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2005年 08月 31日
【Model-Car】ロッシのカローラWRC
昨年のオフシーズンにロッシがモンツァ・ラリーで乗ったAliceカラーの「カローラWRC」。
ixoから1/43モデルがリリースされたので近所のお店でゲット。そういや2003年に乗ったナストロ・アズーロ・カラーのカローラWRCもあったっけ。まだお店に残ってたカナ?

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Toyota Corolla WRC #46 "Alice" V.Rossi Monza Rally 2004


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カメラがもう古いのかな?なんかピントが合わない


さて2004年バージョンのロッシ・カローラWRC。
なんと言ってもAliceカラーがとってもキレイ(なんかポール・スミスみたい)。とても1997年生まれの古い車に見えない。ま、日本では馴染みの無いヨーロッパ現地仕様のカローラがベースだから、日本人には新鮮に見えるだけかもしれないけれど。
リアクォーターガラスのドライバー名のステッカーを張る場所には、WGPファンならお馴染みの「The DOCTOR」の文字。そしてもちろんカーナンバーは「46」!

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こちらは昨年のモンツァ・ラリーでロッシが駆った実物。ん?微妙になんか違う・・・
[Photo : motogp.com]






カローラWRC 主要諸元  ※出典:WRC LAND.COM

 全長 :4,100mm
 全幅 :1,770mm
 全高 :1,385mm
 ホイールベース :2,465mm
 車両重量 :1,230kg
 エンジン :3S-G型 直列4気筒2カム16バルブ・ターボ
 排気量 :1972
 最高出力 :300bhp/5700rpm
 最大トルク :52kg-m/4000rpm
 駆動方式 :4WD
 デフ :フロント/センター/リア全アクティブ
 トランスミッション :6速シーケンシャル
 サスペンション :フロント、リア共オーリンズ製マクファーソンストラット


カローラWRCの主要戦績

 マニュファクチャラーズ・チャンピオン 1回 (1999年)
 WRC優勝 4回
   1998年 第1戦 モンテカルロ・ラリー(C・サインツ)
   1998年 第5戦 カタルニア・ラリー(D・オリオール)
   1998年 第9戦 ニュージーランド・ラリー(C・サインツ)
   1999年 第11戦 チャイナ・ラリー(D・オリオール)


大雑把なトヨタWRCの歴史とカローラWRC

ロッシが昨年乗ったカローラWRカーは、トヨタ最後のワークス・ラリーカー。

トヨタのWRCの歴史は古く、初優勝はWRCが生まれた年の1973年。シリーズ第11戦としてアメリカで開催された「Press-on-Regardless Rally」だった。
この時優勝したWalter Boyceの駆ったマシンはTE20型のカローラ。つまり、トヨタWRCの勝利の歴史はカローラに始まりカローラに終わっているということになる。

トヨタはそれまで、ケニアなどの特殊なイベント中心に参戦していたが、その後、現在トヨタF1の指揮を執るTMG相談役のオベ・アンダーソンとともに、TMGの前身(TTE)の前身となるチームを創設してWRC参戦を本格化。1975年第7戦、1000湖ラリー(フィンランド)では、日本車として初めて本場ヨーロッパ・ラウンドで優勝を飾る。

グループB時代はヨーロッパ製のモンスター・マシン軍団に苦戦するものの、その後グループA時代に移行すると、セリカ・ベースのマシンを武器に一躍WRCのトップ・マニュファクチャラーとして台頭。カルロス・サインツ、ユハ・カンクネンといった超一流ドライバーらとともに、ドライバーズ・チャンピオンとマニュファクチャラーズ・チャンピオンをそれぞれ2度ずつ獲得する。

ところが、1995年にトヨタはとんでもないことをやらかした。

前年から投入したST205型セリカが思うような成績を残すことができず苦しんでいたトヨタは、リストリクターというパワーを抑制するための重要なパーツに規定違反の改造を施していたことが発覚。これを悪質と判断したFIAにより、95年の全ポイント剥奪と、同年の残りラウンドと翌96年の全戦出場停止という厳罰が下される。(この汚点を隠すためなのか、トヨタのWEBサイトにはWRCのダの字もありゃしない)

この事件によってトヨタはWRC活動を一旦休止するが、マシンのレギュレーションがWRカー仕様に移行した97年に性懲りも無くWRCに復帰。この時、名誉挽回を期するトヨタが送り出した最初で最後のWRカーが、ロッシが乗ったこのカローラWRC。
ホントは載せちゃいけないエンジンを特例で載っけさせてもらったカローラWRCは、翌98年の初戦モンテカルロ・ラリーで、天才サインツのドライビングによって早くも復帰後初優勝を達成。さらにニュージーランドと中国でも勝って、復帰早々にマニュファクチャラーズ・ランキングで2位に入る。ここらへんはさすがトヨタの底力か。
さらに翌99年は、サインツとオリオールという2人のチャンピオン・ドライバーのシュアなドライビングによって、3度目のマニュファクチャラーズ・チャンピオンの獲得に成功する。

しかし、トヨタは翌年からF1に参戦するためにWRCをこの年限りで撤退。結果、このカローラWRCが、数々の栄光(と汚点)を記したトヨタWRC活動の最後の一花となったのでした。

トヨタのワークス活動は以上の通り99年で終わってしまったけども、素性のよくできたカローラWRCはその後カスタマー・マシンとして、プライベーターの手によって今もなお多くのラリーに参加している。
昨年モンツァ・ラリーでロッシが駆ったカローラWRCは、その中の1台ということですな。遊びで乗るにしては、実は凄いポテンシャルを持ったマシンなのであった。

※トヨタのWRCの歴史を纏めるにあたっては、手元のWRCデータと下記のサイトを参考にしました。
 WRC LAND.COMさん http://www.wrcland.com/index.htm
 モータースポーツ大辞典さん http://www.y4su0.com/
 GT4日記さん http://ghostrider.tblog.jp/?eid=13124

http://www.tte.de/
WRC時代のカローラWRC。オリオールのインカット劇走!
[Photo : TTE]


http://www.tte.de/
サインツも跳ぶ!
[Photo : TTE]



1998年はイベントごとにカローラWRCのカラーリングが違っていた。TTEのWEBサイトにはその時のカラーリングの一覧がイラストで紹介されている。

僅かな仕様違いにも拘るコレクターの多いモデルカー業界は、当然全カラーリングモデルを網羅して製品化した。いい商売ですな。ま、そのおかげで数が相当出回って、ヤフオクなんかではカローラWRCは叩き売り状態だから、仕様違いに無頓着なオレッチは安くゲットできて助かるよ。
by oretch | 2005-08-31 23:51 | ホビー

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