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2005年 05月 22日
【MotoGP】第4戦 フランスGP レビュー
http://it.sports.yahoo.com/050515/21/862f.html[Photo : crash.net]


二人だけの戦い

エドワーズが飛び出し、やや出遅れたロッシとジベルノウがそれを追う展開でレースは始まった。

中盤に入ってエドワーズに追いついたロッシ。
ノれているエドワーズを後ろから見ていると、ジベルノウも追いついてきた。
エドワーズを抜きにかかるロッシ。ミス。ジベルノウに抜かれる。
じっくりとジベルノウの走りを観察したあと、狙い済ましたようにジベルノウをパス。
さらにエドワーズもパスして逃げにかかる。
ジベルノウもすかさずエドワーズをパス。ロッシを追いかける。
残り8周。二人だけの戦いが始まる。

逃げるロッシ。追うジベルノウ。
逃げ切れないロッシ。追い詰め切れないジベルノウ。
ポジションが入れ替わることも無く、差が開くことも無く、残り周回数だけが淡々と減っていく。
表面上の変化は何も無いのに、観る者の息が詰まってくる。
静かで熱い二人だけの攻防。

最終ラップ。差は依然としてコンマ数秒。
得意の左ヘアピンでジベルノウが差を詰める。でも抜けない。
右複合。S字。逃げるロッシ。追うジベルノウ。
そして二人だけの戦いは、逃げ切ることに成功したロッシが
先にフィニッシュラインに飛び込んで決着した。
ロッシは最終ラップにファステストラップを記録する。
全身で喜びを表すロッシに、巨大なグランドスタンドを埋め尽くした大観衆が沸く。

ダンロップコーナーの先、シケインの手前。
フィニッシュ後にようやく追いついたジベルノウを確認し、手を伸ばすロッシ。
一瞬の戸惑いを見せた後、遠慮がちにその手を握るジベルノウ。
ナイス・ファイト。
ナイス・レース。

http://it.sports.yahoo.com/050515/21/85rh.html
[Photo : crash.net]


HRCの病気再発

ビアッジ5位。ヘイデン6位。HRCの本家レプソル勢は、ロッシと戦うどころか、サテライトのテレフォニカ勢にも追いつけない状況が続いている。
どうやらHRCの病気は深刻らしい。
HRCの病気はこれが初めてじゃない。過去3度あった。
燃え尽き症候群に陥ったスペンサーを失った1988年。ローソンが再びヤマハに帰ってしまった1990-1991年。そして、ドゥーハンが引退した2000年の3回だ。いずれも、大エースを失ったすぐ後の時期という点で共通している。つまり現在は、ロッシを失ったことが引き金となった4度目の再発ということになる。
HRCのポリシーは「誰が乗っても速いマシンを造る」こと。あくまで技術主導の思想を持っている。技術主導は、ともすればエンジニアの独善に陥る。圧倒的な技術を誇るホンダ技術陣に常に内在するリスク。
大エースがいる間は、「いかに速く走るか」という同じ目的を共有しながら、「いかに自分の好みに仕上げるか」という視点で己の感性に頼る大エースと、「いかに優れた技術を生み出すか」という視点で論理に拘る技術陣との間に絶妙のバランスが生まれ、それが他を圧倒する競争優位を生み出す。ところがそのバランスが崩れたとき、内在するリスクが顕在化する。
恐らく今期のアーヴのHRC入りは、そのリスクを認識した上でのヘッジ策だったんだろう。だけどまだその効果は出ていない。
考えてみれば、HRCが過去にこの病を患ったときは、いずれも次の大エースが特効薬になった。1度目はローソン、2度目は成長したドゥーハン、そして3度目はロッシ。
はたしてビアッジはHRCの特効薬となりえるのか?
・・・・・今のところ、キビしそうだなぁ。
フランスでは痛みを押して意地の5位。
「アドレナリンと、リザルトへの願望が信じられないほど後押しをしてくれた」。
これからもアドレナリン噴き出しまくってがんがれビアッジ!

http://it.sports.yahoo.com/050515/21/85em.html
[Photo : crash.net]


それにしても、ヘイデンそろそろヤバくないか?

ジャック、タマヤン そのほか

ジャック、期待してたんだけどなぁ。残念。でもカワサキが3台目を用意するとかしないとか。期待してるぞ。

タマヤンは走りたかったろうけど、無理しちゃ元も子も無い。次のムジェロまでは3週間もある。しかもムジェロは得意なコース。完全復活の日は近い!

決勝はマシンの不調であまりいいところ無かった王子だけど、予選でロッシと僅か1秒差の6位というのは素晴らしかった。ZX-RRのポテンシャルは確実にアップしている。ランキングも依然として7位と好位置。まだまだ巻き返せるぞ。

250ccクラスはペドロサが2勝目。ポイント首位にも返り咲いた。ドビも連続表彰台と活躍するものの、4ポイント差の2位陥落。二人のチャンピオン(ドビは125cc)による戦いはなかなか面白いぞ。青山と高橋もガンバレ!


http://it.sports.yahoo.com/050515/21/8632.html
[Photo : crash.net]



次戦はイタリアGP。ロッシが目下3連勝中と大得意とする地元ムジェロ。
イヤな流れを脱したジベルノウが、ロッシの地元で反旗を翻すのか?
フランスで見せてくれたナイス・ファイトがまた見られますように!
by oretch | 2005-05-22 21:39 | MotoGP

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