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2005年 09月 29日
【MotoGP】第13戦 マレーシアGP レビュー
http://uk.sports.yahoo.com/050925/23/dvpw.html
抱き合って喜ぶチャンピオンを決めたロッシと勝ったカピロッシ。
[Photo : Yahoo!UK&IRELAND / crash.net]


イタリアのバイクに乗ったイタリア人が勝ったレースでイタリア人がチャンピオンになった。
もういいかげん満足してくれよ・・・

ロッシ5連覇

ロッシが最高峰クラスで5年連続、通算7度目のタイトルを獲得した。日本GPで他人を巻き込みながらちょっと足踏みしたけども、2002年と同じマレーシアでタイトルを決めた。

ロッシのチャンピオン獲得についてはすでに色々書いたし、シーズン終了後にも改めて振り返るとして、ここでは今季の残りレースでロッシに期待することを書いてみる。

http://uk.sports.yahoo.com/050925/23/dvox.html
Va7entino Rossi !
[Photo : Yahoo!UK&IRELAND / crash.net]


ロッシは今季ここまでに、すでにいくつかの記録を達成、あるいは更新してきた。現役ではダントツの記録ばかりだ。今季残り4戦で、さらにロッシが達成または更新しそうな記録を思いつくだけ書き出してみる。

  • 最高峰クラスでの優勝回は現在歴代3位の「51」。歴代2位のドゥーハンの記録「54」まであと「3」。
  • 最高峰クラスでの表彰台回数は現在歴代4位の「77」。歴代3位ローソンの記録「78」まであと「1」。
  • 今季ここまでの優勝回数は「9」。あと1勝すると4回目の年間二桁勝利となる。これは、アゴスチーニ(5回)、ヘイルウッド(4回)に続いて史上3人目の快挙。
  • 単独クラスでの年間二桁勝利4回達成はアゴスチーニ(4回)に続く史上2人目の快挙(ヘイルウッドは複数クラスを合計した年間二桁勝利が4回)。
  • 97年に500ccクラスでドゥーハンが達成した一クラスでのシーズン最多勝記録「12」まであと「3」。
  • 全クラス通算のPP回数は現在歴代4位の「40」。歴代3位のマルチネスの記録「42」まであと「2」。

なんか最近ロッシを見る目が、5連覇してた頃のドゥーハンを見る目と一緒になってきた。圧倒的な速さと強さに惚れ惚れしつつも、一人勝ちの度が過ぎてるから負けるところも期待したりして、でもやっぱりWGP新記録を打ち立てる歴史的な瞬間も見てみたい、なんて感じで。
贅沢?

http://it.sports.yahoo.com/050924/21/axw5.html
記録ばかりではなくて“珍”場面も多いロッシ。今回はトカゲ!
[Photo : Yahoo!ITALIA / crash.net]


こうなったら、とことんいけるとこまでいっとくれっ!

ドゥカ2連勝

ロッシのV5達成の影にちょっと隠れちゃったけど、こちらも歴史的な快挙だった。

http://uk.sports.yahoo.com/050925/23/dvrc.html
勝ってチャンピオンを決めたかったはずのロッシをブッチ切り!
[Photo : Yahoo!UK&IRELAND / crash.net]


PPからスタートしたカピロッシが文句無しの2戦連続のポール・トゥ・ウィン。中盤、一時的にロッシにポジションを譲るシーンもあったものの、余裕溢れる優雅な走り(オレッチにはそう見えた)で最後は王者ロッシをスパっと振り切った。もう見事というしかない。
最高峰クラスに移ってからのカピロッシは、単発でチョコチョコ勝ちはするものの、常にトップに絡みつづけるというところまではなかなかいかなかった。だけど今回は違っていた。レース後ロッシは「猫が鼠をもてあそぶようにカピロッシに遊ばれた」とコメントしている。事実、茂木、セパンでの2戦では王者ロッシでさえも全く歯が立たなかった。
2戦連続ポール・トゥ・ウィンを達成したカピ&ドカ&ブリヂストンのパッケージ。このパッケージは、少なくとも瞬間風速的には現在世界最速っていうことだ。

http://it.sports.yahoo.com/050924/1/axre.html
とにかく乗れてるカピロッシ。
[Photo : Yahoo!ITALIA / Associated Press]


今回の連勝はカピロッシにとっても初めてなら、ドゥカティにとっても勿論初めて。
最高峰クラスでイタリア製マシンが連勝したのは、なんと1974年のラスト2戦でMVアグスタを駆るP・リードが達成して以来、実に31年ぶりの快挙だ(2戦連続ポール・トゥ・ウィンも同じ)。

しかも、ドゥカティの快挙はこれだけじゃなかった。
マルコメ、ヘイデンのホンダの若手2人を料理して、ロッシのすぐ後ろにまで追い上げたチームメートのチェカが3位に入って、ドゥカティ初の1-3フィニッシュまでキメてしまった。

http://it.sports.yahoo.com/050924/21/axv1.html
チェカも今シーズン一番の走りで3位表彰台ゲット
[Photo : Yahoo!ITALIA / crash.net]


http://it.sports.yahoo.com/050925/1/az15.html
チャンピオンを決めたロッシよりも勝ったカピの方が嬉しそう
[Photo : Yahoo!ITALIA / Associated Press]


イタリア製マシンが3つの表彰台のうち2つを占めたのも、これまた1974年の最終戦チェコGP以来で31年ぶり、GP数にすると414戦ぶりとなる大快挙だ。
ちなみに、最強だったはずのホンダは2001年以来4年ぶりに表彰台を逃した。

カピもチェカも最早ベテランの域に達したライダー。今更テクニックが劇的に向上したとは考え難い。だとすればこの快挙を成し遂げた原動力は何か?ドゥカティかブリヂストンということになる。
予選順位を見ると、ブリヂストン・ユーザーが上位9台中、過半数の5台を占めて、スポット参戦のジャックを除いてみんなグリッド3列目までにマシンを並べた。決勝でもスズキが7位と9位に入っているし、中野王子もリタイアするまで2位を走っていた。どうやらブリヂストンがここに来て急激に性能を向上させてきたみたいだ。
そう言えばブリヂストンにしても最高峰クラスの連勝は初めてのはず。

来季は、日本製マシン対イタリア製マシン、ミシュラン対ブリヂストンという新しい戦いが激化しそうだ。
でもあんまりドゥカが速くなるとロッシが色気を持つんじゃないかなとちょっと心配したりして。

http://it.sports.yahoo.com/050923/21/awza.html
映画「FASTER」で主役の一人だったホッパーもブリヂストン気流に乗って上昇できるか?
[Photo : Yahoo!ITALIA / crash.net]


痛々しくて見てられない

いつも毒々しくて面白いcrash.netの漫画。今回のには思わず唸った。ロッシのチャンピオンを祝った7人の小人達と、“ホンダの7人の小人達”をかけるなんて巧すぎるっ!

http://it.sports.yahoo.com/050926/21/b0g4.html
似てるんだか似てないんだか。白雪姫ってロッシだよねぇ?
[Photo : Yahoo!ITALIA / crash.net]


いつも機嫌の悪い「おこりんぼ(Grumpy)」はビアッジ。レースなんだから、思い通りにいかないからって怒っててもしょうがないよ!
いつも眠そうにしている「ねぼすけ(Sleepy)」はヘイデン。“第2のスペンサー”はいったいいつ目覚めるんだい?
物知りの「せんせい(Doc)」はバロス。年の功で優勝はしたものの、もう一人の"先生"には歯が立たないね。
いつもモジモジ内気な「てれすけ(Bushful)」はベイリス。いくら恥ずかしがりや屋でも、いつも誰かの後ろにいたら勝てないでしょ!
いつもニコニコ明るい「ごきげん(Happy)」は我らがタマヤン。常にポジティブなのはいいんだけど、愛想がいいだけじゃ物足りないよ!
お調子者の「おとぼけ(Dopey)」はマルコメ。オマエはロッシに勝つ気があるのか?飼い馴らされてどうすんだ?

そして問題は最後の一人。
本当は最後の一人の名前は「Sniffy」じゃなくて「くしゃみ(Sneezy)」のはず。なのに漫画は「お高く止まった/臭い」という意味の「Sniffy」。ジベルノウってそんなに嫌われているのか?

http://it.sports.yahoo.com/050923/21/awz4.html
来季はドゥカ移籍の噂もあるジベ。上昇中のドゥカに乗ってジベも再浮上できるか?
[Photo : Yahoo!ITALIA / crash.net]


シーズン前半までは王者ロッシの自他ともに認めるライバルとして、素晴らしいレースをいくつか見せてくれていたのに、シーズン後半には予想外の低迷ぶり。チェコ、日本、そしてマレーシアと3戦連続のリタイア。もう痛々しくて見ていられない。
今回は絶好調だった我らが中野王子を道連れにしてくれて、日本中から”Sniff(ばかにする)”されちゃったジベ。

可哀想すぎる・・・

http://it.sports.yahoo.com/050923/21/ax67.html
タマヤンもどうしちゃったんだよ~・・・
[Photo : Yahoo!ITALIA / crash.net]


250と125も面白いぞ

日本GPに続いてこちらも連勝が期待されていた青山兄だけど残念ながら5位。でも250ccクラスのチャンピオン争いが面白くなってきたぞ。

日本GP終了時点でポイント2位のストーナーに「63」点差をつけ、速ければカタールGPで2年連続、125ccクラスから考えると3年連続チャンピオンを決定すると思われたペドロサ。が、なーんとマレーシアで今シーズン初のリタイアを喫してしまった。安定度抜群のペドロサがリタイアしたのは昨年の第1戦以来、26戦振り。
そしてここで勝たなきゃならないストーナーが根性見せて今季3勝目をゲット。ポイント差を「63」から「38」まで一気に削り取ることに成功した。
とは言え、残りは4戦しかないから依然としてペドロサが圧倒的に有利ではある。来季MotoGPクラスにステップアップするペドロサとして、3年連続チャンピオンの勲章を引っさげてロッシに宣戦布告したいところだよなぁ。今頃マスター・プーチは、パダワン・ペドロサのためにどんな策を練っているんだろう?

そんな250ccよりももっとチャンピオン争いが激しいのが125cc。

http://uk.sports.yahoo.com/050925/23/dvob.html
その差1000分の2秒!
[Photo : Yahoo!UK&IRELAND / crash.net]


フィニッシュ間際までの激戦が専売特許の125ccでも、今回のは特にすごいデッドヒートだった。勝ったルティと2位カリオの差は僅か1000分の2秒!
こんな僅差っていくら125ccでも久しぶりじゃない?

しかも、茂木で赤旗中断の原因を作ったくせにちゃっかり2位20点をゲットしたルティが勝って、その赤旗中断で一番ワリを喰ったポイント2位カリオとの差をさらに広げちゃった。なんだか因縁めいてきて面白いぞ。
by oretch | 2005-09-29 22:10 | MotoGP

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