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2008年 01月 26日
世界一の大トヨタ様には逆らうな

販売台数のカウントの仕方で混乱はあるようだけど、どうやら勝負はついたようだ。

REUTERS : 07年の世界自動車販売、トヨタが首位=米自動車専門紙 (2007/01/25)

米自動車専門週刊紙オートモーティブ・ニューズは24日、米ゼネラル・モーターズ(GM)の中国合弁会社での販売台数を除外すると、2007年の世界自動車販売台数でトヨタ自動車がGMを抜いて首位になると報じた。

2007年のGMとトヨタの世界自動車販売台数はほぼ937万台となったが、GMが僅かにリードした。

しかし、オートモーティブ・ニューズは、GMの中国合弁会社に対する出資比率は約30%で過半数には達していないとして、合弁会社の販売台数51万6000台は除外されるべきとしている。

(REUTERSより引用)

すごいね~。とうとう世界一ですよ。
日本人として、とりわけクルマ好きの日本人として実に誇らしい気分だ。

大トヨタ様、おめでとうございます!

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水道橋近くにある大トヨタ様の東京本社ビル。
さすが世界一の自動車メーカーにふさわしい威厳に満ちてます。
Photo © BLUE STYLE .COM


晴れて世界一の自動車メーカーとなった大トヨタ様は、もはや恐いもの無し。昨年のF1日本GPで、大トヨタ様の杜撰な運営で被害に遭った人たちが、遂に集団訴訟に立ち上がったなんてニュースも、大トヨタ様にとっては痛くも痒くもない些事に過ぎないだろう。

「うっさいわボケ!潰すぞ!」って感じ?

ただ、オレッチはこの集団訴訟のニュースに興味があったので、「あの問題はいったい何だったのか? 何が原因だったのか?」改めて調べてみた。すると、オレッチの知らなかった事実や、その後発覚した新事実などがいくつもあって驚いた。




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鈴鹿開催でなくなったことを残念に思う反面、
首都圏に近くなって行きやすくなるだろうと期待していた部分もあったのに・・・
Photo © 梅津忠之 / The Tokyo Shimbun


例えば、「肝心のクルマが見えねーじゃねえかっ!」と問題になった1コーナー前の仮設スタンドの件。問題が発覚したとき、大トヨタ様(FSW)は、「仮設スタンドはGP直前に完成したため、チェックができなかったことが原因」と言い訳していたが、その言い訳は大嘘だったことが明らかになった。

OhmyNews : F1日本GP、災害被害者たちの叫び (1) (2008/01/09)

C席仮設部分はF1開催が開催される約1カ月前には大半の工事が完成しており、8月25日、26日に同所で開催されたFormula-Nipponの際には、その指定席の一部(常設部分)は一般客に解放されていた。

事実、8月25日に観客の1人が撮影した写真がホームページ(HP)等で紹介されたりもしていた。
その撮影者は、「明らかに座席の前半分と後ろ半分の傾斜角度が違う。あんな状況では絶対にコースが見えないと思って撮影しておいた」と言う。

(OhmyNewsから抜粋引用)

引用元の写真は、まさに決定的証拠ってやつだね。


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問題の仮設スタンド。あきらかに角度がおかしい。
大トヨタ様からの事実訂正と謝罪は、多分、永遠に無い。
Photo © 神代雅夫 / The Tokyo Shimbun


嘘はそれだけじゃなかった。サーキットからの帰ろうとしたら何時間も待たされて大混乱に陥った件でも、大トヨタ様(FSW)は嘘を言っていた。

大トヨタ様(FSW)は、「雨のために道路の一部が陥没してしまったため」と、まるで天災に遭ったかのような説明をしていたけど、実際は、道路は雨が降りだす前にすでに陥没していたのだ。


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長蛇の列を作るバス。道路の一部が陥没したことで、バス輸送は麻痺状態に。
もちろん、こちらも大トヨタ様から事実訂正と謝罪があることは永遠に無いだろうね。
Photo © F1観戦塾 矢田靖也 / The Tokyo Shimbun


世界一の自動車メーカーって言ったって、こんなすぐ見破られるような嘘をつく底の浅い会社だったわけだ。


でも、今回改めて色々調べてみて一番驚いたのが、バスが遅れてレース・スタートに間に合わなかった客への損害賠償の件。

バスが遅れてレースが見られなかった人たちに、大トヨタ様(FSW)がチケット代のほか宿泊費や交通費なども弁済すると知った直後は、「さすが金持ち大トヨタ様。なかなかいい対応ジャン」と肯定的に受け止めたのだけど、この話には信じられないような続きがあった。

対象がたったの85人だけ、というのも実におかしな話だけど、そんなのはただの前フリだった。

2007日本GPの被害者立ち上がろう : 消費生活センターから連絡 (2007/11/12)

苦情を申し入れていた消費生活センターの担当者様から連絡がありました。消費生活センターから、センターへ届いた苦情として公式にFSWへ申し入れた回答です。

FSWの回答
85名に払い戻しを発表してしまった事が間違いであり、それ以上の観客に対しては今後一切の払い戻しは考えていない」
「今回の件で払い戻しを行えば、一つの例を作ってしまえば、他のサーキットで同じような問題が起こってしまった時、迷惑をかけてしまう恐れがある為、例を作らない為にも払い戻しは一切考えていない」

(「2007日本GPの被害者立ち上がろう」から引用)


( ゜o゜)ぱーどぅん?

何言ってんの?



新幹線とか飛行機とかの公共交通機関が遅延して間に合わなかったのなら大トヨタ様(FSW)の言い分も分かるけど、チケット&ライド方式を導入してバスでのサーキット入りを強制したのは大トヨタ様(FSW)ご自身であり、ご自身が手配したそのバスの運行に遅延が発生して客が損失を被ったとなれば、その全責任は大トヨタ様(FSW)にあるんじゃないの?

それに「例を作らない為にも」ってどういう意味?

被害を被った客を悪質なクレーマー扱いですか?


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”緊急避難”的にやむにやまれず徒歩で入場した人たちは無視。
そして損失補てんしてもらった85人は後になってクレーマー扱い。
世界の企業から尊敬を集める「トヨタ・ウェイ」って、そういうものだったの?
Photo © F1観戦塾 矢田靖也 / The Tokyo Shimbun


もうね、開いた口が塞がらないとはこのことだね。宮川大輔のすべらない話じゃないけどさ、口(くち)がパッカーンと開いてしまったよ。

こんなこと、許されていいのかね?
いや、いいわけがない。

でも許されちゃう。
大トヨタ様は許されちゃう。

なぜなら、大トヨタ様は今や世界一のメーカーだからだ。




実際に“大トヨタ様は許されてしまう”ところが、この問題の真に恐ろしいところだ。


一般的に、企業が不祥事を起こした場合は、「バッシング報道」という名の過酷な社会的制裁を受けるものだ。
賞味期限切れの原料の再利用が発覚した不二家や、リコール隠しが問題になった三菱自動車は、苛烈な「バッシング報道」を受けて倒産寸前にまで追い込まれた。雪印のように、グループ解体にまで至った企業さえある。

なのに、日本GPでの大トヨタ様の失態については、大手マスコミは最初に事実(と当時思われたこと)をチョロっと報道した程度で、その後はすぐに黙りこんでしまった。

何万人もの被害者を出したことを考えれば、もっと大問題として扱ってもいいはずなのに、大手マスコミの報道からはアっと言う間に姿を消してしまった。ましてや、上記リンク先の記事で追及しているような新しい事実についてフォローするような気配など微塵も無い。

なぜ大手マスコミは沈黙を決め込んでいるのか?

理由は簡単。業界別で断然トップの大手マスコミの高給は、大トヨタ様のような大手スポンサー様が出してくれる広告宣伝費で成り立っているからだ。

 → MSN : 生涯給料1000社ランキング

大トヨタ様は実に年間1,000億円以上もの宣伝広告費を使っている。国内では断トツの一位だ。格差社会の頂点に立つ大手マスコミが、自分たちの豊かで贅沢な生活を支えてくれる最大のパトロンである大トヨタ様を、まさか批判するような報道なんてできるわけないよね!

政治家だって企業献金でしっかり手懐けてあるし、さすが世界一の大トヨタ様はお金の使い方を良く心得ていらっしゃる!!


その他詳細は → [まとめサイト] トヨタの富士スピードウェイF1グダグダ運営




お金の使い方を心得ているはずなのにトヨタF1のグダグダぶりはこれいかに?



F1日本GP問題を特集した専門誌やニュースサイトはよく頑張ったと思うよ。どれも、問題を取り上げるタイミングは明らかに遅かったし、内容的にも全く鋭さに欠けてて大トヨタ様を擁護してる部分も多々見られたけど、それでも、それなりにあの問題を総括してみせたんだから。

かつて朝日「AERA」が松下電器を批判する記事書いて、怒った松下に広告費を引き上げられたもんだから速攻で謝罪文掲載&編集長更迭して全面降伏したなんてこともあったし、結構ヒヤヒヤものだったんじゃないかな?

でも、専門誌にとっては一番の客は大トヨタ様じゃなくて本を買ってくれるモタスポ・ファンなわけだから、モタスポ・ファンがあれだけ怒ってんのに、ここで大トヨタ様の顔色ばっか伺ってたら、それこそ自滅しかねなかったわけだものね。
読者を取るか、大トヨタ様を取るか、相当葛藤した末の苦渋の選択だったんだろうね。
by oretch | 2008-01-26 01:11 | F1

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