


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「ニエトの記録に並べたことは、僕にとっては夢のようなこと。
彼が特製レザースーツを着て待っていてくれたから、どうしても勝たなければならなかったんだ。」
やっぱりね(笑
Photo & Text © Yamaha Factory Racing


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ヤマハの表彰台独占は2001年以来7年ぶり。
普段は冷戦状態のロッシとロレンツォも今日は仲良くハイ、ポーズ!
Photo © Yamaha Factory Racing


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2連勝で遂にポイント・テーブルのトップに浮上。
3年ぶりのタイトル奪還に向けて、今日の勝利でますます自信を深めたはず。
Photo © Yamaha Factory Racing




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次のムジェロもいただくぜ!
Photo © Yamaha Factory Racing

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by oretch | 2008-06-12 00:57 | MotoGP

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