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2005年 09月 24日
【WRC】第12戦 ラリーGB 結果/レビュー
Wales Rally GB @ 2005/9/16-18

Result

[1] 5 P.Solberg (NOR) / P.Mills (GBR) - Subaru Impreza WRC  2:45'57.8
[2] 2 F.Duval (BEL) / S.Smeets (BEL) - Citroen Xsara WRC  +1'17.4
[3] 1 S.Loeb (FRA) / D.Elena (FRA) - Citroen Xsara WRC  +1'17.9
[4] 9 H.Rovanpera (FIN) / R.Pietilainen (FIN) - Mitsubishi Lancer +1'29.4
[5]18 M.Stohl (AUT) / I.Minor (AUT) - Citroen Xsara WRC  +2'35.0
[6] 4 R.Kresta (CZE) / J.Tomanek (CZE) - Ford Forcus WRC +3'17.3
[7]12 C.McRae (GBR) / N.Grist (GBR) - Skoda Fabia WRC +3'30.4
[8]17 M.Higgins (GBR) / B.Thomas (GBR) - Ford Focus +3'40.9

Point Table

Driver

[ 1] 1 S.Loeb (FRA) Citroen  99pts.
[ 2] 5 P.Solberg (NOR) Subaru  65pts.(-34)
[ 3] 7 M.Gronholm (FIN) Peugeot  61pts.(-38)
[ 4] 8 M.Martin (EST) Peugeot  53pts.
[ 5] 3 T.Gardemeister (FIN) Ford  47pts.
[ 6] 9 H.Rovanpera (FIN) Mitsubishi  27pts.
[ 7] 2 F.Duval (BEL) Citroen  24pts.
[ 8] - M.Stohl (AUT) Citroen  16pts.
[ 8] 4 R.Kresta (CZE) Ford  16pts.
[10] 2 C.Sainz (ESP) Citroen  11pts.

Makes

[1] Citroen / Citroen Total  137pts.
[2] Peugeot / Marlboro Peugeot Total  117pts.(-20)
[3] Ford / BP Ford World Rally Team  77pts.
[4] Subaru / Subaru World Rally Team  73pts.
[5] Mitsubishi / Mitsubishi Motors Motorsports 54pts.
[6] Skoda / Skoda Motorsport  12pts.


http://rally.racing-live.com/en/
プジョー#8のマルッコ・マーティン(右)とマイケル・パーク(左)組。
[Photo : Rally-Live.com]


WRCが暗黒に包まれた日。

マーティン車事故でコ・ドライバーのM・パーク他界

レグ3SS15のスタート直後、プジョーのマーティンが高速左コーナーでコースオフして立ち木に激突。コ・ドライバーのM.パークが即死した。

パークの遺された家族、妻のマリーさんと2人の子供、ヴィクトリアとウィリアムズからのメッセージが伝えられた。
「世界ラリーの関係者や、英国をはじめとする世界中の方々、中でもエストニア(ドライバーのマーティンの母国)の方々からの温かい言葉や愛情と支援にお礼を申し上げます。一人一人にお応えすることはできませんが、この困難な時に寄せてくれた真に温かいお心遣いに感謝します。」
(crash.net)

http://rally.racing-live.com/en/
[Photo : RALLY-LIVE.com]


http://rally.racing-live.com/en/
[Photo : RALLY-LIVE.com]


ラリーの展開

今年のラリーGBは、地元の英雄コリン・マクレーがシュコダからエントリーしたことで大盛り上がりで始まった。

http://it.sports.yahoo.com/050902/21/afre.html
[Photo : Yahoo!ITALIA / crash.net]


チャンピオンに王手をかけたローブは、スピンやサービスアウトが遅れたペナルティなどでドタバタしたために、レグ1終了時点で2位ソルベルグに10秒弱に詰められたものの、これまで通りの横綱相撲を展開。レグ2に入ると6連続でSSベストをマークしてギャップを40秒以上にまで拡大。あっさりと勝負を決めた。
ラリーGB4連覇でなんとか復活の兆しを掴みたいソルベルグだったけど、ミシュランとピレリの性能差はいかんともしがたく、今回も2位キープがやっと。
グロンホルムはSS2のブレーキトラブルで一時は総合19位まで落ちるものの、その後驚異の追い上げでレグ2終了時点で総合3位にまで復活してきた。
4位にはドイツで好調だったデュバルがつけ、以下、5位にロバンペラ、6位にマーティンが続いた。

そしてレグ3。SS15で冒頭の悲劇が起こった。

プジョーは事故をうけてラリーGBから途中撤退することとし、グロンホルムはリタイアした。ラリーGB自体も残る二つのSSをキャンセルして中止され、セレモニーも全てキャンセルされた。

http://it.sports.yahoo.com/050919/21/aube.html
チームメイトの悲報に茫然自失になったグロンホルム
[Photo : Yahoo!ITALIA / crash.net]


総合1位だったローブは、総合3位につけていたグロンホルムがリタイアしたことで、そのままフィニッシュすれば今季のチャンピオンが決定するところだったが、こうした事態の中でのチャンピオン獲得は避けたいとして意図的にペナルティ(タイムコントロール早着)を受け、総合2位だったスバルのソルベルグが繰り上がって優勝することになった。

ラリー終了後、選手達は表彰台の前に整列し、亡くなったパークのために黙祷を捧げた。

ソルベルグにとって辛いラリーGB4連覇

パークの悲報を聞いた選手たちの受けた衝撃はどれほどのものだったんだろう?
パルクフェルメで沈痛な面持ちで言葉を交わし合う選手たちの様子を伝える写真を見ると、選手たちの受けたショックの大きさが分かる。クサラのドア越しに、ローブと話し込むソルベルグの姿も見られた。

http://it.sports.yahoo.com/050919/21/aubb.html
[Photo : Yahoo!ITALIA / crash.net]


http://rally.racing-live.com/en/
ローブと話し込むソルベルグ
[Photo : RALLY-LIVE.com]


ソルベルグとしては、こんな形でラリーGB4連覇が達成されたことは勿論本位じゃないだろう。亡くなったパークとはチームメートだったこともある(2001年)。勿論、今頃誰よりもショックを受けているマーティンもチームメートだった。
ローブがここでチャンピオンになりたくない、という気持ちも分かる。決して自分本位な判断だとは思わない。チャンピオンにはローブ一人でなれるわけじゃない。チームスタッフは勿論、多くの人たちのサポートを受けてきたのだから、そういう人たちのためにもチャンピオン獲得を祝いたいというのは当然の気持ちだ。だけど、遺されたパークの家族や近しい人たちのことを思えば、とてもチャンピオン獲得を祝うことなんてできない。

http://it.sports.yahoo.com/050916/1/arek.html
チャンピオン決定を避けたローブ
[Photo : Yahoo!ITALIA / Associated Press]


シトロエンは事前に他のチームから合意を取って、ローブのポイントを無効にしてもらうようFIAに働きかけたが、FIAがこれを認めなかったために、こういう形を取ったとのこと。
ソルベルグやスバルにすれば困惑しただろうけど、ソルベルグはローブととても仲がいいから、そうしたローブの気持ちをきっと汲み取ってあげて、こういう形での優勝を受け入れたんだろう。

WRCはこの2人のように選手達の仲がいい。それがF1とは違う、WRCの良さでもあるんだけど、それだけに、選手たちの受けた衝撃の大きさを考えると、ファンとしてもとても辛い気持ちになる。

ラリー・ジャパンについて

当初、プジョーは今シーズの残り全イベントをキャンセルするのではないかという観測があったけど、ラリー・ジャパン出場を発表した。だけど当然、マーティンは出場しない。代わりにD.カールソンの出場が発表されている。

今年のラリー・ジャパンには、昨年は出場しなかった三菱、シュコダも参加するので、6ワークスが全て揃う。
イギリスでチャンピオンを一時保留したローブは、日本で3位以上ならチャンピオンが決定する。チャンピオン決定はほぼ間違いない。今季、メキシコ以降ローブの後塵を拝し続けたソルベルグも、フィンランド・ラリー前に行ったテストで見つけたお気に入りの新サスペンションが投入される予定で、ラリー・ジャパン連覇を当然狙っている。ソルベルグが勝ち、ローブがチャンピオンを決めるという歴史的なシーンが見られるかも知れない。

亡くなったパークへの手向けに、今年のラリー・ジャパンも大いに盛り上がって欲しい。




LEG 1

Stage Winner

 [SS01] 7 M.Gronholm / Peugeot
 [SS02] 9 H.Rovanpera / Mitsubishi
 [SS03] 1 S.Loeb / Citroen
 [SS04] 1 S.Loeb / Citroen
 [SS05] 7 M.Gronholm / Peugeot
 [SS06] 7 M.Gronholm / Peugeot

Leg Result

 [1] 1 S.Loeb / Citroen +1:18'02.0
 [2] 5 P.Solberg / Subaru +9.9
 [3] 9 H.Rovanpera / Mitsubishi +21.6

LEG2

Stage Winner

 [SS07] 1 S.Loeb / Citroen
 [SS08] 1 S.Loeb / Citroen
 [SS09] 1 S.Loeb / Citroen
 [SS10] 1 S.Loeb / Citroen
 [SS11] 1 S.Loeb / Citroen
 [SS12] 1 S.Loeb / Citroen
 [SS13]17 M.Higgins / Ford

Leg Result

 [1] 1 S.Loeb / Citroen +2:15'02.7
 [2] 5 P.Solberg / Subaru +44.7
 [3] 7 M.Gronholm / Peugeot +1'29.8

LEG 3

Stage Winner

 [SS14] 7 M.Gronholm / Peugeot
 [SS15] 1 S.Loeb / Citroenugeot
 [SS16] Cancelled
 [SS17] Cancelled
by oretch | 2005-09-24 00:36 | WRC

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